リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「Exercise training ameliorates vasodilator capacity of coronary microvessels in patients with vasospastic angina - A new therapeutic approach for the coronary functional disorder -」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

Exercise training ameliorates vasodilator capacity of coronary microvessels in patients with vasospastic angina - A new therapeutic approach for the coronary functional disorder -

杉澤 潤 東北大学

2020.03.25

概要

【背景】
冠攣縮性狭心症 (Vasospastic angina: VSA) は心表面冠動脈過収縮反応により心筋虚血を引き起こす疾患である。近年、新たな心筋虚血の原因として冠微小血管の機能異常が注目されており、VSA と合併することが報告されている。冠微小血管の拡張障害は労作などの心筋酸素需要増大時に心筋血流量 (Myocardial blood flow: MBF) の増加を制限し、運動耐容能を低下させる。しかし、VSA に合併した冠微小血管の拡張障害の画像評価や運動耐容能を検討した報告はない。また、VSA に対する標準治療としてカルシウム拮抗薬が用いられるが、薬剤に抵抗性を示す難治性 VSA 症例が存在する。一方で運動療法は動脈硬化性冠動脈疾患に対する有効性は確立されているが、冠動脈の機能異常である VSA に対する有効性は不明である。そこで本研究では 3 つの臨床試験を施行した。1つ目に VSA に合併した冠微小血管拡張障害をアデノシン負荷心筋ダイナミック CT パーフュージョン (dynamic computed tomography perfusion: CTP) を用いて検討した(プロトコール 1)。2つ目に VSA 患者の冠微小血管拡張障害と運動耐容能との関連を心肺運動負荷試験 (Cardiopulmonary exercise testing: CPET) を用いて検討した(プロトコール 2)。3 つ目に VSA 患者に対する運動療法の有効性を無作為化比較試験により検討した(プロトコール 3)。

【方法】
プロトコール 1:アセチルコリン負荷冠攣縮誘発試験の結果から VSA と診断された 32 例 (VSA 群)と、冠攣縮が誘発されなかった 12 例 (Non-VSA 群) の間でアデノシン負荷心筋 dynamic CTP で測定した MBF を比較した。

プロトコール 2: アセチルコリン負荷冠攣縮誘発試験の結果から VSA と診断された 31 例 (VSA 群) と、冠攣縮が誘発されなかった 18 例 (Non-VSA 群) の間で CPET を用いて運動耐容能を比較した。さらに VSA 群を冠微小血管拡張機能の指標である冠血流予備能 (Coronary flow reserve: CFR) を用いて CFR が保たれた 21 例 (CFR≧2.0 群) と CFR が低下した冠微小血管拡張障害を有する 11 例 (CFR<2.0 群) に分けて運動耐容能を比較した。

プロトコール 3:アセチルコリン負荷冠攣縮誘発試験の結果、VSA と診断された患者を無作為に運動療法群 10 名、非運動療法 10 名に割り当てた。試験登録時と 3 ヶ月後にアデノシン負荷心筋 dynamic CTP、CPET による運動耐容能評価、胸痛発作頻度を評価した。

【結果】
プロトコール 1:Non-VSA 群と VSA 群の間で、年齢、性別、冠危険因子、心臓超音波検査で測定された心機能については有意な差は認めなかった。アデノシン負荷心筋 dynamic CTP で測定した MBF は Non-VSA 群と比較し VSA 群は有意に低値であった (P<0.05)。

プロトコール 2: Non-VSA 群と VSA 群の間で、年齢、性別、冠危険因子、心臓超音波検査で測定された心機能については有意な差は認めなかった。CPET で測定した運動耐容能に両群で有意な差を認めなかった。一方で、 VSA 群において CFR≧2.0 群と比較し CFR<2.0 群で有意な運動耐容能の低下を認めた (P<0.05) 。

プロトコール 3: 無作為化後に運動療法群で 1 例が参加を取りやめた。両群間で年齢、性別、冠危険因子、心臓超音波検査で測定された心機能については有意な差は認めなかった。非運動療法群と比較し、アデノシン負荷心筋 dynamic CTP で測定した MBF、運動耐容能は運動療法群で有意に増加した (P<0.05) 。さらに、介入後 1 ヶ月目と 3 ヶ月目の胸痛発作頻度は非運動療法群と比較し運動療法群で有意に低下した (P<0.05) 。

【結語】
VSA に合併した冠微小血管拡張障害はアデノシン負荷心筋 dynamic CTP により評価可能であり、運動耐容能低下に関与していた。さらに標準治療であるカルシウム拮抗薬投与に運動療法を追加することで冠微小血管の拡張障害、運動耐容能、胸痛発作頻度が改善し、運動療法の VSA に対する有効性が示唆された。

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る