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書き出し

気管平滑筋におけるメラトニンMT2受容体の発現と気管平滑筋収縮増強機構

佐々木, 晴香 東北大学

2023.03.24

概要

博⼠論⽂

気管平滑筋におけるメラトニン MT2 受容体の発現と
気管平滑筋収縮増強機構

佐々⽊ 晴⾹

令和 4 年度提出
東北⼤学


第1章 緒





第2章 ⽅法
2.1

細胞培養

2.2

ヒト及びモルモット気管のプレパレーション

2.3

遺伝⼦発現解析

2.4

イムノブロット法

2.5

免疫組織化学染⾊

2.6

ノックダウン細胞の作製

2.7

cyclic AMP 測定

2.8

細胞内 Ca2+濃度測定

2.9

F-actin/G-actin ⽐の測定

2.10

Organ bath 法

2.11

細胞増殖アッセイ

2.12

統計学的分析

第3章 結



3.1

気管平滑筋におけるメラトニン受容体の遺伝⼦・蛋⽩発現解析

3.2

気管平滑筋組織におけるメラトニン受容体の発現解析

3.3

メラトニンによるヒト気管平滑筋細胞における cAMP 産⽣抑制作⽤

3.4

メラトニンによるヒト気管平滑筋細胞におけるアセチルコリン誘発
性[Ca2+]i 増強機構

3.5

メラトニンによるヒト気管平滑筋細胞におけるアクチン細胞⾻格の

再構成
3.6

メラトニンによるモルモット気管輪におけるイソプロテレノール誘
発性気管平滑筋弛緩作⽤の減弱機構

3.7

メラトニンがヒト気管平滑筋細胞の増殖に与える影響の評価

第4章 考



第5章

引⽤⽂献

第6章







第1章





気管⽀喘息は全世界で 2.6 億⼈以上が罹患している代表的な慢性炎症性疾患である(22).
その病態は気管平滑筋の発作性収縮,気管上⽪の杯細胞からの気道粘液分泌増加,気道リモ
デリング,気道の慢性炎症などにより特徴づけられる.特に前2者の臨床症状は夜間に増悪
しやすく,気管⽀喘息発作の約 9 割が深夜から早朝に集中するため,喘息患者の睡眠の質
にも悪影響を及ぼす(24, 46).この夜間喘息発作は喘息コントロール不良患者の主要な臨床
的特徴の 1 つと考えられている(54, 61).また,喘息死の約 53%が夜間に発⽣していること
から(45),夜間喘息発作は喘息死の主要なリスクファクターの 1 つと考えられている(61).
しかしこれまで,夜間喘息発作の症状を特異的に抑える薬剤は存在せず,臨床的な課題とな
っている.
夜間喘息発作の発⽣機序はこれまで諸説提唱されている,例えば,副交感神経系の作⽤が
睡眠時に優位になるため,気道狭窄をもたらす可能性(31),また夜間はステロイドホルモン
の分泌が減少し気道の炎症が増悪しやすくなる可能性(7, 27, 28)などが提唱されている.し
かし,これらの説はいずれも推論の域を出ておらず,夜間喘息発作の詳細なメカニズムはこ
れまで明らかにされていない.
⼀般に,気管平滑筋の収縮は G 蛋⽩共役型受容体を介して⽣じる.例えば,気管平滑筋
に発現する Gq/11 蛋⽩共役型受容体が刺激されると,ホスホリパーゼ C-β(PLC-β)が活性
化され,ホスファチジルイノシトール 4,5-⼆リン酸(PIP2)をジアシルグリセロール
(DAG)とイノシトール 1,4,5-三リン酸(IP3)に分解する.⽣成された IP3 が筋⼩胞体上

の IP3 受容体に作⽤することで筋⼩胞体から Ca2+が放出され,細胞内 Ca2+濃度([Ca2+]i)
が上昇し,気管平滑筋が収縮する.⼀⽅,Gi/o 蛋⽩共役型受容体が刺激されると,アデニ
ル酸シクラーゼ(AC)活性が抑制されて cAMP 産⽣量が低下することで,気管平滑筋の
弛緩が抑制される.また,Gi/o 蛋⽩共役型受容体と Gq/11 蛋⽩共役型受容体の間にはクロス
トークが存在し,Gi/o 蛋⽩から遊離した Gαi あるいは Giβγ サブユニットが PLC-β を直接刺
激することで IP3 の⽣成を促進し,気管平滑筋収縮作⽤を増強することが明らかにされて
いる(37).しかしこれまで,気管平滑筋収縮作⽤が概⽇リズムの影響を受けるかについて
は明らかにされていない.
メラトニンは松果体で産⽣・分泌される概⽇リズム形成ホルモンである.夜間喘息患者は
⾎清メラトニン濃度が健常者に⽐べて有意に⾼く,また夜間喘息患者における⾎清メラト
ニン濃度と⼀秒率の変化は負の相関を⽰す(54).メラトニンは Gq/11 蛋⽩や Gi/o 蛋⽩に共役
するメラトニン MT1 受容体,及び Gi/o 蛋⽩に共役するメラトニン MT2 受容体を介して様々
な⽣理作⽤を発揮することから,メラトニンがこれらの受容体を介して夜間に気管平滑筋
を収縮させる可能性が⾼い.
臨床的には,アドレナリン β2 受容体作動薬は最も効果的な気管⽀拡張薬の1つであり,
喘息治療における主要な治療薬である.アドレナリン β2 受容体作動薬の吸⼊製剤は,気管
⽀喘息発作時のリリーバー(寛解薬)として,また気管⽀喘息患者の気道の開存性を保つコ
ントローラーとして広く使⽤されている.夜間喘息患者ではアドレナリン β2 受容体作動薬

の効果が限定的であるとされているが(21),その機序は明らかにされていない.
また,喘息症状の慢性化は,気道の内腔の狭⼩化(気道リモデリング)を招く.気道リモ
デリングの主要な徴候として気管平滑筋層の肥厚が認められるが,これは,気管平滑筋に発
現する Gi/o もしくは Gq/11 蛋⽩共役型受容体の刺激により気管平滑筋細胞の増殖が促進され
ることで⽣じると考えられている(36).
これまで,気道におけるメラトニンの存在が確認されており(30),その役割についてはい
くつか報告されている.例えば,ヒト気道上⽪細胞では,メラトニンが気道粘液の主要なム
チンである MUC5AC の産⽣と炎症性サイトカインの産⽣を抑制することが報告されてお
り(49, 50),喘息治療薬としてのメラトニンの有効性が⽰唆されている.しかしこれまで,
メラトニン受容体が気管平滑筋に発現しているのか,また気管平滑筋の張⼒や気道リモデ
リングに影響を与えるのかについては明らかにされていない.そこで本研究では,以下の点
について検証することとした.
1)気管平滑筋におけるメラトニン受容体の発現の探索
2)メラトニンが気管平滑筋の張⼒に与える影響と気管平滑筋細胞内シグナリング機構
3)メラトニンがアドレナリン β2受容体作動薬の気管⽀拡張作⽤に与える影響
4)メラトニンが気管平滑筋の細胞増殖に及ぼす影響

第2章





2.1

細胞培養

肺移植ドナー由来の初代培養ヒト気管平滑筋細胞(由来: 27 歳⽩⼈⼥性,56 歳⽩⼈男性,
60 歳⽩⼈男性)は Lonza から購⼊した(cc-2576, 00194850)
.ヒト気管平滑筋細胞の培養
には,10%ウシ胎児⾎清 Fetal Bovine Serum(FBS)
,抗⽣物質-抗真菌剤混合溶液[ペニシ
リン G ナトリウム塩(100 units/ml)
,ストレプトマイシン硫酸塩(100 µg/ml)
,アムホテ
リシン B(0.25 µg/ml)
]を添加した Dulbeccoʼs modified Eagleʼs medium (DMEM)/F-12
培地を⽤い,CO2 インキュベーター(37℃,5% CO2)で培養した.

2.2

ヒト及びモルモット気管のプレパレーション

ヒト気管組織⽚の採取・分与は,コロンビア⼤学倫理委員会の承認下に実施した.コロン
ビア⼤学 Irving Medical Center で実施された脳死肺移植⼿術において,移植ドナーの気管・
肺をレシピエントに移植する際に気管を適切な⻑さにトリミングすることで⽣じる不要部
分の分与を受けた.気管組織の外側に付着した結合組織は顕微鏡下で可及的に除去した.
モルモットを⽤いた実験はコロンビア⼤学実験動物委員会の承認を得て実施した.
Hartley モルモット(オス: 体重 400 g)をペントバルビタール(100 mg/kg)の腹腔内投与
による過剰⿇酔で安楽死させた後,気管と脳を摘出した.オーガンバス法に⽤いる気管は,
4℃の 10 µM インドメタシン(DMSO 最終濃度 0.01%)含有 Krebs-Henseleit 緩衝液(118
mM NaCl,5.6 mM KCl,0.5 mM CaCl2,0.2 mM MgSO4,25 mM NaHCO3,1.3 mM NaH2PO4,

5.6 mM D-グルコース)に浸漬した.モルモット気管の外側に付着した結合組織は顕微鏡下
で可及的に除去した.気管上⽪組織は免疫組織化学染⾊に使⽤する気管組織⽚では温存し
たが,オーガンバス法に⽤いる気管組織⽚では除去した.

2.3

遺伝⼦発現解析

ヒト気管組織⽚の平滑筋組織の Total RNA は,TRIzol® Reagent(Ambion)を⽤いて抽
出した.また初代培養ヒト気管平滑筋細胞の Total RNA は RNeasy mini Kit(QIAGEN)を
⽤いて抽出した.ヒトの全脳の Total RNA は Clontech 社から購⼊した市販品を⽤いた.ゲ
ノム DNA の混⼊を避けるため,RNA サンプルを DNase I (Invitrogen)で前処理した.RNA
を ReverTra Ace® qPCR RT Kit(東洋紡)を⽤いて 37℃で 15 分間逆転写反応を⾏い,cDNA
を合成した.cDNA を Advantage2 PCR kit (Clontech)及び遺伝⼦特異的プライマーと混合
し,PCR 法を実施した.プライマーは,サイズの⼤きなイントロンを挟む 2 つの exon 上に
上流プライマーと下流プライマーをそれぞれ設計した(Table 1)
.PCR 反応は,94℃ 1 分
(1 cycle)
,94℃ 10 秒及び 70℃ 1 分(40 cycle)の条件でサーマルサイクラー(Mastercycler
ep Gradient S,Eppendorf)で実施した.PCR 産物は Tris-酢酸-EDTA バッファー中に浸漬
した 5%⾮変性ポリアクリルアミドゲルを⽤いた電気泳動で分離した.泳動後のゲルは臭化
エチジウムで染⾊して紫外光で励起し,デジタルカメラ(PowerShot A570; Canon)で撮影
した.

定量的リアルタイム PCR は,ヒト MTNR1B 特異的プライマー(Bioneer, P310677)
[forward

primer,

5ʼ-CATGGCCTACCACCGAATCTA-3ʼ,

reverse

primer,

5ʼ-

TCTGGATGAAGGTGCAGGAAT-3ʼ, amplicon size, 149 bp]もしくはヒト GAPDH 特異的
プ ラ イ マ ー [forward primer, 5ʼ-CCAGGGCTGCTTTTAACTCTGGTAAAGTGGATA-3ʼ,
reverse primer, 5ʼ-CATCGCCCCACTTGATTTTGGAGGGA-3ʼ, amplicon size, 213 bp]と
SYBR Green Master Mix (Thermo Fischer Scientific)を混合し,Step-OnePlus Real-Time
PCR system (Applied Biosystems)で実施した.増幅産物の特異性は,融解曲線分析により
確認した.Ct 値はハウスキーピング遺伝⼦(GAPDH)で標準化し,⽐較 Ct(⊿⊿Ct)法
で相対定量した.

2.4

イムノブロット法

① ヒト気管平滑筋組織サンプルの調製

ヒト気管平滑筋組織は,ホモジナイズ後に Nitex メッシュ(125 µm 径)で濾過し,2回
遠⼼分離(500 g,15 分)後に上清を回収した.上清を再度遠⼼分離(50,000 g,4℃,30
分)し,沈殿物を緩衝液に懸濁し,蛋⽩質濃度の測定後に−80℃で保存した.
② 初代培養ヒト気管平滑筋細胞サンプルの調製

T75 培養フラスコにヒト気管平滑筋細胞を培養し,
90% confluent まで増殖させた.
また,
薬剤投与実験では 6-well plate で培養して 90% confluent まで増殖させた後,無⾎清培地で

24 時間成⻑停⽌させた.続いて,メラトニン(10 µM)を 10 分投与後にアセチルコリン
(ACh; 1 µM)で 5 分間細胞を刺激した.
細胞は氷冷した PBS で 2 回洗浄し,プロテアーゼ阻害剤(Protease Inhibitor Cocktail set
III, 1:200; Calbiochem)を含む氷冷した RIPA バッファー(50 mM Tris-HCl, pH 8.0, 1%
Nonidet P-40, 0.5% sodium deoxycholate, 0.1% SDS, 150 mM NaCl, 1 mM EDTA, 1 mM
Na3VO4, 1 mM NaF)で細胞を溶解し回収した.回収した細胞を遠⼼分離(15,000 g,4℃,
15 分)し,上清を蛋⽩抽出サンプルとした.各サンプルの蛋⽩濃度を BCA 蛋⽩質アッセイ
キット(Pierce™ BCA Protein Assay Kit; Thermo Fischer Scientific)で定量し,各サンプル
間の蛋⽩質濃度が⼀定になるように調整後,サンプルバッファー(50 mM Tris-HCl, pH 6.8,
2.5% SDS, 6% グリセロール, 2.5% 2-メルカプトエタノール, ブロモフェノールブルー)と
混合して 95℃で 10 分間加熱し,イムノブロット⽤の泳動サンプルとした.
③ イムノブロット法

サンプルをポリアクリルアミドゲル(10% Mini-Protean TGX precast gel; Bio-Rad)で
電気泳動し,Transblot Turbo Transfer system(Bio-Rad)で PVDF メンブレンに転写した.
転写後のメンブレンを 0.1% Tween20 含有トリス緩衝⽣理⾷塩⽔(TBST)で洗浄後,5%
スキムミルクを含有した TBST で 1 時間常温でブロッキングし,さらに⼀次抗体反応を
4℃で⼀晩⾏った.⼀次抗体には,抗メラトニン MT1 受容体抗体(ウサギポリクローナル
抗体,1:500,GTX100003; GeneTex)
,抗メラトニン MT2 受容体抗体(ウサギポリクロ

ーナル抗体,1:500,GTX129715; GeneTex)
,抗リン酸化 ERK1/2(Thr 202/Thr 204)抗
体(ウサギポリクローナル抗体,1:2000,No. 9101; CST)
,抗リン酸化 Akt(Ser 473)抗
体(ウサギモノクローナル抗体,1:1000,No. 4060; CST)を⽤いた.その後 TBST で 10
分間ずつ 3 回洗浄し,
⼆次抗体反応
(HRP 標識抗ウサギ IgG 抗体,
1:5000; NA934V; Cytiva)
を室温で 1 時間⾏った.⼆次抗体反応終了後,メンブレンを TBST で 10 分間ずつ 3 回洗
浄し,蛍光発光試薬(ECL Prime Western Blotting Detection Reagent; Cytiva)でバンドを
発光させ,ルミノ・イメージアナライザー(LAS 4000 Mini; GE Healthcare)でバンドを
検出した.その後,同じメンブレンを stripping し, 抗 GAPDH 抗体(ウサギポリクロー
ナル抗体,1:1000,No. 5174; CST)
,抗 ERK1/2 抗体(ウサギポリクローナル抗体,1:2000,
No. 9102; CST)
,あるいは抗 Akt 抗体(ウサギポリクローナル抗体,1:1000,No. 9272;
CST)で再標識した.ERK 及び Akt リン酸化に関する実験では,バンドの強度を ImageJ
ソフトウェア(National Institutes of Health)を⽤いて測定し,リン酸化蛋⽩/総蛋⽩の⽐
率を計算した.

2.5

免疫組織化学染⾊

① ヒト気管組織

ヒト気管組織⽚を 4%パラホルムアルデヒド及び 1%グルタールアルデヒドを含有した
0.1 M リン酸緩衝液で 4 時間固定した.その後,組織をパラフィン包埋し,10 µm 厚に薄切

後に常温で保存した.組織切⽚はキシレンで脱パラフィン化し,エタノール(無⽔エタノー
ル,99.5,95,80,70%)に段階的に浸漬後,Tris-EDTA 緩衝液(10 mM Tris-base,1 mM
EDTA,pH9.0)に浸漬し圧⼒鍋で 2 分間加圧加熱処理後,0.3%過酸化⽔素含有メタノール
溶液に 15 分間浸漬して内因性ペルオキシダーゼの不活化を⾏った.続いて,10%正常ヤギ
⾎清(NGS,S-1000; Vector Laboratories)を含有した 0.1% Tween 20 含有リン酸緩衝⽣理
⾷塩⽔(PBST)で組織切⽚を 30 分間ブロッキング後,2%NGS と 0.1% Triton X-100 を含
有した PBS で希釈した,抗メラトニン MT1 受容体抗体(ウサギポリクローナル抗体,1:50,
PA5-50522; Thermo Fischer Scientific)
,もしくは抗メラトニン MT2 受容体抗体(ウサギポ
リクローナル抗体,1:500, ab203346; Abcam)を 4℃で 24 時間反応させた.なお,メラト
ニン MT2 受容体蛋⽩質の検出に際しては,イムノブロット法に⽤いた抗メラトニン MT2 受
容体抗体(GTX129715; GeneTex)は,免疫組織化学染⾊への使⽤は推奨されていないため,
別の抗メラトニン MT2 受容体抗体(ab203346; Abcam)を⽤いた.陰性コントロールとし
て,気管組織の連続切⽚を抗ウサギ IgG 抗体(ウサギポリクローナル抗体,02-6102;
Invitrogen)と反応させた.その後,組織切⽚を PBST で 3 回洗浄し,ビオチン標識⼆次抗
体(1:100, VECTASTAIN Elite ABC Rabbit IgG kit, PK-6101; Vector Laboratories)と常温
で 30 分間反応させた.さらに VECTASTAIN Elite ABC 試薬(VECTASTAIN Elite ABC
Rabbit IgG kit, PK-6101; Vector Laboratories)と 30 分間反応させた後,抗原抗体複合体を
ジアミノベンジジン(DAB)ペルオキシダーゼ基質キット(SK-4100; Vector Laboratories)

で可視化した.ヘマトキシリンで対⽐染⾊後,組織切⽚をエタノールで段階的に脱⽔後に⾵
乾し,Poly-Mount(Polyscience)で封⼊した.
② モルモット気管組織

モルモットの気管輪を 4%パラホルムアルデヒド含有 0.1 M リン酸緩衝液で 24 時間固定
した.その後パラフィン包埋し,10 µm 厚に薄切した.気管組織切⽚はキシレンで脱パラフ
ィンし,段階的にアルコールから⽔まで再⽔和させた.その後 PBS で洗浄し,10%正常ヤ
ギ⾎清を含有した PBS で 30 分間ブロッキングした.組織切⽚を PBS で洗浄後,0.5%ウシ
⾎清アルブミン(BSA)と 0.05%アジ化ナトリウムを含有した PBS 中に希釈した抗メラト
ニン MT1 受容体抗体(ウサギポリクローナル抗体,1:50,PA5-50522; Invitrogen)または
抗メラトニン MT2 受容体抗体(ウサギポリクローナル抗体,1:200,ab203346; Abcam)を
4℃で 24 時間反応させた.また陰性コントロール(Isotype negative control)として,気管
組織の連続切⽚を抗ウサギ IgG 抗体(ポリクローナル抗体,1:50,02-6102; Invitrogen)と
反応させた.組織切⽚を PBS で洗浄した後,0.3%H2O2 含有メタノールを室温で 20 分間反
応させ,内因性ペルオキシダーゼ活性を不活化した.続いて,組織切⽚を再度 PBS で洗浄
し,ビオチン化抗ウサギ抗体 [Histofine SAB-PO(R) kit; ニチレイ] を⽤いて⼀次抗体と室
温で 30 分間反応させた.その後,ペルオキシダーゼ標識 Streptavidin [Histofine SABPO(R) kit; ニチレイ]を室温で 20 分間反応させ,PBS で洗浄後,0.005% H2O2 含有 0.05 M
Tris buffer で希釈した DAB [Histofine SAB PO(R) kit; ニチレイ]により抗原-抗体複合体を

可視化した.組織切⽚を洗浄しヘマトキシリンで対⽐染⾊した後,⾵乾させ封⼊した.

2.6

ノックダウン細胞の作製

DMEM/F12 培地(10%FBS 含有,抗⽣剤不含)で培養したヒト気管平滑筋細胞を,6-well
plate(1.5 ml の増殖培地で播種)
,96-well plate(0.1 ml の増殖培地で播種)または 8-well
チャンバースライド(0.5 ml の増殖培地で播種)で 50% confluent になるまで培養した.次
いで,Opti-MEM(Thermo Fischer Scientific)中に 1:50 で希釈した Lipofectamine™
RNAiMAX Transfection Reagent(Thermo Fischer Scientific)と,Opti-MEM 中に siRNA
の終濃度が 10 nM になるように調製した,
ヒト MTNR1B を標的とする pre-designed siRNA
(Silencer® Select Pre-designed siRNA, ID. S9051; Thermo Fischer Scientific)または陰性
コントロールとして non-targetng control siRNA(Silencer® Select Negative Control siRNA,
No. ...

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