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Statistical tests for adaptive seamless design using different binary endpoints in the first and second stages

高橋, 健一 筑波大学

2023.09.04

概要









論 文 題 目:
Statistical tests for adaptive seamless design using
different binary endpoints in the first and second stages
(第1段階と第2段階で異なる二値の評価項目を用いた
アダプティブシームレスデザインに対する統計的検定)

指導教員:
人間総合科学研究科
五所



正彦

疾患制御医学専攻

教授

属:

筑波大学大学院人間総合科学研究科 疾患制御医学専攻
氏 名:
高橋 健一

目的:
医薬品開発には膨大な費用と時間を要する.近年,有効かつ安全な医薬品をできるだけ
早く患者に提供するために,臨床試験の効率化への関心が高まっている.従来の臨床試
験では,事前に規定したプロトコールに従い,デザインを試験期間中に変えることなく
試験を実施し,得られたデータを解析する.その一方で,試験の効率化を図るため,ア
ダプティブデザインの利用が注目されている.アダプティブデザインとは,試験中の被
験者から蓄積されたデータに基づき,事前に計画されたデザインの 1 つ以上の側面の変
更を許容する臨床試験デザインである.アダプティブデザインには,サンプルサイズ再
設定,割付比変更などいくつかの種類があるが,最も頻繁に用いられているものの1つ
が,アダプティブシームレスデザインである.
アダプティブシームレスデザインは,複数の治療群と対照群を比較し最適な治療群を選
択するための第 2 相試験(第 1 段階)と第 2 相試験で選択された治療群を用いてその薬
剤の優越性を評価する第 3 相試験
(第 2 段階)を組み合わせた臨床試験デザインである.
2 つの目的の試験を1つに併合して実施するため,当然,試験期間は短縮される.アダ
プティブシームレスデザインを適用する際,一般に第 1 段階と第 2 段階で同じ評価項目
を設定するが,その評価項目の測定値が得られるまでに時間がかかる場合,試験が長期
に及ぶため,各段階で異なる評価項目を使いたい状況がある.
本研究では,第 1 段階と第 2 段階で異なる 2 値評価項目を用いたアダプティブシームレ
スデザインに対して,二変量二値分布を用いて試験群と対照群の治療効果を比較するた
めの新しい仮説検定法を開発することが目的である.
対象と方法:
本研究では,第 1 段階の終了後の中間解析で短期に得られる 2 値の評価項目に基づき,
最も有効な治療群を選択し,第 2 段階終了後の最終解析では,第 1 段階とは異なる長期
の 2 値の評価項目を用いて,選択された治療群と対照群を比較するアダプティブシーム
レスデザインを対象とし,そのデザインに対する仮説検定の手順を構築した.具体的に
は,二変量二項分布を用いた正確法と mid-p 値に基づく方法を提案した.また,乱数を
用いたシミュレーション実験を通じて,最終解析時の群間比較での第 1 種の過誤の確率
と検出力に関する動作特性を既存法である統合検定に基づく方法と比較した.さらに,
中間解析での選択ルールの適切性についても評価した.
結果:
第 1 種の過誤の確率:
統合検定に基づく方法は,短期と長期評価項目の相関が低い場合に保守的になり,相関
が高くなるにつれ名義の有意水準に近づいた.また,第 1 段階の治療群の数が多い場合
に,より保守的であった.一方,提案した正確法は,短期と長期評価項目の相関,第 1

段階の用量の数,及び中間解析の実施時期にかかわらず,第 1 種の過誤の確率を一貫し
て制御できた.提案した mid-p 値に基づく方法は,名義の有意水準をわずかに超える場
合があった.
検出力:
1 つの治療群のみ有効である場合,提案する正確法及び mid-p に基づく方法は統合検定
に基づく方法に比べて,短期と長期評価項目の相関,第 1 段階の群の数及び中間解析の
実施時期にかかわらず一貫して検出力が高かった.すべての用量が有効である場合,短
期と長期評価項目の相関が高い場合には,統合検定に基づく方法の検出力が高かったが,
相関が低い場合には mid-p 値に基づく方法の検出力の方が高かった.
選択ルールの適切性:
短期評価項目に対する治療効果がない場合,長期評価項目に対する治療効果がある治療
群を正しく選択する確率は低かった.短期評価項目に対する治療効果がそれほど大きく
なくても,正しく選択する確率は比較的高く,中間解析時点が遅いほど選択確率が高か
った.
考察:
本研究で得られた知見は,中間解析で最も有望な治療群を1つ選択する場合に限定され
るが,1 つの治療法のみ有効であると想定される場合は,短期評価項目にある程度治療
効果があれば,最適な治療群を正しく選択できるため,この選択ルールは機能する.
提案した正確法は,短期と長期評価項目の相関や第 1 段階の治療群の数にかかわらず,
常に第 1 種の過誤の確率を名義の有意水準で制御している.一方、提案した mid-p 値に
基づく方法は,シナリオによっては第 1 種の過誤の確率を名義の有意水準で制御できな
い場合があった.したがって,mid-p 値に基づく方法は緊急性のない医薬品開発におけ
る検証試験には適さない可能性がある.
結論:
本稿では,第 1 段階と第 2 段階で異なる 2 値評価項目を用いたアダプティブシームレス
デザインに対して,二変量二値分布を用いて試験群と対照群の治療効果を比較するため
の新しい仮説検定法を提案した.提案法は,様々な状況で,第 1 種の過誤の確率を制御
できた.また,既存法よりも検出力が高いため,幅広く適用でき,有用な方法といえる.
提案法は,医薬品開発の効率化に大きく貢献することが期待され,有効かつ安全な医薬
品を患者により早く提供することが可能となる.

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