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大学・研究所にある論文を検索できる 「Studies on transcription factors regulating plant growth in response to nutrient availability [an abstract of entire text]」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Studies on transcription factors regulating plant growth in response to nutrient availability [an abstract of entire text]

眞木, 美帆 北海道大学

2022.03.24

概要

植物は自身の生育環境の栄養状態に応じ,ライフサイクルを通じて成長の最適化を行っている。特に,糖や窒素の獲得は物の成長に大きな影響を与える。これらの栄養素はエネルギー源として基幹代謝を支えるだけでなく,物の成長を制御する重要なシグナル分子としても機能する。近年,網羅的解析から,細胞内の糖や窒素栄養シグナル伝達において,転写因子による遺伝子発現制御が重要であること分かってきた。しかし,これらシグナル伝達経路は非常に複雑なネットワークを形成しており,植物が栄養シグナルに応じてどのように成長を制御しているのか,その分子メカニズムは依然として未解明な点が多い。そこで本研究では,糖や窒素栄養シグナルによる物成長制御の分子機構を明らかにするため,鍵となる転写因子の同定とその機能解析を行った。

1. 糖応答性転写因子 bZIP3 による植物形態形成制御
物の糖シグナル伝達機構を明らかにするため,シロイヌナズナにおける新規の糖応答性転写因子の探索を行い,機能未知の転写因子 bZIP3 を同定した。遺伝学的解析より,糖に応じた bZIP3遺伝子発現は,エネルギーセンサーとして糖シグナル伝達の中枢を担う SnRK1 キナーゼ(哺乳類 AMPK/酵母 SNF1 ホモログ)により制御されることを明らかにした。また,bZIP3 過剰発現株やドミナントリプレッサー株を用いた表現型解析から,bZIP3 が葉の形態形成制御に関与する可能性を見出した。これらの結果から,転写因子 bZIP3 が物の糖シグナル伝達と形態形成をつなぐ新たな因子であることが示唆された。

2. 転写因子 FBH4 による窒素応答性の花成制御
花成は,栄養成長相から生殖成長相への転換点であり,物のライフサイクル制御において重要なチェックポイントとなる発生現象である。窒素栄養が花成時期に影響を与えることは,窒素肥料を過剰に与えると花つきが悪くなることから,農業の現場などで古くから知られている。モデル植物であるシロイヌナズナにおいて,低窒素条件で育てた野生型は早咲きとなる。しかし,このような窒素栄養に応じた開花制御の分子機構はあまり理解されていない。そこで,シロイヌナズナを用いたリン酸化プロテオーム解析を駆使し,この制御に関わる候補因子として転写因子 FBH4 を同定した。FBH4 は,光周期依存型花成の中心制御因子である CONSTANS(CO)の転写活性化因子であり,フロリゲン(FT)の発現を介した花成誘導を行うことが知られている。遺伝学的解析から,窒素応答性花成には FBH4 を介した CO-FT 経路の活性化が重要であることを示した。また,生化学的解析から,低窒素条件では転写因子 FBH4 のリン酸化レベルが減少しており,これにより自身の核局在性が促進され,CO-FT 経路の活性化を介した花成が誘導されることを明らかにした。さらに,FBH4 のリン酸化状態を制御する上流キナーゼとして,真核生物に広く保存されたエネルギーセンサーである SnRK1 キナーゼを同定した。植物体内における SnRK1 キナーゼ活性をモニタリングする新規レポーターを作製し,SnRK1 キナーゼ活性が窒素栄養条件によって変化することも明らかにした。これらの結果から,窒素栄養に応じた花成誘導の分子スイッチとして,SnRK1 キナーゼ制御下での FBH4 リン酸化状態の変動が重要な役割を果たすことを示した。

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