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書き出し

First Search for Charged Excited States in WIMP Dark Matter with KamLAND-Zen

畑, 和実 東北大学

2023.03.24

概要

博士論文要旨

First Search for Charged Excited States in WIMP
Dark Matter with KamLAND-Zen

KamLAND-ZenによるWIMP暗黒物質の荷電励起状態の初探索

畑 和実
令和4年
1

1

研究背景

4

本研究は∆m=1.0–17.8 MeVでXe原子核と新粒
子の束縛状態を探索した。 解析エネルギー領域
は0.5–20 MeVである。 Case Aでは脱励起γ線、陽
子、 電子と陽電子の対消滅γ線が、 Case Bでは脱
励起γ線が観測される。 ここでは信号は全て同時
に放出されるとし、 単一の事象として観測される
と仮定した。
これまでのKamLAND-Zen実験では、 0νββ信号
領 域 で あ る2.5 MeV付 近 に、 よ り 注 視 し た 解 析
が行われてきた。 本研究では以下のように、 よ
り幅広い20 MeV以下のエネルギー範囲を網羅し
たBG評価を初めて行なった。

様々な観測から、宇宙の重力源は暗黒物質(Dark
Matter:DM)であるとされ、宇宙の大規模構造形成
に密接に関わっているとされている。 DMは未
発見の素粒子であると考えられており、 その中
でも特に有力な候補は、 Weakly Interacting Massive Particles (WIMPs)と呼ばれる素粒子である。
WIMPsは初期宇宙の高温プラズマ中における熱的
平衡状態からの残存粒子と考えられる。
こ の 熱 的 生 成 機 構 で は 通 常 は2体 の 反 応 を 考
え る。 こ の 場 合、 DMの 対 消 滅 断 面 積 と 残 存 す
るDM量に強い相関がある。 しかし、 この制限が
適用できない場合として、 coannihilationが考えら
れる。ここではDMとほぼ縮退しているかDMより
僅かに大きな質量を持つ新粒子が存在すると仮定
する。 この新粒子との対消滅で、 DMの量を減ら
せる可能性がある。

2

(i). 二重ベータ崩壊事象(2νββ)
136 Xeの2νββは主要なBGの一つである。 特に、

∆m=16.5 MeVは2νββのテール部分にピークを作
るため、 エネルギースペクトルの形状の不定性に
よる影響を調査した。

DMの荷電励起状態

理論的にはWIMPと新粒子の質量差∆mが充分
小さく、 新粒子が負の電荷を持つ場合がある。 こ
の場合、新粒子と原子核(NZ )が束縛状態を形成す
る可能性がある[1]。ここでは、以下の2つの場合に
ついて考える。
Case A : NZ + χ0 → (NZ χ− ) + e+
0



Case B : NZ + χ → (NZ+1 χ )

(ii). 宇宙線ミューオンに由来する不安定核
宇宙線ミューオンによって原子核が破砕されて
生じた不安定核種は大きなBGとなる。 これまで、
Xe原子核破砕事象は0νββ探索に影響のある核種
のみが考慮されてきた。 本研究では0.5-20 MeVに
影響を与えるXe原子核破砕由来の長寿命核を考慮
した。

(1)
(2)

(iii). 外部ガンマ線

予想される信号のエネルギーはクーロン力による
(0)
結合エネルギーEb を用いて以下のように表され、
∆mに応じたエネルギーのピークを形成する。
(
(0)
Eb − ∆m + me (Case A)
Etot =
(0)
Eb − ∆m + mZ − mZ+1 (Case B)
(3)
(0)
Xeを標的に用いる場合、 Eb は18.4 MeVのため、
Etot はO(MeV)で あ る。 通 常 のDM直 接 探 索 実 験
はO(keV)に感度があるため、 ∆mを網羅した探索
には適していない。 そのため、 O(MeV)に感度が
あり、 Xeを用いたKamLAND-Zen実験が最も感度
がある。 本研究では、 これらの反応によって生じ
るピークを探索した。

3

信号と背景事象

検出器部材やステンレスデッキ、 KamLANDを
囲む岩盤由来のγ線を見積もった。

(iv).

136

Cs

136 Csが136 Baにβ崩壊する際に、 約2

MeVのγ線
が放出され、重大なBGとなる可能性がある。

(v). 中性子捕獲事象
水素の中性子捕獲反応による2.2 MeVのγ線は重
大なBGとなる可能性がある。 KamLANDでは主
に原子核破砕で中性子が生成されるが、 ミューオ
ン後150 msecのベトーで除去される。 本研究では
他の中性子生成過程を調査した。

5

KamLAND-Zen実験

DM荷電励起状態探索

本 研 究 はKamLAND-Zen
400
PhaseKamLAND-Zen実 験 は136 Xeを 用 い て ニ ュ ー ト
IIとKamLAND-Zen 800の 測 定 デ ー タ を 用 い
リノを伴わない二重ベータ崩壊(0νββ)の探索を
て、 ∆m=1.0–17.8 MeVを0.5 MeV間 隔 で 探 索 し
行 な っ て い る。 2011年、 320 kgのXe含 有 液 体
た。 DM事象のレートを求めるため、 検出器応答
シンチレータ(LS)をインナーバーン(IB)に入れ、 を考慮したモンテカルロシミュレーションで予想
KamLAND検出器の中心部に導入したKamLANDされるDM信号とBGモデルを用いてエネルギース
Zen 400を開始した。 世界最高感度で探索を行い、 ペクトルフィットを行った。
ニュートリノのマヨラナ有効質量に最も厳しい
制限を与えた。 より低背景事象(BG)化を達成し、 参考文献
1. H. An et al., Phys. Rev. Lett. 109, 251302 (2012)
Xe量 を2倍 に し た ア ッ プ グ レ ー ド プ ロ ジ ェ ク ト
がKamLAND-Zen 800である。 2019年に測定を開
始し、 有効マヨラナ質量への制限をさらに更新し
た。 ...

参考文献

1. H. An et al., Phys. Rev. Lett. 109, 251302 (2012)

Xe量 を2倍 に し た ア ッ プ グ レ ー ド プ ロ ジ ェ ク ト

がKamLAND-Zen 800である。 2019年に測定を開

始し、 有効マヨラナ質量への制限をさらに更新し

た。

...

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