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大学・研究所にある論文を検索できる 「景観に対する意識と評価に関する研究―日本人の自然観と景観条例を対象に―」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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景観に対する意識と評価に関する研究―日本人の自然観と景観条例を対象に―

長尾 山音 東北大学

2022.02.28

概要

【目的】
 景観形成には人々の白然観,具体的なルールを定めた施策,実際の維持管理の3点 が互いに関わっていると考えられる.生活環境を構成する環境や景観を今後どのように形成していくべきかというコンセンサスに自然観は影響を与えると推測される.開発行為や放棄による景観悪化の対策のため,景観法をはじめとする景観法規に加え,住民や事業者の協力のもと景観の維持管理が行われている.これまでの景観施策に対する評価と,景観形成に携わる供給者の意識と役割を明らかにすることで,今後の良好な景観形成に向けた示唆を与えることが可能だと考えられる.
 本論では景観に対する心理と施策,維持管理の実態を把握し,地域内で一体的な景観形成を行うための方策を検討することを目的とした.①景観形成を考える上で基底となる人々の自然観,②景観施策の有効性の評価,③景観供給者の意識と役割の3点 を明らかにした.

【方法】
 第3章では人々が「白然」と聞いた時の想起したイメージと,想起された白然に対する感情を自然観と定義し,個人が抱く 自然観とその環境評価への影響を明らかにするためアンケート調査を行った.第4章では仙台市・阿蘇市・安曇野市を対象とし,歴史的背景や_然特性,管理方法が異なる地域を比較し,地域特性に合わせた景観保 護施策の違いと有効性を明らかにするため聞き取り調査と文献調査を行った.第5章ではアンケート調査から安曇野市景観条例の住民評価と,現状の景観の問題点の抽出を行い,供給者とそうでない人による評価の違いを明らかにした.

【分析結果】
 自然観は個人によって異なり,環境評価に影響を与えること,特に天然林や里山を想起しそれに対して関心・保護の感情を強く感じた人は環境保護に対して高い評価をもつことも明らかにされた.景観施策について,地域特性に合わせた景観保護を行うための施策がそれぞれの地域で整備され,開発を未然に防ぐための役割が果たされている.施策の有効性は住民評価でも効果を評価されている.景観を共有資源だと認識する人は,景観の供給者として景観形成に携わる傾向にある.

【結論】
 良好な, 地域特性に合わせた景観形成のためにはコンセンサスが重要であり, その基底となるのは自然観である. もともとの地域の気候や文化によって形成された景観は,その地域の人々の自然との関わりによって発生した自然観に基づいて形成されたものである. 景観施策の策定のための議論, 景観の供給者としての参加者増加のためには, その地域に関わる人々が地域特性や文化, 歴史を理解し, 景観が共有財産であると認識することが必要である.そのための学習や協力に向けた機会の創出や周知活動が重要であることが示唆された.

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