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大学・研究所にある論文を検索できる 「コロナ禍による自然観光への意識変化―混雑緩和と入域料支払額に着目して―」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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コロナ禍による自然観光への意識変化―混雑緩和と入域料支払額に着目して―

殷 子釣 東北大学

2022.02.28

概要

【目的】
2019年から世界で広がっているコロナ禍は人々の観光意識と観光行動に影響を与えていることが推測される。一方、富士山では過剰利用による2014年から「富士山保 全協力金」の徴収が開始された。しかし、利用の集中や徴収の方法、ゴミ投棄などいくつかの課題が残されている。よって、ソーシャルディスタンスや人数制限といったコロナ禍の特性が、自然観光の意識に対して影響を及ぼしているという仮説のもと、混雑緩和と入域料を対象に新しい自然観光のスタイルを作る機会と考える。
本研究ではwithコロナ時代の観光意識について、富士山を対象に人数制限と入域料徴収に着目し、①自然への関心•評価の変化、②人数制限と予約制度の受け入れやすさ、の二点を明らかにすることを目的とする。結果を踏まえ、これからの新しい観光形態を提言する。

【方法】
2021年3月24〜26日に、Webでアンケート調査を実施した。有効回答数は420人であった。入域料のWTPを調査する方法として、多段階多項選択CVMを適用した。本データと吉田(2015)におけるデータを比較し、入域料へのWTPと規定要因について計量分析を行った。

【分析結果】
コロナ前と比べ、旅行回数と公共交通の利用率が低くなった。また、「自然を身近に感じたい」、「自然活動に関心が高まった」は約40%であった。コロナは国民の観光活動に影響を与えており,人々の自然関心度は高まっている傾向が見られた。
入域料へのWTPは中央値と平均値を推定した。2021年のWTP中央値は1531円、WTP平均値は3555円であった。2015年のWTP中央値は1391円、WTP平均値は2695円であった。また、入域料の使途としてコロナ対策の確保が重要だと思っている人々は約70%であった。コロナ時代に、人々は混雑と感染対策をより重視する傾向があり、それがWTPを高める要因の一つとして考察される。
加えて、コロナ禍により混雑した観光地を怖いと感じている人々は74%であった。自然観光地の人数制限を望ましいと考える人々、ディズニーランドのような予約制度の導入を評価する回答者は75%であった。自然観光地において、人数制限や予約制度が受け入れられやすくなっていることが示された。

【結論】
第一に、コロナ禍は観光活動と観光意識に影響を与えている。第二に、人々の自然への関心度が高まる傾向が見られた。第三に、富士山において現在はより高い入域料が受容されやすくなっている。かつ、入域料の使途について、コロナ感染対策の確保が期待されている。第四に、コロナ禍で自然観光地への人数制限や予約制度が受け入れられやすくなっている。結果を踏まえ、withコロナ時代に、人数制限や予約制度を取り入れた自然観光を確立すること、その際の経済状況の把握が今後の課題である。

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