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大学・研究所にある論文を検索できる 「リモートセンシング技術を利用した水田転換畑におけるダイズ収量予測方法の検討」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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リモートセンシング技術を利用した水田転換畑におけるダイズ収量予測方法の検討

齊藤 昌弥 東北大学

2022.02.28

概要

【目的】
近年,日本の農業従事者は減少を続ける中で,一経営体当たりの規模は拡大している.大規模 化が進む中で農業の効率化のための技術が必要とされており,広範囲の作物の生育監視が可能なリモートセンシング技術の利用が注目されている.また,耕地面積が減少を続ける日本では水田輪作のような耕地の高度利用は食料の安定供給や自給率の向上を図る上で重要な課題であるが,稲作後の畑作では排水性に留意する必要がある.本研究では水田転換畑におけるダイズの生育を,人工衛星およびドローンによるリモートセンシングデータを用いて評価し,その収量予測への利用を検討した.また土壌水分量の推定可能性について検討した.

【方法】
対象圃場はダイズが栽培された水田転換畑とした.2019年,2020年における福島県新地町の 圃場と,2021年における福島県南相馬市の圃場を対象とした.土壌水分量推定のために,Sentinel-2衛星が2019年から2021年の3月から6月にかけて観測した画像を解析した.また,ダイズの生育観察のために2019年および2020年にドローン搭載カメラが観測した画像と2021年に高分解能衛星WorldView-2が観測した画像を解析した.2019年7月1日,7月26日,2020年7月20日,7月30日,8月19日にドローンによる観測が行われ,2021年7月25日に高分解能衛星による観測が行われた.

【分析結果】
Sentinel-2近赤外反射率画像を解析した結果,対象圃場における降雨後の近赤外反射率の低 下が見られた.また,圃場内における近赤外反射率の不均一さが見られた.Sentinel-2近赤外反射率画像から,圃場の土壌水分量と排水性を面的に推定できた.ダイズの生育評価のためにドローン搭載カメラ観測画像と高分解能衛星から植生指標を算出した.用いた植生指標はNDVI,GNDVI,VARI,GCCである.NDV1,GNDVIは計算に近赤外波長帯を利用し、VARI,GCCは近赤外波長帯を用いない特徴がある.地上調査地点を中心とする半径5mの円内における植生指標の平均値を算出し,各植生指標を説明変数,収量を目的変数とする回帰分析を行った.その結果,決定係数について2019年は各植生指標で0.2110.25と低い値だが,2020年は0.72〜0.81,2021年は0.50〜0.59となった.また,VARI,GCCは収量との間に近赤外反射率を利用する植生指標であるNDVI,GNDVIと同程度の相関を示したことから,可視光のみを観測可能な力メラによるダイズの収量予測の利用可能性が示唆された.

【結論】
Sentinel-2近赤外反射率画像は降雨後の土壌水分量を把握し,面的な圃場の排水性の推定に 有効である.また,VARI, GCCは近赤外反射率を用いる植生指標と同程度の収量との相関が認 められ,近赤外波長帯を撮影することができないデジタルカメラの利用可能性が示唆された.

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