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大学・研究所にある論文を検索できる 「日本人における日常身体活動および余暇の運動と嚥下障害の関連」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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日本人における日常身体活動および余暇の運動と嚥下障害の関連

前原 朝子 広島大学

2021.09.17

概要













日本人における日常身体活動および余暇の運動と
嚥下障害の関連

主指導教員:内藤
(医系科学研究科

真理子教授
口腔保健疫学)

副指導教員:太田 耕司教授
(医系科学研究科 公衆口腔保健学)
副指導教員: 二川 浩樹教授
(医系科学研究科

前原
(医歯薬保健学研究科

口腔生物工学)

朝子
口腔健康科学専攻)

【緒言】
嚥下障害は加齢に伴って起こり,年齢以外にも抑うつ傾向や服薬,慢性閉塞性肺疾患,脳梗塞,
頭頚部がん等の罹患と関連することが報告されている。嚥下障害は不顕性誤嚥や日常生活動作の
低下,全身の筋力低下を引き起こす可能性が指摘されている。なかでも全身の筋力低下(サルコ
ペニアやフレイル)と嚥下障害の関連については,多数の研究報告が認められる。身体活動の低
下は筋力低下につながり,嚥下障害や他の疾患を引き起こすことが機序として示されている。
身体活動と嚥下障害に関する検討は,高齢者や入院患者を対象とした研究が多数を占めている。
一般住民を対象とした研究報告は少なく,さらなるエビデンスの蓄積が必要と考えられる。

【目的】
地域に在住する一般住民を対象に身体活動と嚥下障害の関連を明らかにすることを目的とし
て,本研究を実施した。

【方法】
愛知県および静岡県に在住する成人男女が本研究に参加した。嚥下障害に関する項目と身体活
動量に欠損値のない者を分析対象とした。
自記式質問票調査より,生活習慣や健康状態に関する情報を収集した。日常身体活動と余暇の
運動の評価は国際標準化身体活動質問票(the International Physical Activity Questionnaire)
を使用した。得られた情報をもとにそれぞれ 1 週間あたりの身体活動量(MET-h/week) を算出
した。各身体活動量の 4 分位を用いて,対象者をそれぞれ 4 群に群分けした。嚥下障害は,地域
高齢者誤嚥リスク評価指標(the Dysphagia Risk Assessment for the Community-dwelling
Elderly;以下 DRACE) を用いて評価した。DRACE は 12 項目で構成されており,合計スコア
の最低点 0 点,最高点 24 点である。合計スコア 4 以上を嚥下障害ありと判定した。
記述統計として,t 検定,ウィルコクソンの順位和検定,カイ二乗検定を用いて群間の比較を
行った。多重ロジスティック回帰分析を用いて,身体活動と嚥下障害の関連を検討した。

【結果】
対象者の平均年齢±標準偏差は男性で 59 歳, 女性は 58 歳であった。DRACE スコアは年齢
と共に増加していた。嚥下障害の有病率は 24%であり,男性よりも女性の方が有意に高かった。
嚥下障害の有無において,性による層別分析で有意差のあった項目を以下に示す。嚥下障害の
ある者は嚥下障害のない者に比べ,男女共に年齢および日常身体活動量が高く,就労割合が有意
に低い,喫煙経験のない者の割合が低い,脳血管疾患の既往歴のある者の割合,精神的健康度が
低いという結果であった。男性においては,教育レベルが低い,がんの既往歴のある者の割合が
高いという結果であった。
日常身体活動量と嚥下障害の有無の間に有意差は認められなかった。一方,余暇の運動量が多
くなるほど嚥下障害の有病率が低下していた。

【考察】
地域に在住する一般成人を対象とした横断的な検討より,嚥下障害の有無と余暇の運動量との
有意な関連が認められた。日常身体活動量との間には有意な関連は認められなかった。余暇の運
動量が多い群ほど,嚥下障害を有する割合が低いことが明らかとなった。
女性は男性より嚥下障害の有病率が高く示された。女性では 65 歳以上で 33%,55 歳~64 歳
で 26%の有病率が認められたことから,高齢者のみならず中年層に着目する必要があると考え
られた。

【結論】
一般住民を対象とした検討より,余暇の運動は嚥下障害のリスクを低下させる可能性が示唆さ
れた。

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