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大学・研究所にある論文を検索できる 「Dietary casein, egg albumin, and branched-chain amino acids attenuate phosphate-induced renal tubulointerstitial injury in rats」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Dietary casein, egg albumin, and branched-chain amino acids attenuate phosphate-induced renal tubulointerstitial injury in rats

島田, 果林 大阪大学

2021.03.24

概要

〔目的(Purpose)〕
高リン血症は生命予後悪化と密接に相関することが報告され、心肥大や血管石灰化、腎障害の進展を介していると考えられている。一方、リン吸着薬内服は生命予後改善と関連することが報告されており、リンの摂取制限が生命予後改善に重要であることが示唆される。そこで、リンの摂取制限のために、一般的に食事リン・蛋白摂取量は正の相関関係となるため、蛋白摂取制限が必要であると考えられてきた。しかし、臨床研究で、透析患者において、蛋白質摂取量が多い方が、生命予後が良いという報告や、蛋白アルブミン摂取により血清リン濃度は逆に低下したという報吿があり、蛋白質摂取が生体に与える影響とリンによる臟器障害は、分離して評価する必要があると考えられた。そこで本研究では、食事蛋白がリンによる臓器障害(腎臓、筋肉)に与える影響を評価することとした。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
6週齢雄性Wistarラットを正リン(0.9%)低蛋白(10.8%)、高リン(2.2%)低蛋白(10.8%)、高リン(2.2%)中蛋白(23.0%)、高リン(2.2%)高蛋白(35.2%)の4群に分け、蛋白源としてカゼインを使用し、6週間食餌負荷した。負荷期間中のリンの出納評価を行うため、負荷2週目で、蓄尿、蓄便検査を行い、高リン食群でリン負荷が同等になされている事を確認した。 6週負荷後には、血清学的検索および腎臓の組織評価を行った。結果、高リン食によりCrが上昇するが、高リン高蛋白群では、Crの上昇が抑制されていた。腎のmasson-trichrome染色を用いて線維化の評価を行ったところ、高リン食による腎尿細管問質の線維化が、高蛋白群において抑制される事が分かった。腎疾患の病態形成の鍵となる酸化ストレスに関しては、腎のNitrotyrosineをwestern blot法を用いて評価し、高リン食による酸化ストレスの増加が、高蛋白群にお いて抑制される事が分かった。酸化ストレスの主要な産生源としては、ミトコンドリアが考えられ、電子顕微鏡で形態評価、SDH染色で機能の評価を行ったところ、高リン食によりミトコンドリアの断片化・機能低下が誘導されるが、高蛋白群ではそれらが抑制される事が分かった。6週負荷後の筋肉組織に関しては、赤筋の代表としてヒラメ筋、白筋の代表として長指伸筋を採取し、Wheat Germ Agglutin染色で筋断面積を評価し、筋力測定(grip strength test)も行った。 ヒラメ筋の筋断面積に関しては、リン・蛋白摂取量に関わらず、全群同等であったが、長指伸筋に関しては、高リン食により筋断面積が減少し、高蛋白群において筋断面積が増加する事が示せた。Grip strength testでは、長指伸筋の筋断面積と比例し、高リン食による筋力低下が高蛋白群により回復する事が示せた。

また蛋白源をカゼインから卵白アルブミンに変更して、同様の検討を行ったところ、カゼイン負荷と同様、卵白アルブミンもリンによる腎障害・筋障害に対して保護的に作用する事が分かった。カゼイン・卵白アルブミンは直接腎や筋に作用し得ないため、その代謝産物が腎臓に影響していると考えた。そこで、蛋白質構成成分であるアミノ酸の血漿濃度を測定したところ、高カゼイン・高卵白アルブミン摂取両群において血漿分岐鎖アミノ酸(BCAA)濃度の上昇を認めた。

そこで追加実験として、同様の実験系で10%BCAA混餌投与を行った所、血漿BCAA濃度は上昇し、高リン食に起因する腎尿細管間質障害・ミトコンドリア機能不全・筋力低下が改善した。

リン、BCAAいずれも代謝器官としては、ミトコンドリアが重要であり、PP2Cm(protein phosphatase 2Cm)というミトコンドリアに存在する脱リン酸化酵素は、BCAA代謝を促進させる役割と同時に、高リンによるミトコンドリア膜遷移孔(mPTPore)の開口を抑制する事が報告されている。そこで、PP2Cmに着目し、食餌蛋白質、BCAAによって発現が影響を受けるかをwestern blot法を用いて検証した。結果としては、高蛋白、BCAA摂取は、高リン食によるPP2Cmの発現低下を抑制することが示された。蛋白質、BCAA摂取によりPP2Cmの発現が維持される事で、ミトコンドリア保護的に作用した可能性が示唆された。

〔総括(Conclusion)〕
ラットにおいてカゼイン、卵白アルプミン、BCAAの経口摂取はリン生体毒性を減弱させた。

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