2.1.7 富山大学理学部・氷見市連携研究室における活動報告

概要

理学部を特徴付ける教育・研究

2.1.7 富山大学理学部・氷見市連携研究室における活動報告
理学部生物学科 准教授 山崎 裕治
【活動目的・概要】
地域の豊かな自然を守り、その豊かさを広く活用・発信していくために、氷見市における希少生
物や生息環境の保全に関する学術研究の展開、富山大学理学部教育における活用、地域への普及啓
発活動などを氷見市との連携活動として行っています。これら活動は、富山大学が掲げる教育・研
究・地域貢献という大きな目標に即した活動でもあります。
本年度は、新型コロナウィルス感染症の影響により、従来行ってきた活動の中にはできなかった
ものもありましたが、感染防止に十分留意の上、以下の活動を行いました。
【主な教育研究活動】
1．研究（カッコ内は主な担当教員）
・環境 DNA 技術を用いたイタセンパラ探索（山崎、卒業論文研究）
・淡水魚（イタセンパラなど）の遺伝的多様性に関する研究（山崎）
・淡水魚(イタセンパラなど)の行動履歴を追跡する手法の開発（太田）
・イタセンパラが生息する万尾川と仏生寺川の水質の季節変化に関する調査（佐澤）
・痕跡情報に基づく哺乳類の生息状況調査（山崎、卒業論文研究）
・ネオジム同位体比を用いた氷見ブリの回遊履歴の推定（太田）
2．講義・セミナー
・理学部学生を対象とした環境 DNA 技術を用いた両生類探索に関する実習
【主な普及啓発活動】

1．高校生による実習の開催①
氷見高校の文理探究コース課題研究として、身近な海の魚を用いた DNA 鑑定実習を行いました。
実習には高校生 3 名が参加し、広い実験室で、距離を保った状態で個別の実習を行うなど、新型
コロナウィルス感染症対策を講じた上で行いました。
2．高校生による実習の開催②
大阪高等学校の活動として、氷見市河川の魚類相把握を目指した環境 DNA 分析を行いました。
ひみラボにおいて採水し、大阪高等学校に輸送した後、外部発注により環境 DNA 分析を行いま
した。
3．高校生によるオンデマンド型・オンライン実習の開催
大阪高等学校の活動として、教員（山崎）が提供した課題を、高校生が取り組み、それを通した
ディスカッションをオンラインで行いました。
4．ミニ水族館「ひみラボ水族館」の運営
身近な魚を展示したミニ水族館を運営し、生物の生態や自然保護に関する研究事例などの学術的
な情報の提供を行っています。本年度は、新型コロナウィルス感染症対策として、体験型活動を
減らすなど、例年と展示や提供内容を変更しました。
年間入館者数：2020 年 4,525 名（参考：2019 年 7009 名、参考：2018 年 6598 名、2017 年 6432 名）
5．ホームページ運営 https://sites.google.com/site/himilab/
ホームページを運営し、幅広い活動情報（一部は英語化）の発信を行っています。
※新型コロナウィルス感染症の影響により、例年実施していた、市民公開講座、ひみラボ感謝
祭については、本年度は実施しませんでした。 ...