リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「CAG repeat-binding small molecule improves motor coordination impairment in a mouse model of Dentatorubral-pallidoluysian atrophy」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

CAG repeat-binding small molecule improves motor coordination impairment in a mouse model of Dentatorubral-pallidoluysian atrophy

蓮池, 裕平 大阪大学

2022.03.24

概要

〔目的(Purpose)〕
Dentatorubral-pallidoluysian atrophy (DRPLA)は、ミオクローヌス、てんかん、運動失調、認知症などの臨床症状を呈する。DRPLAは、Atrophin-l (ATN1)遺伝子のCAG繰り返し配列が異常に伸長することが原因で、異常なポリグルタミンを含有したAΤΝ1凝集体が神経変性を引き起こす。伸長したCAGリビートは不安定で、リピートの伸長は疾患の進行、重症度に関連するので、伸長したリピートの短縮を誘導することは、根治療法が存在しない DRPLAの治療につながる可能性がある。以前の研究で、CAG slip-out構造に結合する低分子であるNaphthyridine- azaquinolone (ΝΑ)が、ハンチントン病モデルマウスの異常伸長したリピートを短縮させることが報吿されているが、ΝAの表現型への効果は明らかになっていない。今回の研究では、DRPLAモデルマウスを用いて、CAGリピートに結合する低分子であるNAが、リピートを短縮させ表現型の改善に寄与するかを検討した。


〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
異常伸長CAGJJピートを持つDRPLAモデルマウスであるQ113 DRPLA transgenic miceをいて、6週齢からΝAまたは PBSを、DRPLAマウスの側脳室内に皮下埋め込み浸透圧ポンプを用いて16週間にわたり持続投与した。DRPLAマウスの各脳組織におけるsomatic repeat instabilityをinstability indexを用いて評価したところ、NA投与群ではPBS投与群に比べ、線条体のinstability indexが有意に低下した。この結果は、DRPLAマウスにおいて、ΝAの脳室内投与がリピートの短縮を誘発することを示唆する。さらに、DRPLAマウスにおいてΝΑが神経変性の原因となる異常なポリグルタミン含有凝集体に影響を与えるかを調べた。ΝA投与群のDRPLAマウスでは、PBS投与群と比較して、異常な凝集体が存在する線条体ニューロンの数が有意に減少していた。
次に、DRPLAマウスの表現型に対するΜAの治療効果を検討した。ΝAを投与したDRPLAマウスでは、PBS投与群と比べて生存期間が延長した。また、ΝA投与群では、21および24週齢で体重減少が有意に改善した。運動機能は accelerating rotarod testを用いて評価し、ΝA投与DRPLAマウスでは、PBS投与群と比べて運動機能の改善を認めた。
さらに、ΝAのリビート短縮による遺伝子発現への影響を明らかにするため、PBSおよびΝΑ投与群でDRPLAマウスの線条体を用いて、RNA-Seqを実施した。エンリッチメント解析では、ΝA投与群で発現が増加した遺伝子は、DRPLAマウス系統を用いた先行研究でCAGリピート長依存的に発現が減少した遺伝子でエンリッチされていたGO termである Neuropeptide signalingとCalcium ion homeostasisに関わっていた。また、Neuropeptide signalingに関連する遺伝子のうち、DRPLAマウスのリピート長に依存して発現が減少することが報告されているOxt (オキシトシン)や Avp (バソプレシン)はΝA投与群で特に発現が増加していた。これらの結果は、ΝAがDRPLAマウスのリビート長依存的に減少した遺伝子の発現を修正することを示唆する。

〔総 括(Conclusion)〕
本論文では、DRPLAモデルマウスにΝAを脳室内に長期投与することにより、異常伸長したリピートが短縮し、異常なΑΤΝ1凝集体の減少、運動表現型の改善をもたらすことを明らかにした。さらに、ΝAによるリピート短縮は、 DRPLAマウスのリピート長依存的な遺伝子発現の異常を改善した。本研究は、リピートを短縮させる低分子による リピート病に対する治療の可能性を明らかにした。

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る