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大学・研究所にある論文を検索できる 「Prevention of bone loss and improvement of pain-related behavior in hind limbunloaded mice by administration of teriparatide and bisphosphonate」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Prevention of bone loss and improvement of pain-related behavior in hind limbunloaded mice by administration of teriparatide and bisphosphonate

宮村 岳 三重大学

2021.06.29

概要

Introduction
骨粗魅症は、骨量および骨梁強度が進行性に減少し、椎体や大腿骨近位部の脆弱性骨折のリスクを上げることが知られている.椎体骨折は慢性腰痛や身体機能低下の原因となるが、椎体骨折のない骨粗魅症や不動・長期臥床による廃用性骨粗魅症においても慢性腰痛の要因となり、身体活動の低下、社会活動の低下、抑うつ気分など生活に大きな影響を与える。

Background
尾部懸垂による後肢非荷重(HU)モデルマウスは、骨の環境を無重力状態や不動状態と同様の状態にできるため、骨粗魅症研究でよく用いられているモデルである.尾部懸垂非荷重モデルでは、骨形成の低下と骨吸収の増加の両方によって骨量の減少を生じる.我々の先行研究においても、尾部懸垂によってマウスの後肢に骨量減少と痛覚過敏を生じ、後根神経節において疼痛関連タンパクcalcitoningene-related peptide(CGRP)の増加や、酸感受性イオンチャネルtransient receptor potential channel vanilloid 1 (TRPVl)の増加が認められた。

Objectives
本研究の目的は、不動や廃用による骨粗拠症モデルとして後肢非荷重モデルマウスにおいて骨粗駆症による骨痛を評価することと、同モデルマウスに対してテリパラチド(PTH)およびアレンドロネート(ALN)を投与した際の疼痛や骨量減少に対する効果を調べることである。

Methods
8週齢の雄性ddYマウスを2週間尾部懸垂とし、後肢荷重群(n=12)と後肢非荷重群(n=36)に分けた。2週間の尾部懸垂の後、すべてのマウスを荷重状態として4群(各群n=12)に分けた。すなわち、後肢荷重マウスに生理食塩水を投与する群(HL群)、後肢非荷重マウスに生理食塩水を投与する群(HU群)、後肢非荷重マウスにPTHを投与する群(HU-PTH群)、後肢非荷重マウスにALNを投与する群(HU-ALN群)の4群である。PTH(40μg/kg)は週5回、ALN(40μg/kg)は週2回の皮下投与を2週間行った。2週間の薬剤投与の後、von Frey filamentを用いた疼痛関連行動評価を行い、居殺後にマイクロCTを用いて後肢骨の撮影を行い、そのデータで三次元骨構造解析を施行し腔骨近位骨幹端で評価した。組織学的検討として後肢骨の酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ(TRAP)染色およびsclerostinの免疫染色を行なった。また、後肢骨の炎症性サイトカインの発現を検討するためにTumor Necrosis Factor-a(TNF-a)、.Interleukin-6(IL-6)のmessenger ribonucleic acid(mRNA)を評価分析した。

Results
HU群はHL群と比較して、後肢において骨蘊減少と痛覚過敏をきたしていた。また同様にHU群では、後肢骨においてTRAP陽性破骨細胞数の増加とsclerostin陽性細胞数の増加が認められた。HU-PTH群とHU-ALN群はいずれもHU群と比較して骨量減少と痛覚過敏を改善・し、免疫組織学的検討においてもHU-PTH群はHU-ALN群と同様にTRAP陽性破骨細胞数およびsclerostin陽性細胞数を減少させた。TNF-a、IL-6のmRNAレベルは、HL群よりHU群で高い傾向にあり、HU-PTH群とHU-ALN群ではTNF-aやIL-6のmRNAレベルの上昇が抑制される傾向にあった。

Consideration
マウスに尾部懸垂を行うことによって、骨形成は抑制され、骨吸収は冗進する。我々の過去の報告で、2週間のHUで骨量減少および痛覚過敏を生じ、後根神経節(DRG)においてCGRPとTRPVlの発現が増加することが示されているが、本研究では再荷重2週間後でもHUによる骨量減少および痛覚過敏が認められた。さらにsclerostin陽性の骨細胞数とTRAP陽性の破骨細胞数も増加を認めた。過去の研究ではCastroらが、卵巣摘出(OVX)マウスにおいて我々と同様の結果を報告している。ビスホスホネート(BP)とPTHはいずれも骨粗拠症の重要な治療薬であるが、骨量を増加させる過程において骨代謝に与える影響は対照的である。BPは骨吸収を抑制する薬剤で、破骨細胞を阻害する。一方でPTHは骨代謝を促進する薬剤で、骨代謝のバランスを骨形成に傾ける。このように機序の異なる2剤であるが、いずれもHUによる破骨細胞の増加を抑制する結果を示した.過去にIsogaiらがOVXラットを用いて本研究と同様の結果を報告している。PTHとBPが骨粗魅症による骨痛を改善する仕組みにおいて、破骨細胞を抑制して骨吸収を減少させることにより、骨内の酸性環境を改善している可能性が示唆された。また他の機序として、PTHとALN投与によりTNF-aとIL-6のmRNAレベルが低下傾向にあったことから、PTHやALNはこれらの炎症性サイトカイン抑制も関与している可能性が考えられた。

Conclusions
PTHの投与によって、BPと同様に骨量減少、痛覚過敏、破骨細胞増加、骨細胞増加を改善した.PTHの破骨細胞に対する作用が、BPと同様の機序で骨痛の改善に寄与している可能性がある。

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