無歯顎の症例に対するインプラント治療とデジタル技術を併用した新たなフルアーチ補綴装置作製に向けたデジタルワークフローの検討
概要
九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
無歯顎の症例に対するインプラント治療とデジタル
技術を併用した新たなフルアーチ補綴装置作製に向
けたデジタルワークフローの検討
青木, 司
https://hdl.handle.net/2324/6787533
出版情報:Kyushu University, 2022, 博士(歯学), 課程博士
バージョン:
権利関係:
(様式3)
氏
名
論 文 名
:青木
司
: 無歯顎の症例に対するインプラント治療とデジタル技術を併用した
新たなフルアーチ補綴装置作製に向けたデジタルワークフローの検討
区
分
:甲
論
文
内
容
の
要
旨
Computer Aided Design / Computer Aided Manufacture (以下 CAD/CAM)を⽤いた補綴装置の設計が
普及しているが、現在の CAD/CAM の設計⽅法では顔⾯の軟組織情報を CAD ソフトウエアに正確に取
り込めないため無⻭顎の症例では CAD/CAM を適応することが困難である。よって、インプラント治療
を併⽤した無⻭顎の症例に対してフルアーチの補綴装置を Virtual patient を⽤いて設計、作製すること
を⽬的としたデジタルワークフローを確⽴するため、まずは顔⾯に対するインプラントの空間的位置を
特定するための⻭科⽤治具を開発した。これとインプラントが 4 本埋⼊された上顎模型、⻭科⽤マネキ
ン、従来のスキャンボディ、そしてラボスキャナーとハンドヘルドスキャナーを⽤いて⼝腔内および顔
⾯に対するインプラントのアバットメントの位置データを得ることができ、設計したデジタルワックス
アップを⻭科⽤マネキンに重ね合わせることができた。採得した光学印象の精度を検証するため、従来
のスキャンボディと新たな⻭科⽤治具を⽤いて得られたアバットメントの位置データを解析⽤のソフト
ウエアで重ね合わせたところ、概ね同じ位置であった。実際に補綴装置を作製し、⻭科⽤マネキンに装
着して正中のズレを⽐較したところ、付属の模型と作製した模型には差が認められなかった。新たな⻭
科⽤治具の臨床応⽤を想定し、被スキャン部位の⼤きさを変えて精度を検証したが⼤きさを変えても差
は⾒られなかったことから新たな⻭科⽤治具は Virtual patient を作成するために⼗分な精度を有し、こ
れを⽤いた新たなデジタルワークフローは従来の CAD/CAM 技術では困難だった無⻭顎の症例に対し
て適切な咬合平⾯の付与など顔⾯の解剖学的情報を⽤いての設計が容易になることが期待される。