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Influence of stem cells from human exfoliated deciduous teeth (SHED) conditioned media on bone regeneration

平木 智香 広島大学

2020.03.23

概要

論 文 全 文 要 約

Influence of stem cells from human exfoliated
deciduous teeth (SHED) conditioned media
on bone regeneration
(ヒト乳歯歯髄由来間葉系幹細胞の培養上清が
骨再生に及ぼす影響)

主指導教員:谷本 幸太郎教授
(医系科学研究科 歯科矯正学)
副指導教員:柴 秀樹教授
(医系科科学研究科 歯髄生物学)
副指導教員:加来 真人教授
(医系科学研究科 生体構造・機能修復学)

平木 智香
(医歯薬保健学研究科 医歯薬学専攻)

【緒言】
口唇口蓋裂(CLP)は、一般的な先天性口腔顔面異常である。CLP の顎裂部に対して、腸骨を
用いた骨移植術が行われている。しかしながら、
腸骨採取時の外科的侵襲は、長期入院の必要性、
腸骨採取後の疼痛および歩行障害など様々な患者の負担を伴う。近年、間葉系幹細胞が分泌する
サイトカインのパラクライン作用が注目され、幹細胞培養上清を用いた組織再生が報告されてい
る。しかしながら、骨再生に対するヒト乳歯歯髄由来間葉系幹細胞 (SHED) の培養上清
(SHED-CM) の影響について、詳細な検討を行った報告は見られない。そこで、本研究は、
SHED-CM の各種培養細胞への影響とマウス頭頂骨の骨再生について検証することとした。
【試料および方法】
矯正歯科治療の必要性から抜去された乳歯の歯髄より、SHED を単離・培養し、70〜80%コン
フルエント到達後、FBS 濃度 0 %の培地に交換し 48 時間後に SHED-CM を回収した。

In vivo 実験では、SHED-CM の生体内における骨再生能を評価するため、6 週齢免疫不全マウ
ス (BALB/c-nu) の頭頂骨に直径 5.0 mm の欠損を作製し、SHED または SHED-CM を含有さ
せたアテロコラーゲンを移植した (N=6) 。一方、α-MEM を含有させたアテロコラーゲンを移
植したマウスを対照群とした。その後、マイクロ CT を用いて骨再生の三次元的な解析を行った。
また、組織学的検討として、HE 染色および Masson’s trichrome (MT) 染色を行った。さらに、
免疫組織化学染色により VEGF および CD31 の発現を検討するとともに、
血管新生を評価した。

In vitro 実験では、Magnetic Luminex Assay Human Premixed Multi-Analyte Kit を用いて、
SHED-CM、hBMSCs-CM に含まれるタンパク質の定量解析を行った。また、SHED-CM に含
まれる VEGF が Human Umbilical Vein Endothelial Cells (HUVEC) の管腔様構造形成に及ぼ
す影響を検討するとともに、細胞増殖能を BrdU assay、血管形成を Tube forming assay によ
り評価した。さらに、SEHD-CM が、human bone marrow mesenchymal stem cells (hBMSCs)
と mouse calvarial osteoblastic cells (MC3T3E1) に及ぼす影響について検討した。細胞増殖能
を BrdU assay、ALP、OCN、Runx2、VEGF , Ang1、Ang2、HGF の遺伝子発現を real-time
PCR を用いて検討した。
【結果】

In vivo 実験における、マイクロ CT 解析の結果より、SHED-CM 含有アテロコラーゲン移植
群および SHED 含有アテロコラーゲン移植群では、対照群と比較して、有意に高い再生骨量が
認められた。また、SHED-CM 群では、SHED 群および対照群と比較して、MT 染色において
成熟骨形成の促進が認められ、VEGF と CD31 の高発現と血管新生の亢進が認められた。以上
の結果より、SHED-CM の生体への移植により血管新生、および骨再生が促進されることが明
らかとなった。
SHED-CM、hBMSCs-CM に含まれるタンパク質の定量解析の結果より、血管新生に影響を与
える M-CSF、MCP-1、ANG、bFGF、VEGF-C、および VEGF-A、骨代謝関連マーカーである

OPG、OPN、BMP-2、および BMP-4 が両培養上清中に多く含まれていた。一方、IGF-BP3 は
SHED-CM では検出されず、hBMSCs-CM において多量に検出された。また、BDNF、β-NGF、
GDNF、NT-3 などの神経栄養因子が hBMSCs-CM と比較して、SHED-CM に多く含まれるこ
とが確認された。さらに、SHED-CM 中の VEGF のブロッキングにより、HUVEC の細胞増殖
能および血管形成が抑制されたことから、SHED-CM 中の VEGF が血管新生に関与しているこ
とが明らかとなった。hBMSCs、MC3T3-E1 を SHED-CM で培養することにより、細胞増殖が
促進し、血管新生マーカー、骨分化マーカーの遺伝子発現が亢進することが明らかとなった。

【総論】
以上の結果から、SHED-CM は、血管新生の促進を伴う優れた骨再生能を有していることが明
らかとなった。SHED および SHED-CM を用いることにより、生体侵襲をほとんど加えること
なく、複雑な形態である顎裂部の骨欠損部への効率的な骨再生を行うことが可能であると考えら
れる。さらに、SHED-CM の採取の容易さと生体侵襲を回避できること、腫瘍化のリスクの軽
減、細胞より安定した供給が可能であること、インジェクションによる投与の可能性などを考慮
すると、SHED-CM は顎裂部骨再生治療における有用なツールとなり得ることが示唆された。

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