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大学・研究所にある論文を検索できる 「非がん患者に対するIntegrated Palliative care Outcome Scale (IPOS) の信頼性と妥当性の検証」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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書き出し

非がん患者に対するIntegrated Palliative care Outcome Scale (IPOS) の信頼性と妥当性の検証

石井, 容子 東北大学

2023.03.24

概要

(書式18)




位 論 文 要 約
A b s t r a c t )

博士論文題目 Title of dissertation
非がん患者に対する Integrated Palliative care Outcome Scale (IPOS) の信頼性と妥当性の検証

東北大学大学院医学系研究科
家族支援看護学講座
氏名 Name

保健学専攻

緩和ケア看護学分野
石井

容子

緩和ケアの包括的評価尺度である Integrated Palliative care Outcome Scale (以下 IPOS と記す)の信
頼性・妥当性は、非がん患者を対象にはまだ検証されておらず、IPOS 以外に非がん患者を対象とした緩和
ケアの包括的な評価ツールはない。そのため、本研究は非がん患者を対象に IPOS の表面妥当性や内容妥当
性を含めた言語的妥当性を確認したうえで、IPOS の信頼性・妥当性を検証することを目的とした。
非がん患者を対象とした IPOS の言語的妥当性においては、IPOS の各項目に対して 45~90%の患者・医療
者が答えづらさや分かりにくさを感じなかったと回答し、表面妥当性が確認された。また、患者・医療者へ
のインタビュー結果を専門家で検討し、IPOS の項目の内容を変更する必要性はないと判断し、内容妥当性
が確認された。よって非がん患者を対象とした IPOS の言語的妥当性が確認された。
非がん患者を対象とした IPOS の信頼性・妥当性の検証においては、医療機関と在宅医療機関を含めた 4 施
設の患者 259 名を対象に調査を実施し、回答した 223 名が分析対象者となった。また、患者をケアしてい
る医療者 223 名に調査を実施し、回答した 222 名が分析対象者となった。
信頼性の検討では、再テスト信頼性において IPOS の各項目の重み付きカッパ係数を算出した。重み付き
カッパ係数は患者・医療者ともに 0.52 以上であった。評価者内信頼性の検討では、下位尺度ごとの級内相
関係数は、患者・医療者ともに 0.73 以上であった。これらの結果から信頼性が患者・医療者ともに確認さ
れた。患者と医療者の評価の一致度を確認した評価者間信頼性では、各項目の重み付きカッパ係数は 0.03
~0.42 であり、概ね患者と医療者との評価の一致は乏しかった。
妥当性の検討において、構成概念妥当性では、下位尺度ごとのクロンバックα係数は患者が 0.56 以上、
医療者が 0.74 以上であった。確証的因子分析では、患者・医療者ともにモデルの適合度は十分に良い結果
は得られなかった。また、既知集団妥当性では、患者の病状と全身状態でそれぞれ 2 群に分けて検討した結
果、患者・医療者ともに病状の悪化群、全身状態の悪い群でともに有意に IPOS の得点が高い結果であ
った。基準関連妥当性では、患者は IPOS の項目とそれと同じまたは類似した ESAS(Edmonton Symptom
1

(書式18)
Assessment System)の全ての項目で相関が認められた。また、IPOS の身体的側面、心理的側面、社会的
側面の 3 つの下位尺度とそれと同じ FACT-G(Functional Assessment of Chronic Illness Therapy-General)
の各下位尺度との相関係数では、社会的側面で 0.31 と相関が低かったが身体的側面、心理的側面では相関
が認められた。医療者は、IPOS の項目とそれと類似した STAS-J(Support Team Assessment Schedule
Japanese version)の項目において、「家族の不安」に関する項目以外の「痛み」に関する項目と「患者の
不安」に関する項目で相関が認められた。これらの結果から、妥当性が患者・医療者ともに概ね確認された。
本研究では、非がん患者を対象に IPOS の言語的妥当性を確認したうえで、IPOS の信頼性・妥当性を検
証し、その信頼性・妥当性が確認された。患者と医療者の評価の一致度については一致が乏しく、患者と医
療者の評価に乖離があることが明らかとなった。このことから、IPOS を活用して患者の評価を行うにあた
り、患者自身の評価が重要であることが示唆された。また、わが国で、IPOS を活用していくにあたっては、
がん・非がんを問わず、緩和ケアを必要とするすべての患者に IPOS を活用して緩和ケアの包括的な評価を
行い、その評価を個々の患者のニーズに合わせたケアの実践につなげていくことが望ましいと考える。 ...

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