ライブセルイメージングによる卵胞基底膜形成過程の可視化と機構解明

概要

研究成果の概要（和文）：
本研究では、生体内では観察することができない卵母細胞およびそれを包む袋状の構造をした卵胞の発育現象を解明することを目的として、ライブセルイメージング技術に適したマウス新生子卵巣および前胞状卵胞の培養方法の検討を行なった。その結果、培養開始時に40μm未満であった卵母細胞直径は、ハンギングドロップ法で培養後、成熟期卵母細胞のサイズである80μm以上まで発育した。また、マウス二次卵胞の体外培養において、無血清培地へのPVP添加により卵母細胞の生存性が向上することが示唆された。

研究成果の学術的意義や社会的意義
本研究では、卵巣および卵胞の体外培養技術とイメージング技術を融合し、生体内では観察することができない複雑な現象である卵母細胞・卵胞の発育現象を可視化することを目的としている。この技術により卵母細胞・卵胞の発育と選抜機構の詳細なメカニズムを明らかにすることで、ヒト不妊に関する基礎的研究の発展や、ウシ・ブタなどの産業動物をより効率的に増産させる技術の開発に繋がると期待される。

研究成果の概要（英文）：
In the present study, to elucidate in vivo developmental process of the oocyte and its enclosing follicle in the ovary, we aimed to develop culture protocols for mouse neonatal ovaries and preantral follicles, which enable us to a technique of live cell imaging, and also to examine improvement of serum-free culture medium. As a result, the culture by hanging droplets was shown to allow for development of preantral follicles, concomitant with oocyte growth from less 40μm in diameter before culture to over 80μm after culture. In addition, the supplement of PVP into the serum-free culture may increase the survival of secondary follicles.

キーワード： 卵胞 体外培養

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