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大学・研究所にある論文を検索できる 「Open cohort designを用いたStepped wedge cluster randomized trialにおけるTime-to-recurrent-eventに基づく介入効果を推定するための統計モデルの性能評価」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Open cohort designを用いたStepped wedge cluster randomized trialにおけるTime-to-recurrent-eventに基づく介入効果を推定するための統計モデルの性能評価

小山田 隼佑 東北大学

2022.03.25

概要

背景:Open cohort design を用いた SWCRT(Stepped Wedge Cluster Randomized Trial)では、①クラスター間のアウトカムのバラつきが生じる可能性があることに加え、②対照条件と介入条件の両方に曝露される対象者が存在する。Cox 比例ハザードモデルを利用して、イベントが発生するまでの時間(Time-to-event)に基づく介入効果を推定する場合、①にはクラスターによる層別化を、②には対照条件から介入条件への移行に対する時間依存性共変量を適用することで対処可能であることが、先行研究で示されている。Time-to-event としての再発事象(Time-to-recurrent-event)に基づいて介入効果を推定する場合、再発事象に対するいくつかの拡張 Cox 比例ハザードモデルを用いて、①と②のいずれにも同様に対処可能と考えられるが、統計モデルの性能に関する方法論的研究だけでなく、実際の試験への適用例も現状存在しない。

目的:本研究の主要な目的は、「Open cohort design を用いた SWCRT において Time-to-recurrent-eventに基づいて介入効果を推定する際、いずれの統計モデルの性能が優れているか」について、様々なセッティングに基づくシミュレーションによって、①「クラスター間のアウトカムのバラつきの有無に依らず、クラスターによる層別化を考慮した統計モデルを採用することが必須か」、および、②「SWCRT のデザインを変化させることで、統計モデルの性能がどのように変化するか」という 2 つの観点から評価することである。本研究の副次的な目的は、各統計モデルを INSPIRED 試験の入院データに適用し、シミュレーションの結果を踏まえて解釈することである。

方法:シミュレーションにおいて、既存の拡張 Cox 比例ハザードモデルである AG(Andersen-Gill)モデル、PWP-TT (Prentice-Williams-Peterson Total-Time)モデル、PWP-GT (Prentice-Williams-Peterson Gap-time)モデルの性能を、クラスターでの層別化の有無でそれぞれ評価した。採用した複数のイベント発生モデル(ポアソン過程およびワイブルモデル)に関するパラメータや、試験期間途中の打ち切りデータの発生に関するパラメータ、真の介入効果の設定、シミュレーション上の設定(1 試験あたりの総対象者数やクラスター数、Follow-up 期間、対象者の試験参加時期に関する傾向など)については、本研究の動機付けとなった専門的緩和ケア介入の入院期間・入院回数への有効性に関する SWCRT の実例における、試験デザインや実データを利用して設定した。シミュレーションは 1000 回実施し、各統計モデルの性能はバイアス・平均二乗誤差・被覆確率で評価した。実例の解析における結果はハザード比とその 95%信頼区間および p値で評価した。

結果:①に関するシミュレーションにおいて、クラスター間のアウトカムのバラつきの有無に依らず、クラスターによる層別化を考慮した統計モデルを採用すべきであることが示された。②に関する様々なセッティングに基づくシミュレーションにおいて、クラスターで層別化した PWP-GT モデルは、ほとんどの状況で最高の性能を示し、その他の状況でも妥当な性能を示した。クラスターで層別化した PWP-TT モデルの性能が、クラスターで層別化した PWP-GT モデルの性能に劣らない唯一の状況は、一定以上の Follow-up
期間が存在し、かつ、対象者の試験参加時期が Follow-up 期間も含めた試験期間内でランダムな傾向にある場合だった。AG モデルは、特定のセッティングでのみ良い結果が得られた。各統計モデルを実例に適用したところ、殆ど全ての統計モデルで、統計的には有意ではないものの、介入条件でのイベントのリスクが対照条件よりもやや高い可能性が示唆された。

結論:Open cohort design を用いた様々なセッティングにおける SWCRT において、Time-to-recurrent-event に基づいて介入効果を推定する際、クラスターで層別化した PWP-GT モデルが、より多くのセッティングにおいて最も妥当な性能を示す。

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