EGF受容体下流アダプタータンパク質GAREM及びCLPABPの生理機能の解明

概要

研究成果の概要（和文）：
GAREM1（広範な臓器に発現）、GAREM2（脳特異的発現）のそれぞれのノックアウト（KO)マウスを作製した。GAREM1のKOマウスは軽体重であった（発表準備中）。GAREM2のKOマウスは低不安度と高活動性を示すことを行動解析により見出した。また、GAREM1はヒトにおいて心臓病に関与することが共同研究者らにより明らかにされた。
CLPABPはアミノ末端がミリスチン酸化されることにより、ミトコンドリア外膜表面上に安定に結合できることを見出した。また、CLPABPの発現の有無により、数多くのmRNAの発現量が変化することをRNA-seqにより明らかにした。

研究成果の学術的意義や社会的意義
本研究の成果は4報の国際学術誌にすでに発表済みである。また、今後のさらに研究を発展させるための科研費にも採択された。
近年、生命科学研究における技術や情報がさらに充実し、ヒト疾患等の係わる遺伝子の変異やタンパク質の異常に関して多数の報告がなされている。申請者の所属先でそのような規模の研究を単独で遂行することは困難であるが、申請者らが機能解析を続けてきたタンパク質とヒト疾患の関係についての報告が国内外から徐々に出始めている。

研究成果の概要（英文）：
We generated knockout (KO) mice of GAREM1 (expressed in a wide range of organs) and GAREM2 (expressed specifically in the brain), and found that GAREM1 KO mice were light in weight (in preparation for publication), and GAREM2 KO mice showed low anxiety and high activity by behavioral analysis. Our collaborators also found that GAREM1 is involved in heart disease in humans.
They found that CLPABP can bind tightly to the outer mitochondrial membrane surface by myristoylation of its amino terminus. In addition, RNA-seq revealed that the expression levels of a number of mRNAs were altered depending on whether CLPABP was expressed or not.

キーワード： 細胞情報伝達 タンパク質リン酸化 アダプタータンパク質 ノックアウトマウス

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