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大学・研究所にある論文を検索できる 「食道上皮におけるNRF2活性化細胞の排除および周囲NRF2正常細胞の代償的増殖」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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書き出し

食道上皮におけるNRF2活性化細胞の排除および周囲NRF2正常細胞の代償的増殖

廣瀬, 亘 東北大学

2023.03.24

概要

(書式18)




位 論 文 要 約
A b s t r a c t )

博士論文題目 Title of dissertation
食道上皮における NRF2 活性化細胞の排除および周囲 NRF2 正常細胞の代償的増殖

東北大学大学院医学系研究科医科学専攻
外科病態学講座消化器外科学分野
氏名 Name

廣瀬



食道癌は世界で 6 番目に死亡数が多く、悪性度の高い癌である。食道癌は主に扁平上皮癌と腺癌に分類され、
本邦の食道癌の 9 割を扁平上皮癌が占める。悪性度の高い食道癌の中でもストレス応答転写因子である NRF2
が活性化した NRF2 活性化癌は治療抵抗性でさらに予後不良である。NRF2 を標的とした治療は確立されておら
ず、その他の癌と同様に標準的な治療が行われており、NRF2 を標的とした治療の開発が期待されている。ま
た、NRF2 活性化癌がどのように発生するのか、そのメカニズムは明らかとなっていない。本研究では NRF2 の
抑制因子である KEAP1 が欠失した細胞を食道上皮の一部で発生させるマウス(Keap1-cKO マウス)を解析する
ことで、KEAP1 欠失による NRF2 活性化細胞の運命を明らかにした。
NRF2 活性化細胞の出現により、食道は過角化と上皮層の肥厚を認めたが、それらは経時的に正常化した。
KEAP1 欠失細胞では、NRF2 の標的遺伝子産物の 1 つであり、KEAP1 欠失細胞のマーカーとなる NQO1 の発現が
亢進し、NQO1 陽性細胞すなわち KEAP1 欠失細胞は経時的に減少した。KEAP1 欠失細胞ではヘミデスモソームの
構成因子の 1 つである XVII 型コラーゲンa1(COL17A1)の発現が低下し、食道上皮の分化マーカーである
Loricrin の発現が亢進した。KEAP1 欠失細胞は、KEAP1 正常細胞との競合により、食道上皮から排除されるこ
とが明らかとなった。さらに KEAP1 欠失細胞の周囲の KEAP1 正常細胞は代償的に増殖することで、複製ストレ
スによる DNA 傷害が発生していた。KEAP1 とは異なる別の NRF2 分解系であるbTrCP 経路からの抑制を受けない
Nrf2SA マウスと Keap1-cKO マウスを交配することで、KEAP1、bTrCP のどちらからも抑制を受けない NRF2 超活
性化細胞を観察した。NRF2 超活性化細胞が出現した食道上皮でも、KEAP1 欠失細胞と同様に NRF2 超活性化細
胞は経時的に減少し、KEAP1 欠失細胞の減少はbTrCP 経路による NRF2 分解のためではないことが明らかとなっ
た。Keap1-cKO マウスの食道細胞を用いた単一細胞 RNA シーケンスにおいても、KEAP1 正常細胞における増殖
能亢進および DNA 傷害が立証され、
Keap1-cKO マウスでは複製ストレスにより免疫細胞の動員も発生していた。
さらに、Keap1-cKO マウスに対して化学発癌物質 4NQO を投与すると対照群のマウスよりも多くの腫瘍が形成
されたことから、複製ストレスによる DNA 傷害が発癌のリスクを上昇している可能性が示された。
以上から、KEAP1 欠失細胞は食道上皮から排除され、NRF2 活性化のみでは癌化しないことが明らかとなり、
1

(書式18)
一方で周囲の KEAP1 正常細胞は複製ストレスによる DNA 傷害を受けることが示された。本研究の結果により、
NRF2 活性化のみでは癌化せず、NRF2 活性化細胞が癌化するためには NRF2 活性化以外の要因が必要であること
が示唆された。 ...

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