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大学・研究所にある論文を検索できる 「光学衛星画像を用いた宮城県大崎市古川地区における屋敷林の自動抽出手法の開発」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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光学衛星画像を用いた宮城県大崎市古川地区における屋敷林の自動抽出手法の開発

三浦 祐未 東北大学

2020.02.29

概要

【目的】 屋敷林は主に防風を目的とし、 住民の生活に密着した重要な林であるが、近年全国的にその数を急速に減らしている。 しかし、 屋敷林は水田地帯における 湿地生態系の維持にも重要な役割を果たしており、 保全の重要性が指摘されてい る。 本研究は、 SPOT6 光学衛星画像を用いて、 世界農業遺産に認定されている 宮城県大崎市古川地区を対象とした屋敷林の自動抽出手法を開発することを目的 とした。

【 材料と方法】 SPOT 6 は、分解能 6 m のマルチスペクトル( MS ) バンドと分解能1 . 5 m のパンクロマチック( PAN ) バンドを有する。 分解能が 6 m の画像( MS 画像)と、 MS バンドと PAN バンドを融合させて生成した分解能 1 . 5 m のパンシャープン画像( 高分解能画像) について解析を行った。 それぞれの画像から、 3 種類の植生指数および同時生起行列から計算される類似度などの二次統計量を算出し た。 次に主成分分析を適用し、 特徴量の大きい統計量を選択した。 MS バンド、植生指数および選択された統計量を因子として、 k - 平均法による教師なし分類を適用した。 目視判読により、 屋敷林が最も多く含まれるクラスを選択し、 ポリゴンの面積に閾値を設定して過度に小さい・大きいポリゴンを除去した。 高分解能 画像について、 植生指数に閾値を設定し、 選択したクラスから植生と判断される部分のみを抽出した。次に、 空間住宅情報データに含まれる家屋ポリゴンデータを用いて 3 0m 圏内に含まれるポリゴンを屋敷林とした。 抽出結果をラスターデータに再変換し、 Google Earth の目視判読により作成した参照ベクタデータと重ね合わせることにより、 精度評価を行った。

【結果と考察】 k - 平均法によるクラスタリングの結果、 MS 画像、 高分解能画像ともにクラスター数= 7 が最適であった。 クラスター数を減らした場合、 屋敷林と輝度の低い水田が同じクラスに分割される傾向があり、 クラスター数を増やした場合、 屋敷林が複数の異なるクラスに分割される傾向が確認された。 MS 画像を用いた場合、 スペクトル情報による屋敷林の抽出精度は 81% 、 統計量を用いた場合の抽出精度は 61 %であった。 スペクトル解析において、 植生指数の種類の違いは屋敷林の抽出精度に大きく影響しなかった。 統計量を用いたことで抽出精度が低下した理由は、 局所領域の計算により、 算出される各統計量の情報深度 が、 元データの 5 分の1 に減少するためであると考えられる。 一方、 高分解能画像の場合、 統計量を用いることによる屋敷林の抽出精度は 84% であった。 抽出に用いる植生指数は、 近赤外と青バンドのバンド比が最適であった。 高分解能画像では、 局所領域の計算により出力される情報量が元データの約 1 画素分の情報量に相当する。 したがって、 算出された空間特徴量には元データと同じだけの情報深度が保持されているため、 MS 画像で得られた結果とは逆に、 高精度の結果が得られたと考えられる。 以上の結果より、 MS 画像のスペクトル情報を用いた画像解析が屋敷林抽出に有効であり、 高分解能画像を用いることでより詳細な屋敷林分布を把握できる可能性が示唆された。

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