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大学・研究所にある論文を検索できる 「光学リモートセンシングによる東北大学川渡地区の六角牧場における草地面積の時系列変化」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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光学リモートセンシングによる東北大学川渡地区の六角牧場における草地面積の時系列変化

慕 希叶 東北大学

2020.02.29

概要

【目的】東日本の多くの地域が 2011 年 3 月 11 日の東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故による放射性物質の拡散の影響を受けた。岩手県、宮城県、福島県、栃木県及び群馬県の一部地域では放牧地の利用を自粛することになった。放牧自粛した牧草地が、時系列でどのように影響を受けたのかを空間的に明らかにすることは、草地生態系保全に有益である。植生の時系列的および空間的な変化を把握するにはリモートセンシング技術が有効である。本研究では、多時期の光学衛星画像を用いて、2011 年から放牧を自粛している東北大学川渡フィールドセンター内の六角牧場を対象地域にして、その時系列における面積変化を分析した。

【材料と方法】高分解能衛星データとして、空間分解能が 2.4 m である QuickBird によって 2012/7/19 に、分解能が 1.8 m である Worldview-2 によって 2017/5/20/、2018/5/26 に、分解能が 8 m である SPOT 6/7 によって 2014/9/26、2015/10/1、2018/9/26 に観測された画像を解析した。その結果を検証するために、空間分解能が 30 m である Landsat7/8 によって観測された複数の中分解能画像を解析した。前処理としてオルソ幾何補正を行った後、対象地域を切り出した。最尤法による教師付き分類法を行い、「草地」、「針葉樹」、「広葉 樹」の 3 つのクラスに分類した。分類精度評価を行って、土地被覆分類図から草地を抽出し、面積を計算した。六角牧場の南部に位置し、震災後も実験を目的として放牧を継続している大尺草地の時系列変化についても調べ、六角牧場における結果と比較した。

【結果と考察】2011 年から放牧を自粛した六角牧場の高分解能衛星画像の解析結果による面積は、2012/7/19 の 66.0 ㏊から2018/9/26 の 50.0 ㏊へ減少し、中分解能衛星画像の解析結果による面積は、2011/5/31 の 69.6 ㏊から 2018/5/26 の 44.6 ㏊に減少した。震災前であり、放牧が行なわれていた 2007/7/24 の六角牧場の航空機リモートセンシング画像の解析から求めた面積は 66.1 ㏊と記録されている。一方、放牧を継続した大尺草地の高分解能衛星画像の解析結果による面積は、2012/7/19 に 2.9 ㏊、2018/9/26 に 3.1 ㏊であり、中分解能衛星画像の解析結果による面積は、2011/5/31 に 2.5 ㏊、2018/5/26 に 2.7 ㏊であった。震災前の 2007/7/24 の大尺草地の面積は 2.9 ㏊である。解析した複数の高分解能衛星画像には観測時期の違いがあるため、植生の季節変化の影響を考慮する必要がある。中分解能衛星画像は空間分解能が低いため、ミクセル(Mixed pixel の略)問題により分類精度が落ちるものの、震災後の 2012 年から 2018 年にかけて、六角牧場の草地面積が大幅に 減少し、大尺草地には大きい変化はなかったことを示した。震災 1 年後である 2012/7/19と震災前であり放牧が行われていた 2007/7/24 の草地面積を比較したところ、顕著な変化は見られなかった。

【結論】複数の光学衛星画像の時系列解析により、牧草地の面積が 2011 年以降放牧を自粛してから大きく減少したことが明らかになった。川渡地区の今後の草地モニタリングにもリモートセンシング技術が活用できることが期待される。

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