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大学・研究所にある論文を検索できる 「宮城県三陸海岸周辺における人工衛星リモートセンシング技術を用いた樹種分類」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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宮城県三陸海岸周辺における人工衛星リモートセンシング技術を用いた樹種分類

成澤 朋紀 東北大学

2021.02.28

概要

【目的】
 本研究では、リモートセンシングデータを用いた画像分類により、対象地域において潜在植生である常緑広葉樹のタブノキと、管理不足による拡大が懸念されるタケの分布を推定した。

【方法】
 研究対象地は宮城県三陸海岸周辺の森林とした。2020年6月4日、9月22日、10月6日に現地調査を実施し、対象地域の現状の調査とトレーニングデータおよび検証データ収集を行った。リモートセンシング画像の解析は、中分解能衛星であるSentinel-2衛星の2020年2月12日、4月14日、5月29日、8月20日、10月31日のデータを用いて画像分類を行った。分類手法は、SVM(サポートベクターマシーン)とランダムツリーを用いた。

【分析結果】
 現地調査により、対象地域では、タブノキ林が海岸部に多く存在すること、タケの管理が不十分であり、他樹種の森林への拡大の懸念があることなどが分かった。
 Sentinel-2衛星データによる画像分類を行った結果、2月と4月の画像を使い、SVMを用いた時が最も精度が高く、全体精度は89.8%、Kappa係数は0.87であった。この時、常緑広葉樹のユーザー精度は91.5%、プロデューサー精度75.0%であり、タケのユーザー精度は91.0%、プロデューサー精度は81.0%であった。
 一時期のみのデータによる分類を行った結果、4月の画像を使い、SVMを用いた時が最も精度が高く、全体精度は89.8%、Kappa係数は0.87であった。この時、常緑広葉樹のユーザー精度は88.6%、プロデューサー精度70.0%であり、タケのユーザー精度は88.9%、プロデューサー精度は80.0%であった。複数時期の画像を用いた場合と比較して、一時期のみ場合は常緑広葉樹とタケのユーザー精度およびプロデューサー精度は若干劣る結果となった。しかし、全体精度およびKappa係数は同じ値となり、一時期のみの画像を用いた場合でも、有効な結果を得られる可能性が示唆された。
 基本の4バンド(青・緑・赤・近赤外)にレッドエッジ・近赤外狭帯域・中間赤外バンドのいずれか一つを追加して分類を行った結果、中間赤外バンドを用いた時が最も精度が高くなり、中間赤外バンドの重要性が示唆された。

【結論】
 Sentinel-2衛星画像を用いた分類では、2月と4月の画像を使い、SVMを用いた時に全体精度89.8%で分類することができた。また、一時期のみのデータを用いた場合でも、全体精度89.8%で分類することができた。さらに、タブノキやタケの抽出において、中間赤外バンドの重要性が示唆された。
 本研究では、対象地域におけるタブノキとタケの分布のマッピングを行った。本研究で作成された分類画像は、タブノキの保全とタケの管理において有用となることが期待される。

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