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大学・研究所にある論文を検索できる 「マルファン類縁疾患における遺伝子コピー数多型の関与についての検討」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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マルファン類縁疾患における遺伝子コピー数多型の関与についての検討

金谷, 翼 東京大学 DOI:10.15083/0002006999

2023.03.24

概要

[課程-2]
審査の結果の要旨
氏名 金谷 翼

本研究は若年期に致死的な大動脈解離を発症する可能性のある難治性疾患であるマルフ
ァン症候群(MFS)などの遺伝性大動脈瘤・解離症(HTAAD)に関する研究である。
HTAAD に対するコピー数多型(CNV)の検出方法として NGS が一般的であるが NGS のみ
では十分に検出できない CNV 異常を検出する方法として IGV、アレイ CGH および Long
range PCR があり、それらを用いて 8 症例における CNV 異常を同定した。
症例 1~6 については MFS の診断、症例 7 は先天性拘縮性くも状指趾症、症例 8 は LoeysDietz syndrome の診断となった。原因遺伝子は症例 1~6 は FBN1、症例 7 は FBN2、症例 8
は TGFB2 であった。
NGS は数塩基置換や短い挿入・欠失などの明らかな病的変異を発見するためには有用であ
るものの、1000 塩基対を超えるような大規模欠失・重複に対しては CNV 異常を検出でき
ないケースが散見されている。今回の 8 症例に関しては、NGS では病的変異が検出され
なかったケースであり、NGS データに対して IGV 目視法にてゲノム異常を疑い、アレイ
CGH および Long range PCR にて CNV 異常を特定し、最終的な疾患診断を行った。
以上、本論文は HTAAD において NGS では検出できない CNV 異常を IGV、アレイ CGH
および Long range PCR を用いて同定することができた。IGV は目視であり今後自動化を
進めていく必要性はあると考えられるものの、CNV 異常の検出方法の1つとして今後汎
用化されていく可能性もあるものと考えられる。
よって本論文は博士( 医 学 )の学位請求論文として合格と認められる。

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