リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「緑内障病態におけるTGF-βとオートタキシンの関与」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

緑内障病態におけるTGF-βとオートタキシンの関与

五十嵐, 希望 東京大学 DOI:10.15083/0002007060

2023.03.24

概要

[課程-2]
審査の結果の要旨
氏名五十嵐 希望
本研究はリゾリン脂質メディエーターであるリゾフォスファチジン酸(LPA)およびその
産生酵素であるオートタキシン(ATX)が緑内障病態に関与している可能性を探ること、お
よび、兼ねてより緑内障病態への関与が報告されているトランスフォーミング増殖因子-β
(TGF-β)と ATX との間に、緑内障病態を決定づけるようなクロストークが存在している
可能性の検討を試みたものであり、下記の結果を得ている。
1. 緑内障病型ごとに房水中の ATX および TGF-の濃度を測定したところ、それらの濃度
に差異が見られることを明らかにした。原発開放隅角緑内障(POAG)への関与が報告
されている房水中の TGF-β2 濃度が低く、且つ、より著明な眼圧上昇を呈する続発開放
隅角緑内障(SOAG)や落屑緑内障(XFG)といった緑内障病型において ATX の濃度
が上昇していることから、各緑内障病型、病態において房水中の ATX および TGF-の
間に何らかのクロストークが存在している可能性が示唆された。
2. 1.で得られた結果から、hTM における TGF-刺激にともなう ATX の発現の変化、また
逆に ATX 添加した際の TGF-の発現の変化を評価した。hTM を TGF-で刺激すること
で ATX のおよび ATX の発現を調整する転写因子であるリン酸化 STAT3 およびリン酸
化 SAPK/JNK の発現は低下し、逆に ATX で刺激することで TGF-2 の発現上昇が認め
られ、ATX/LPA 経路が CTGF の発現を上昇させ、Rho/CTGF 経路を介したパラクライ
ン的な線維化シグナルと TGF-β の活性化を生じる可能性を示した。
3. 房水中の ATX と TGF-濃度が緑内障病型分類において有用である可能性を検証するた
めに、機械学習法により統計学的に解析した。これらの結果から、房水中の ATX と
TGF-クロストークが緑内障病態や緑内障の重症度を反映するバイオマーカーとなると
ともに、新しい治療のターゲットとなる可能性が考えられた。
以上、本論文の結果から、今後は ATX や TGF-のバイオマーカーを併用することで、より
正確な病型分類をすることができるとともに、緑内障の重症度の予測や治療の強化といっ
た治療方針の決定の一助となる可能性が示唆された。今後は、これらの因子をターゲット
とした新規治療の開発とともに、より詳細な緑内障病態の解明に重要な貢献をなすと考え
られる。
よって本論文は博士( 医学 )の学位請求論文として合格と認められる。

この論文で使われている画像

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る