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書き出し

土に蓄積するリン酸:有効態はわずか3-5%で「氷山の一角」

谷 昌幸 帯広畜産大学

2020.01.20

概要

土に蓄積するリン酸:有効態はわずか3-5%で「氷
山の一角」
著者
雑誌名


ページ
発行年
URL

谷 昌幸
ニューカントリー
67
1
90-91
2020-01
http://id.nii.ac.jp/1588/00004601/

l
i

が行われているのが実態で

定する能力を示すリン酸吸
界でも非常に珍しい土であ

布している。黒ボク土は世

ク土と呼ばれる土が広く分

勝中央部の火山性土を例に

てはmJ4以上である。十

以上で、土壌や地域によっ

施肥量は凶バ当たり叩Jdフ

物に対する標準的なリン酸

れているのは、配合肥料や

多めのリン酸施肥が行わ

ある。

収係数や、作物が利用でき
り、リン酸を吸着して作物
刊バ当たりの標準的なリン

5によると、ほとんどの作

る可能性の高い土の有効態
にリン酸を吸えなくする力
化成肥料に含まれるリン酸

には火山灰からできた黒ボ

リン酸などについて説明し
が想像を絶するほど大き
酸施肥量を見ると、秋まき

前固まで土がリン酸を固

一方、土の中には、ほ
い。2019年同月号で説

が著しく低いリン酸も多量
酸 施 肥 量 は 世 界 平 均 の 3倍

明したように、日本のリン

︶や
馬鈴しょはmJ4、大豆

フ︵直播はnJdフ
はUJd

小麦はUJdフ、移植てん菜

馬鈴しょ用2号︵51おー

加工用馬鈴しょ圃場に農配

のJ A帯広かわにしでは、

ることに 一因がある。十勝

がやや多めに設定されてい

推奨される複合肥料は
リン酸量を多めに設定

とんど水に溶け出さないた

に含まれる。今回は畑の土
以上である。とりわけ北海

。 4年輪作で
小 豆 は m Jd



め作物が利用できる可能性

に蓄積している難溶態のリ
道のような寒冷な地域で

用3号︵5・5lm・51

ン酸について解説する。

一方、実際の施肥量が施
叩・5︶を110キロ ザ施用

刊︶を刊バ当たり100キロ

肥標準と同じとは限らな
することが推奨されてお

平均すると印バ当たりげ1

い。日、は年に十勝地域の
り、リン酸施肥量はそれぞ

は、作物の初期生育を保障

施肥標準施を上回る

側地点と上川地域の加地点
れおJ4、nJ4となる 。

ザ、あるいは農配馬鈴しょ

の施肥リン酸量の分布を図
工用馬鈴しょ圃場にS00

上川の J Aびえいでは、加



ロ 呼 のリン酸を毎年施用

加工用馬鈴

することになる。

1に示した

するため、基肥にリジ酸を

超が実態

バ mJ dフ


か生産者に聞き取った結果

れだけのリン酸を施肥した
とが推奨されており、リン

たり100キロぷフ施用するこ

4 ︵ 叩 m l叩︶を叩バ当

た。上川でも施肥標準凶J


だっ
行われ、平均はμJd

肥標準加キロザ以上の施肥が

も、ちょっと多めに入れて

なってしまう。ケチるより

量が施肥標準 よりも多めに

を施用すると、リン酸施肥

J Aが推奨する複合肥料

酸 施 肥 量 は m JJ7となる。

4 を 上 回 り 、 平 均 は引 J

の種類や生育の良しあしに

を吸収しているのか。作物

はどれくらい土からリン酸

畑で栽培されている作物

接する未耕地︵屋敷林や防

地︵普通畑︶と、それに隣

の黒ボク土を対象に、農耕

たのかを調べるため、十勝

初%のリン酸がどこに行っ

作物に吸収されなかった

黒ボク土では農耕地の深さ

目瞭然である。芽室の淡色

表層でリン酸が多いのが 一

らの黒ボク土も、農耕地の

た。芽室町と音更町のどち

分 布 の 比 較 を 図2 に 示 し

における全リン酸量の垂直

1印年間続けてきた農耕地

耕地と、リン酸施肥を約日

施肥をしたととのない未

759Jdフ、農耕地167

ク土では叩イ当たり未耕地

87J4だった。厚層黒ボ

り、畑の土への蓄積量は7

農 耕 地 1 1 7 5キロdフであ

当たり未耕地388J4、

る。淡色黒ボク土では叩バ

地︵畑︶に蓄積した量にな

のアミ掛け部分の差が農耕

た。図中の未耕地と農耕地

図2 の結果から計算してみ

初%増し程度のリン酸施肥

5 % で あ り 、 残 り の 何i

たところ、たったの31

リン酸の割合を計算してみ

できる可能性の高い有効態

リン酸のうち、作物が利用

畑の土に蓄積した多量の




土層に多量に蓄積してい

吸着して固定され、畑の作

おくと

が大きい

よ って異なるものの、おお
風林︶で土壌断面調査を実

0 1判 #JM、音更の厚層黒

0J 4 で あ り 、 蓄 積 量 は 9

w%は利用できる可能性が

H

むね刊バ当たり314J4
施 し た 。 表 層 か ら 深 さ 5弓

ボク土では農耕地の深さ0

07キロザだった。

N

のリン酸が作物に吸収され
Mご と に 約 lMの深さまで

4JmJrJMでリン酸量が多

作物が吸収するのは
施肥量のたった2割

る。加工用馬鈴しょが実際
試料を採取し、リン酸の量

したところ、十勝では平均
てみた。






著しく低い難溶態リン酸で
あった。

おり、下層に移動

に残って蓄積して

ほとんど畑の表層

なかったリン酸は

い。作物が吸収し

ろ農耕地が少な

ほぼ同じか、むし

未耕地と農耕地が

HJMより下では、

なると考えれば、約900

れ続けているともっと多く

く、堆肥なども積極的に入

る。リン酸肥料だけでな

酸蓄積量とほぼ同じであ

なる。淡色黒ボク土のリン

リン酸が残っていることに

たとすると、792キロザの

ン酸施肥を何年間行ってき

たリン酸の割合を初%、リ

作物に吸収されず土に残っ

使うことはできるのか、ま

いる難溶態リン酸を作物が

土の中に多量に蓄積して

角に過ぎない。

効態は海上に見えている一

てのリン酸だとすると、有

全体が土の中に含まれる全

たともいえる。まるで氷山

リン酸が少しずつ増えてき

してきたからとそ、有効態

量の リン酸が土の中に蓄積

見方を少し変えると、多

したり地下水へ流

必要はあるのかなど、リン

だまだ土の中にリン酸を入
作物に吸収されなかった

酸のこれからについて次号

フの蓄積も十分に説明で
Jd
どれくらいのリ

リン酸は、黒ボク土に含ま

以降で解説する。図

れ出たりしていな

ン酸が畑の表層に

れる鉱物の表面に強い力で

れて有効態リン酸を増やす

蓄積しているかを

きる。

一方、深さ印

深さに一致してい



い可能性が高い。




蓄積量の何sU%が
利用されにくい難溶態

に吸収したりン酸量を測定
4・1キロぜ、上川では平均
ら・0キロザだった。

ハHv
n
H
υ


肥量の年間平均を同J4、

4年輪作を行っている畑

安心感

4
。 つまり標準施肥量の

十勝では多くの圃場で施

である。

J

しょを栽培する圃場に、ど

多量施用することが推奨さ
北海道施肥ガイド201

れてきた。

<1
01
02
02
03
0>
3
0
1
01
02
02
0
3
0>
3
0
施肥リン酸(kg-Pi
05
/
1
0
a
)
施肥リン酸(kgPz
0
5
/1Oa)
It
不足 峨適正 ・過剰 ・著しく過剰|


<

4
0


40

い。これらの深さはそれぞ

を聞き取り調査した


ー農珂

作物が吸収したリン酸量

;2
0

を施肥リン酸量で割ると、

C汀 1

や形態などを分析し比較し

図 1 十勝地域と上川地域の普通畑における施肥リン酸量
の分布状況(加工用馬鈴しょ栽培時における施肥リン酸量

8
0
1
0
0

施肥したリン酸のうち作物
に吸収された割合が計算で
きる。百分率で表した値を
リン酸利用率と呼ぶ 。加工

QAA1nO

支6
0
cm

用馬鈴しょのデータを見る

三60


と、十勝では叩1m%が最

m

K

リン酸量 (
mg
/
ha
)
0
2
4
0

平自ヨハ H u n H U A H v n H U

の4
0

も多く平均口・9%、上川

C江1

耕地の深さ︵叩耕

8
0
8
0

nJU






では初1m%が最も多く平

厚 層 黒ボ ク 土 (音更町商中音更)

リン酸量
(mg/
h
a
)
0
1
2
0

陪店

2
0


の4
0



淡色黒ボク土(芽室町中伏古)

時農

6
0さ

への刊バ当たりのリン酸施



これまでの連載で説明し

%2
0

% 2
0

上川地域( 8
0地点)

8
0
型60
十勝地域( 9
0地点)

8
0
型60

たように、北海道の農耕地
修了。博士(農学)。同年帯広畜
産大学畜産学部助手、 2
0
0
3年同大
助教授、 1
5年から現職。 1
9
6
8年大
阪市生まれ。

れの畑における。フラウ耕の

という感覚だろうか。

谷昌幸

吸収されなかった分は
畑の表層に残って蓄積

たにまさゆき
1
9
9
5年筑波大学大学院農学研究科
十層厚差 2
0cm

高20

均μ・5%で、全体の平均
はm・7%だった。せっか
く施肥したりン酸のうち、
作物に利用されなかったも
のが約加%もあることにな

。 ...

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