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大学・研究所にある論文を検索できる 「乳癌におけるLAT1を介したアミノ酸代謝の新規治療標的としての可能性」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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乳癌におけるLAT1を介したアミノ酸代謝の新規治療標的としての可能性

佐藤 未来 東北大学

2020.03.25

概要

がん特異的アミノ酸トランスポーターである LAT1 は様々ながんで予後不良因子とされ、その阻害剤は第 II 相臨床試験が進行中であるが、機序については不明な点が多い。そこで本研究では、術前化学療法を施行した 乳癌患者 143 症例の化学療法前後の LAT1の発現と、FDG-PET で腫瘍細胞のグルコースの取り込みを反映する SUVmax を評価し、アミノ酸代謝と糖代謝の関係と、アミノ酸代謝と臨床病理学的因子との関与を検討した。 その結果、乳癌細胞では糖代謝が低い症例では LAT1 を介したアミノ酸代謝に依存している可能性を初めて示 した。特に、ER 陽性 LAT1 陽性群では、術前化学療法後の病理学的奏効率が有意に低く、LAT1の発現動態が 化学療法抵抗性と密接に関与することが初めて示唆された。さらに、これらの機序をさらに解明する目的で細 胞実験を含む in vitro の検討を行なった。その結果、ER 陽性 LAT1 低発現株では化学療法感受性が有意に高 いことが初めて明らかになった。 さらに、LAT1の意義を探求するため、LAT1 低発現および過剰発現細胞株 でのメタボローム解析を行なった。その結果 LAT1を介して取り込まれたアミノ酸は、TCA 回路に供給され、 ATP 産生に寄与することを初めて示した。特に、ER 陽性細胞株では、化学療法投与により、LAT1を介して取 り込まれる分岐鎖アミノ酸のみが著明に上昇し、TCA 回路の中間体であるオンコメタボライトの蓄積に寄与し、 ATP 産生を促進する事で化学療法への抵抗性を示すことが明らかになった。上記検討により、乳癌細胞では化 学療法によってがん代謝のリプログラミングが生じることを初めて示すことが出来た。さらに、本研究成果か ら、LAT1 はがん特異的なエネルギー産生を調節することから、ER 陽性乳癌の新規治療標的となる可能性があ り、今後の創薬研究が非常に期待される。

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