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大学・研究所にある論文を検索できる 「Comparative Study of Model Fitting of Interplanetary Flux Rope with Different Treatments of Boundary Pitch Angle」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Comparative Study of Model Fitting of Interplanetary Flux Rope with Different Treatments of Boundary Pitch Angle

Nishimura, Nobuhiko 西村, 信彦 名古屋大学

2020.04.02

概要

太陽コロナでは強い磁場を持ったプラズマが惑星間空間へと突発的に噴出する現象が発生する。噴出した磁場を探査機で観測すると、軸を中心にして螺旋状の磁力線が取り巻いた構造になっていることから、この磁場構造は惑星間空間フラックスロープ(IFR)と呼ばれる。地球が IFR と衝突すると、IFR 磁場の南向き成分と地球磁場との強い結合によって地磁気嵐が発生する。このため、IFR 磁場の3次元構造を正確に理解することは、宇宙天気予報の精度改善のための重要な課題となっている。特に IFR 磁場の軸方向や磁束量が重要であるが、これらは探査機による観測データにフォースフリー磁場モデルを最適化することで推定されてきた。従来のフォースフリー磁場モデルを用いた解析では、境界における磁場と IFR の軸方向がなす角度(境界ピッチ角𝛼p)を 90 度とする仮定が慣習的に用いられている。申請者は、この仮定に十分な根拠がなく、実際の観測において𝛼pが 90 度では説明できないイベントも存在することに着目し、この仮定の有無によって IFR 構造の解析結果に如何なる影響があるかを数多くの観測データやモデル計算の結果に基づいて調査した。本研究では、IFR の解析でよく使われる円柱形モデル(Lundquist, 1950)とトーラス形モデル(Romashets & Vandas, 2003)について、𝛼pをフリーパラメータとしたフィッティング方法(一般化法)を開発し、660 件の IFR 候補イベントについて一般化法による解析を行った。この解析から、円柱形モデルでは 225 件、トーラス形モデルでは 109 件について IFR のパラメータを決定した。同様に、IFR 候補イベントについて𝛼pを 90°に固定した解析(固定法)も実施し、円柱形およびトーラス形モデルについて、それぞれ 204 件と 142 件のイベントの IFR パラメータを決定した。一般化法と固定法で共にパラメータが決定できたイベントについて解析結果の比較を行ったところ、円柱形モデルの場合、軸方向のコーン角と磁束量において有意な違いがあることが判明した。トーラス形モデルの場合はトロイダル磁束において両者に有意な違いが見られた。また、円柱およびトーラス形モデルともに約 40%のイベントにおいて一般化法で推定された𝛼pは 90 度から大きく違っていた。さらに申請者は、モデル計算によって作成した疑似データに対して一般化法と固定法による解析を行って両者の結果を比較したところ、前述したような違いが起こることを確認した。以上のことから、フォースフリー磁場モデルを使って IFR の3次元磁場特性を推定する際には一般化法による解析が不可欠であることが結論された。本研究の成果を今後の研究に応用することで、IFRの3次元特性がより正確に推定できるようになり、IFR の形成や伝搬途中における構造変化の解明につながることが期待される。

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