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大学・研究所にある論文を検索できる 「イネの光合成改善に向けてのRubiscoとRubisco activaseの同時過剰生産体の作出」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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イネの光合成改善に向けてのRubiscoとRubisco activaseの同時過剰生産体の作出

菅波 眞央 東北大学

2020.03.25

概要

光合成は太陽光から化学エネルギーを生産し、空気中の二酸化炭素からデンプンとショ糖を生産する物質生産の基盤となる反応である。光合成炭酸固定酵素 Rubisco は緑葉全窒素の約 30%が投資される最も存在量の多いタンパク質であり、現大気条件における最大光合成速度の律速因子であることが示されている。

筆者の所属する植物栄養生理学分野では、光合成機能の改良を目的として Rubisco 量を 30%増加させた Rubisco 過剰生産イネを作製したが、Rubisco 増加分に見合った光合成速度の向上は見られなかった(Suzuki et al., 2007)。その後、Rubisco 過剰生産イネでは Rubisco 活性化率が低下していることが明らかとなり(Makino and Sage, 2007)、光合成速度が向上しない原因である可能性が考えられた。

Rubisco が触媒機能を有するためには、CO2分子の結合(カルバミル化)とそれに続くMg2+の結合が必要となる。しかし、基質である RuBP や夜間代謝産物である CA1P などの糖リン酸が Rubisco に結合すると、Rubisco は不活性化される。Rubisco activase(RCA)は結合した阻害物質を ATP 依存的に外し、Rubisco のカルバミル化を促進する働きをする酵素である。

本博士論文研究では、Rubisco 過剰生産イネにおける Rubisco 活性化率低下の原因を明らかにし、Rubisco 量の増加と Rubisco 活性化率の維持を両立したイネを作出し、光合成能力を向上させることを目的とした。第一章では、 Rubisco 過剰生産、及び生産抑制イネにおいて、RCA 量への影響を調べ、Rubisco 活性化率低下に RCA が関与しているか調べた。その結果、Rubisco 過剰生産イネでは、RCA 量が不十分なために Rubisco活性化率が低下した可能性が考えられたため、光合成改善に向けて、Rubisco とともにRCA を同時に過剰生産させたイネの作出を行うことにした。第二章では、RCA 過剰生産、および生産抑制イネを新規に作出し、この RCA 組換えイネにおいて、Rubisco 量への影響を調べた。第一章の結果と合わせて、Rubisco と RCA の量的関係について考察した。第三章では、Rubisco 過剰生産イネと第二章にて作出した RCA 過剰生産イネを交配させ、Rubisco と RCA の同時過剰生産イネを作出し、その光合成解析を行った。

参考文献

Von Caemmerer S, Farquhar GD, (1981) Planta 153: 376-387

Farquhar GD, von Caemmerer S, Berry JA, (1980) Planta 149: 78-90

Fukayama H, Ueguchi C, Nishikawa K, Katoh N, Ishikawa C, Masumoto C, Hatanaka T, Misoo S (2012) Plant Cell Physiol. 53: 976-986

Jin SH, Hong J, Li XQ, Jiang DA (2006) Ann Bot. 97: 739-744

Makino A, Harada M, Kaneko K, Mae T, Shimada T, Yamamoto N (2000) Aust. J. Plant Physiol. 27: 1-12

Makino A, Sage RF (2007) Plant Cell Physiol. 48: 1472-1483

Suzuki Y, Ohkubo M, Hatakeyama H, Ohashi K, Yoshizawa R, Kojima S, Hayakawa T, Yamaya T, Mae T, Makino A (2007) Plant Cell Physiol. 48:626-637

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