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大学・研究所にある論文を検索できる 「Small-molecule HDAC and Akt inhibitors suppress tumor growth and enhance immunotherapy in multiple myeloma」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Small-molecule HDAC and Akt inhibitors suppress tumor growth and enhance immunotherapy in multiple myeloma

平野, 光人 東京大学 DOI:10.15083/0002007022

2023.03.24

概要

[課程-2]
審査の結果の要旨
氏名 平野 光人
本研究は再発・難治性多発性骨髄腫の新規治療法を検証するにあたって、ヒストン脱ア
セチル化酵素(HDAC)阻害薬や Akt 阻害薬、および HDAC と PI3K の二重阻害薬である
CUDC-907 に着目し、その効果や作用機序を検証したものであり、下記の結果を得てい
る。
1.

HDAC 阻害薬は、骨髄腫細胞株の NKG2D(Natural killer group 2、member D)リガ
ンドである MICA や ULBp の発現を上昇させた。MICA の上昇のメカニズムとして
は、MICA の Negative regulator である IKZF1 や IKZF3 の発現を低下させることに
よって引き起こされることが示された。さらに、HDAC 阻害薬は NK 細胞の直接細胞
障害活性を増強し、ダラツムマブやエロツズマブの ADCC(抗体依存性細胞傷害)活性
を増強した。

2.

骨髄腫細胞に発現するセレブロン(CRBN)は免疫調節薬(IMiDs)の主要なメディエータ
ーであり、CRBN の遺伝子変化は、IMiDs 耐性に寄与すると考えられている。骨髄腫
細胞株の CRBN をノックダウン・ノックアウトし、IMiDs 耐性株を作成し、HDAC
阻害薬の有効性を確認した。HDAC 阻害薬は、CRBN をノックダウンした細胞株に
対しても IKZF1 の発現を低下し、MICA の発現を上昇させた。

3.

CRBN をノックダウン・ノックアウトした骨髄腫細胞に対して、IMiDs の 1 つである
レナリドミドの存在下で培養すると、骨髄腫細胞の Myc の発現が上昇した。

4.

HDAC 阻害薬と Akt 阻害薬は Myc の発現を低下させた。

5.

HDAC 阻害薬、Akt 阻害薬は骨髄腫細胞株に対して細胞殺傷効果を示した。また、両
剤の併用によって、より強い殺細胞殺傷効果を示し、一部の細胞株では相乗効果を示
した。同様の結果は、CRBN ノックダウン・ノックアウト細胞株、ボルテゾミブ耐性
細胞株、ドキソルビシン耐性細胞株、デキサメタゾン耐性細胞株でも認められた。

6.

HDAC 阻害薬および Akt 阻害薬は GSK-3 阻害薬と併用すると殺細胞殺傷効果が減弱
した。このことから、HDAC 阻害薬と Akt 阻害薬の抗骨髄腫作用において、GSK-3
が重要な役割を果たしている可能性が示唆された。

7.

HDAC 阻害薬、Akt 阻害薬は骨髄腫細胞株に対して、アポトーシスを誘導し、両者の
併用によって、より強くアポトーシスを誘導することが示唆された。

8.

CUDC-907 は骨髄腫細胞株の NKG2D リガンドの発現を上昇させた。また、IKZF1
や IKZF3 の発現を低下し、ダラツムマブやエロツズマブの ADCC 活性を増強した。

9.

CUDC-907 は Myc の発現を低下させた。

10. CUDC-907 は骨髄腫細胞株に対して、細胞殺傷効果を示した。また、CRBN ノック
ダウン・ノックアウト細胞株、ボルテゾミブ耐性細胞株、ドキソルビシン耐性細胞
株、デキサメタゾン耐性細胞株に対しても、殺細胞殺傷効果を示した。
11. CUDC-907 は CRBN をノックアウトした骨髄腫細胞株に対しても MICA の発現を増
強し、IKZF1、IKZF3 や Myc の発現を低下した。
12. CRBN をノックアウトした骨髄腫細胞株を使用した Xenograft マウスモデルにおい
て、CUDC-907 は、コントロール薬剤と比較して腫瘍の増大を抑制する可能性が示唆
された。
13. CUDC-907 は初発の多発性骨髄腫患者、再発・難治性多発性骨髄腫患者から採取した
細胞に対しても、殺細胞殺傷効果を認めた。
以上、本論文は HDAC 阻害薬、Akt 阻害薬、CUDC-907 は再発・難治性多発性骨髄腫患
者に対する有用な治療法となる可能性を示唆しており、本研究は実臨床における多発性骨
髄腫の患者の新規治療法の開発に対して重要な貢献をなすと考えられる。
よって本論文は博士( 医 学 )の学位請求論文として合格と認められる。

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