リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「Elucidation of functional roles of CAMK2G in myelofibrosis.」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

Elucidation of functional roles of CAMK2G in myelofibrosis.

佐々木, 謙 東京大学 DOI:10.15083/0002007007

2023.03.24

概要

[課程-2]
審査の結果の要旨
氏名佐々木 謙
本研究は難治性血液疾患である骨髄線維症に対する新規治療標的を明らかにするために、
骨髄線維症患者由来の iPS 細胞を用いて薬剤スクリーニングを行った。またそこで明らか
になった治療標的についてさらなる検証を行い、下記の結果を得ている。
1. 新規治療標的である CAMK2 の同定
当研究室で樹立した骨髄線維症患者の造血幹細胞から iPS 細胞(MF-iPS 細胞)を使用し、
化合物スクリーニングを行った。スクリーニングの結果、骨髄線維症細胞の増殖抑制効果を
示す新規治療薬として CAMK2 阻害薬(KN93)を同定した。その後 Trifluoperazine という異
なる CAMK2 阻害薬を用いた実験でも同様の結果を確認した。
2. JAK2 阻害剤感受性細胞と耐性細胞に対して CAMK2G 阻害が有効性について
CAMK2 ファミリーの 4 つのサブタイプのうち造血系細胞において発現が認められる
CAMK2G に対する阻害が有効であることを見出した。
マウス造血細胞株
(Ba/F3)
に JAK-STAT 経路の恒常的活性化を誘導する MPL 変異体 (MPLW515L)
を導入した細胞 (Ba/F3-MPLW515L)を骨髄線維症モデル細胞として、CAMK2G の阻害効果を検証
した。CAMK2G のノックダウンにより Ba/F3-MPLW515L の増殖が有意に抑制された。また同細胞
の増殖は骨髄線維症の既存治療薬である JAK2 阻害剤で抑制される。今回 JAK2 阻害剤によ
る増殖抑制効果の低い JAK2 阻害剤耐性 Ba/F3-MPLW515L 株を作成した。JAK2 阻害薬耐性細胞
においても CAMK2 の阻害が有効であった。以上の結果から、臨床において問題となる JAK2
阻害薬耐性症例においても CAMK2 が治療標的となり得ることが示唆された。
3. 骨髄線維症マウスモデルにおいて CAMK2G 阻害薬は有効性について
骨髄線維症マウスモデルにおける CAMK2G 阻害効果を検証するため、マウス造血幹細胞に
MPLW515L を強制発現させて作製した骨髄線維症マウスモデルに対して、CAMK2G 阻害薬である
Berbamine 投与し、治療効果を解析した。結果として CAMK2G 阻害薬投与により有意に生存
期間が延長し、骨髄線維症の主要所見の1つである脾腫の改善が見られた。
以上本論文は骨髄線維症患者由来の iPS 細胞を用いて薬剤スクリーニングを行った。また
そこで明らかになった治療標的 CAMK2 についてさらなる検証を行い、CAMK2G を標的とした
治療の有効性について明らかにした。本研究は難治性血液疾患である骨髄線維症に対し、
新規治療の発明に重要な貢献をなすと考えられる。
よって本論文は博士( 医学 )の学位請求論文として合格と認められる。

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る