Attaining Low Tidal Volume Ventilation During Patient Triggered Ventilation in Sedated Subjects
概要
〔目 的(Purpose)〕
低い一回換気量(VT)換気は重症患者にとって好ましい管理であるが、薬剤で呼吸ドライブを弱めVTを減らそうとしても、高いVTを示す患者が存在する。我々はスチュワートモデルを用いて吸気努力を呈する深鎮静の患者が低VTとなりうる条件を調べた。
〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
方法:2014年に当院ICUに入室した630人の患者の医療記録から後方視的に、PaO2/FIO2<300 mmHg、リッチモンド興奮鎮静スケール(RASS)≦-4、PEEP>5cmH2O、持続する吸気努力の全てを満たす従圧式換気の患者のデータセットを集めた。データセットは高VT群(>8mL/kg予測体重[PBW])と低VT群(≦ 8mL/kg PBW)に分けた。
結果:100人の患者から得た235件のデータセットが条件を満たし、低VT群101例、高VT群134例となった。設定した吸気圧は両群で変わらなかったが、PEEPは低VT群で低く、高VT群ではオピオイドがより頻繁に使用された。また強イオン差(SID)は低VTグループで高かった。多変量解析ではSIDがより高く、総不揮発性弱アニオン(ATOT)がより低く、オピオイドの使用がないことが低VT換気と関連した。またVT/PBWおよびSIDは弱い逆相関、VT/PBWとATOTは弱い相関を示し、これらは代謝性アルカローシスを示唆した。
〔総 括(Conclusion)〕
緩衝機能の効率的な管理は低VT換気を実現するための実行可能な戦略かもしれない。