Effectiveness of the hemoglobin index for screening of subarachnoid hemorrhage in out-of-hospital cardiopulmonary arrest patients: a retrospective observational study

概要

〔目　的(Purpose)〕
くも膜下出血患者のスクリーニングにおけるヘモグロビンインデックスの有効性を検討すること

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
単施設後方視的観察研究で、対象は2013年4月から2015年12月までに大阪大学医学部附属病院高度救命救急センターへ搬送された院外心肺停止患者のうち、外傷症例を除外した63症例を対象とした。脳局所酸素飽和度の測定とともにヘモグロビンインデックスの測定を行った。ヘモグロビンインデックスは、近赤外線の805nmにおける吸光度から算出された局所のヘモグロビン量であり、近赤外線が透過した局所の血液量に相関する。くも膜下出血群と非くも膜下出血群の2群に分け、ヘモグロビンインデックスの値を2群間で比較した。
くも膜下出血群は5例、非くも膜下出血群は58例であった。ヘモグロビンインデックスの値はくも膜下出血群で優位に高かった。くも膜下出血群のヘモグロビンインデックスのカットオフ値を1.18としたところ、特異度は96％、感度は80％となり、ヘモグロビンインデックスのROC-AUCは0.89であった

〔総　括(Conclusion)〕
院外心肺停止患者におけるくも膜下出血のスクリーニングにはヘモグロビンインデックスは有用である可能性が示唆された。将来的に、救急外来で非心肺停止状態でのくも膜下出血が疑われる患者への、ヘモグロビンインデックスの応用が期待される。