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大学・研究所にある論文を検索できる 「Initial treatment response to transarterial chemoembolization as a predictive factor for Child-Pugh class deterioration prior to refractoriness in hepatocellular carcinoma」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Initial treatment response to transarterial chemoembolization as a predictive factor for Child-Pugh class deterioration prior to refractoriness in hepatocellular carcinoma

前阪, 和城 大阪大学

2022.03.24

概要

〔目的(Purpose)〕
肝細胞癌に対する肝動脈化学塞栓術(TACE)において、治療の反復に伴い肝予備能や治療効果の低下が生じることが知られている。連続する2回のTACEに効果がなくTACE不応と判断された際には薬物療法へ切り替えることが推奨されるが、薬物療法を開始するためには肝予備能が維持されている必要がある。しかし、TACE不応と判断された際には20-25%の症例で既に肝予備能が低下していると報告されている。本多施設共同研究ではこのようなTACE不応と判断される前に肝予能低下を生じる症例を抽出し、その予測因子について検討した。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
肝細胞癌に対する初回治療としてTACEが行われた肝予備能がChild-Pugh class AのBCLC stage B症例93例を対象とした。初回TACEからTACE不応と判断されるまでの期間をTTTR(Line to TACE refractoriness)、TACE不応前にChild pugh classが増悪するまでの期間をTTCPD(time to Child-Pugh class deterioralion)と定義し、TTTR、TTCPDに関与する因子について後向きに解析した。

初回TACEに対して59(63.4%)例で奏効、34(36.6%)例で非効であった。観察期間中に67(72.0%)例でTACE不応と判断され、全体でのITTRの中央値は24.2ヶ月であった(Kaplan-Meier method)。TTTRについて多変量Cox回帰分析によると、PIVKA-I高値(2600mAl/m1)、初回TACE非効、栓区域非選択的な初回TACE、は早期のTACE不応と有意に関連していた。

初回TAC後には全例で肝予備能はChild-Pugh class Aで維持されていたが、2ndTACE後には11.8%、3rdTACE後には17.2%の症例で予備能はChild-Puga class BもしくはCへ低下を認めた。観察期間中に31(33.3%)例でTACE不応前にChild-Puga classが増悪し、全体でのTTCPD中央値は40.6ヶ月であった(Kaplan-leier method)。TTCPDについて多変量Cox回帰分析によると、初回TACE非奏効、初回TACE前のALBIgrade2、塞栓区域非選択的な初回TACE、は早期の肝予備能低下を予測する有意な因子であった。TTCPD中央値は初回TACE奏効症例では55.9ヶ月であり、初回TACE非奏効症例では19.6ヶ月であった(Kaplan-Meier method, log-rank test p<0.001)。

〔総括(Conclusion)]
肝細胞癌に対するTACEにおいて、初回TACE非奏効である症例ではTACE不応となる前に肝予備能低下を来す可能性がある。