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大学・研究所にある論文を検索できる 「年齢による急性心不全患者のうっ血の残存とworsening renal functionの予後に与える影響の差」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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書き出し

年齢による急性心不全患者のうっ血の残存とworsening renal functionの予後に与える影響の差

小田島, 進 神戸大学

2023.03.25

概要

Kobe University Repository : Kernel
PDF issue: 2024-05-02

Association of congestion with worsening renal
function in acute decompensated heart failure
according to age

小田島, 進
(Degree)
博士(医学)

(Date of Degree)
2023-03-25

(Resource Type)
doctoral thesis

(Report Number)
甲第8497号

(URL)
https://hdl.handle.net/20.500.14094/0100482245
※ 当コンテンツは神戸大学の学術成果です。無断複製・不正使用等を禁じます。著作権法で認められている範囲内で、適切にご利用ください。

(課程博士関係)

学位論文の内容要旨

Association of congestion with worsening renal function in acute decompensated heart
failure according to age

年齢による急性心不全患者のうっ血の残存と
worsening renal function の予後に与える影響の差

神戸大学大学院医学研究科医科学専攻
循環器内科学
(指導教員:平田 健一 教授)
小田島 進

【背景と目的】
急性心不全入院患者において、退院時のうっ血の残存は予後不良因子であるため、
肺・全身うっ血治療には利尿薬が使用され、特にループ利尿薬は、急性心不全治療の
中心的利尿薬として頻用されている。一方で、急性心不全患者にループ利尿薬を投与
すると血清クレアチニンが上昇することをしばしば経験し、これは worsening renal
function(WRF)と称され、これもまた予後不良因子として報告されている。退院時の
うっ血残存に関しては、議論の余地なく心不全患者の予後に悪影響を与えるが、WRF
に関しては、うっ血の解除が出来ていれば、予後に与える影響はないという報告もあ
り、WRF が予後に影響を与えるかどうかは議論の余地がある。また、これらの報告の
基となった研究の対象年齢は、平均で 65-75 歳と比較的若年であり、より高齢者での
退院時のうっ血残存や WRF の予後に与える影響は不明である。
そこで、高齢化の進む我が国の急性心不全入院患者において、退院時のうっ血残存
と WRF の予後に与える影響を検討した。
【方法】
2013 年 4 月から 2020 年 3 月までの期間で、KUNIUMI(Kobe UNIversity Heart FailUre
Registry in Awaji MedIcal Center)Registry に登録された、入院加療を要した急性心不全
患者連続 1,971 名のうち、初回入院の 966 名を対象とした。KUNIUMI Registry は兵庫
県の淡路島内全ての急性心不全入院患者を後ろ向きに登録したレジストリーである。
WRF は入院時と比較して、入院中の血清クレアチニンが 0.3 mg/dL 以上に上昇する
ものと定義した。また、退院時のうっ血残存の定義は以下の項目のうち、いずれか 1
つ以上を満たす症例とした(①身体所見での起坐呼吸、肺ラ音、下腿浮腫の存在、②
入院時と比較して脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)の減少が 30%未満、③胸部 X
線での胸水貯留)。
主要評価項目は心血管死および心不全再入院とし、平均観察期間は 2 年であった。
【結果】
対象患者の平均年齢は 80.2 ± 11.4 歳であった。男性が 53.8%で NYHA(New York
Heart Association)class はⅣが 75.1%と重症心不全の割合が多かった。そして HFrEF
(Heart failure with reduced ejection fraction)が 32.3%、HFmrEF(Heart failure with mildlyreduced ejection fraction)が 19.6%、HFpEF(Heart failure with preserved ejection fraction)
が 47.8%であった。
まずは退院時のうっ血残存と WRF の予後に与える影響をそれぞれ検討した。退院
時のうっ血残存は、468 名(48.4%)に認め、有意に予後に悪影響を与えた(hazard ratio
[HR], 2.34; 95% confidence interval [CI], 1.90–2.89; P<0.01)。そして WRF は、320 名(33.1%)
に認め、こちらも有意に予後に悪影響を与えた(HR, 1.60; 95% CI, 1.27-2.00; P<0.01)。
次に、退院時のうっ血残存と WRF に関してそれぞれの有無別に 4 群に分けて予後
に与える影響を検討した。最も予後が良好であったのはうっ血残存も WRF も認めな
い群で、最も予後が不良であったのはうっ血残存も WRF も認める群であった。
続いて、レジストリーデータの平均年齢である 80 歳を境界に、80 歳以上の高齢群
と 79 歳以下の非高齢群に分けて WRF の予後に与える影響を検討したところ、80 歳
以上の高齢群ではうっ血の解除下でも、WRF を来すと予後に悪影響が出たが(HR,

1.74; 95% CI, 1.10–2.77; P=0.02)
、79 歳以下の非高齢群ではうっ血の解除下では WRF
は予後を悪化させなかった(HR, 1.45; 95% CI, 0.78–2.69; P=0.24)。さらに、単変量お
よび多変量解析で主要評価項目の予測因子を検討したところ、80 歳以上の高齢群では
うっ血残存と WRF の両方が独立した予後規定因子であったが(うっ血残存; HR, 2.02;
95% CI, 1.34-3.05; P<0.01, WRF; HR, 1.70; 95% CI, 1.15-2.50; P=0.01)、79 歳以下の非高
齢群では WRF ではなく、うっ血の残存が独立した予後規定因子であった(HR, 2.01;
95% CI, 1.07-3.80; P=0.03)。
【考察】
急性心不全患者において、うっ血残存は予後不良因子であり、うっ血の解除が重
要なのは議論の余地がない。しかし、WRF に関しては、独立した予後規定因子である
という報告が多いが、予後に影響はないとする報告もあった。この解離した結果に一
石を投じたのは、2012 年に Metra らが報告した論文で、これは WRF に加えて、うっ
血の有無も考慮した内容であった。患者の平均年齢は 69 歳と比較的若年であるもの
の、うっ血の解除下では WRF を来しても予後に影響はないという報告であった。以
降、WRF の予後に与える影響に関しては、うっ血残存の有無も考慮した統合解析がな
されるようになり、現在のところ、うっ血残存は一貫して心不全患者の予後不良因子
であるが、WRF に関してはうっ血が解除されていれば予後不良因子とはならないと
いう趨勢である。しかし、これらの統合解析結果の基となった研究の対象年齢は平均
で 65-75 歳と比較的若年であるため、より高齢者での WRF の予後に与える影響に関
しては不明である。
今回の研究の平均年齢は、80.2 歳と先行研究よりも高齢であった。そして結果に関
しては、退院時のうっ血残存も WRF もいずれも予後不良因子であり、うっ血の解除
下では、WRF は予後に影響を与えないとする従来の統合解析と反する結果であった。
しかしながら、本研究の多変量解析結果より、80 歳以上ではうっ血の残存と WRF の
両方が独立した予後規定因子であったが、79 歳以下では WRF ではなく、うっ血の残
存が独立した予後規定因子であったということがわかり、今回の研究は WRF が予後
に影響を与える 80 歳以上の高齢者がより多く含まれていたため、このような結果に
なったと考えられる。このように、うっ血の残存は年齢に関わらず心不全患者の独立
した予後規定因子であったが、WRF に関しては予後に与える影響が年齢によって異
なることが今回の研究で新たに判明した。年齢により WRF の予後に与える影響が異
なる詳細な機序は不明であるが、年齢による腎予備能の差が原因ではないかと推察し
ている。腎予備能は負荷時の GFR(glomerular filtration rate)とベースラインの GFR の
差で示されるが、機能的ネフロンの減少に伴い、腎予備能は線形に低下することが知
られている。今回の研究では腎予備能の評価は出来ていないが、80 歳以上の高齢群で
は 79 歳以下の非高齢群に比べて、ベースラインの eGFR が有意に低下しており
(45.9±22.1 vs 55.2±24.2, P<0.01)、WRF の発症頻度も有意に多かった(36.0% vs 28.2%,
P=0.02)。これらの結果から、80 歳以上の高齢群では、79 歳以下の非高齢群よりも、
腎予備能が低下している可能性があり、そのため WRF が有意に予後に影響を与えた
と考えられた。
今後、本邦だけでなく、世界的にも高齢心不全患者がさらに増大することが予想
されている。本研究から、急性心不全患者の治療戦略を立てる上で、年齢を考慮す

ることの重要性が示された。すなわち、79 歳以下の非高齢者では、うっ血の解除を
最優先に急性期の治療をすることが重要だが、80 歳以上の高齢者では、うっ血の解
除だけでなく、WRF を来さないよう治療することが重要になる。

【結論】
うっ血の解除と WRF の予後に与える影響は年齢によって異なり、増加する 80 歳以
上の超高齢者急性心不全患者では、うっ血の解除と WRF の回避の両方が重要である。

神戸 大 学大 学 院医 学(系)研究科(博士課程)

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨





甲第 3
241号

受 付番 号

小田島進

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nの予後に与える影響の差
論文題目

審査委員

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主 査
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副 査

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嘉慎一
玩 口 □夏

旦J2、
加伶シ


要 旨 は 1, 000字 ∼ 2
, 000字程度)


背景)急性心不全入院患者において、退院時のうっ血の残存は予後不良因子であるため、
肺・全身うっ血治療には利尿薬が使用され、特にループ利尿薬は、急性心不全治療の中心
的薬剤として頻用されている 。一方で、急性心不全患者にループ利尿薬を投与すると 血清
ク レアチニンが上昇することをしばしば経験し、これは wo
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n (WRF) と
称され、これもまた予後不良因子として報告されている 。退院時のうっ血残存に関しては、
議論の余地なく心不全患者の予後に悪影響を与えるが、 WRFに関しては、うっ血の解除が
出来ていれば、予後に与える影密はないという報告もあり、 WRFが予後に影響を与えるか
7
5
どうかは未確定である。また、これらの報告の基となった研究の対象年齢は、平均で 65歳と比較的若年であり、より高齢者での退院時のうっ血残存や WRFの予後に与える影響
は不明である。
そこで、高齢化 の進む我が国の急性心不全入院患者において、退院時のうっ血残存と
WRFの予後に与える影響を検討した。

方法 )
20
13年 4月から 2020年 3月までの期間で、 KUNIUMI(KobeU
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1名のうち、初回入院の 966名を対象とした。 KUNIUMIR
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yは兵庫県の淡路
島内全ての急性心不全入院患者を後ろ 向きに登録したレジストリーである。
WRFは入院時と比較して、入院中の血清クレアチニンが 0.
3mg/dL以上に上昇するもの
と定義した。また、退院時のうっ 血残存の定義は以下の項目のうち、いずれか 1つ以上を
満たす症例とした(①身体所見での起坐呼吸、肺ラ音、下腿浮腫の存在、②入院時と比較
して脳性ナトリウム利尿ペプチド (BNP) の減少が 30%未満、③胸部 X 線での胸水貯留)。
主要評価項目は心血管死および心不全再入院とし 、平均観察期間は 2年であった。

結果)対象患者の平均年齢は 8
0
.
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.
4歳であった。男性が 5
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8%で NYHA (NewYo
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あった。
まずは退院時のうっ血残存と WRF の予後に与える影響をそれぞれ検討した。退院時の
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%)に認め、有意に予後に悪影響を与えた (
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こちらも有意に予後に悪影響を与えた (HR,1
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次に、退院時のうっ I
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l残存と WRFに関してそれぞれの有無別に 4群に分けて予後に与
える影響を検討した。最も予後が良好であったのはうっ 血残存も WRF も認めない群で、
最も予後が不良であったのはうっ血残存も WRFも認める群であった。
0歳を境界に、 80歳以上の高齢群と 79歳
続いて、レジストリーデータの平均年齢である 8
以下の非高齢群に分けて WRFの予後に与える影態を検討したところ、 80歳以上の高齢群
.74;95%CI
,1
.
1
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7;
ではうっ血の解除下でも、 WRFを来すと予後に悪影響が出たが (HR,1
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4)。さらに、単変量および多変量解析で主要評価項目

の予測因子を検討したところ、 80歳以上の高齢群ではうっ血残存と WRFの両方が独立し
.
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2
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.
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01
)、79歳以下の非高齢群では WRFではなく、うっ血の残存が
独立した予後規定因子であった (HR
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.
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0
;P
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0
.
0
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)。

考察】急性心不全患者において、うっ血残存は予後不良因子であり、うっ血の解除が重
要なのは議論の余地がない。しかし、 WRFに関しては、独立した予後規定因子であるとい
う報告が多いが、予後に影態はないとする報告もあった。この解離した結果に 一石を投じ
2年に Metraらが報告した論文で、これは WRFに加えて、うっ血の有無も考
たのは、 201
慮した内容であった。患者の平均年齢は 69歳と比較的若年であるものの、うっ血の解除下
では WRFを来しても予後に影響はないという報告であった。以降、 W即の予後に与える
影響に関しては、うっ血残存の有無も考慮した統合解析がなされるようになり、現在のと
ころ、うっ血残存は一貫して心不全患者の予後不良因子であるが、 WRFに関してはうっ血
が解除されていれば予後不良因子とはならないという趨勢である。しかし、これらの統合
解析結果の基となった研究の対象年齢は平均で 6
5
7
5歳と比較的若年であるため、より高
齢者での WRFの予後に与える影響に関しては不明である。
0
.
2歳と先行研究よりも高齢であった。そして結果に関して
今回の研究の平均年齢は、 8
は、退院時の うっ 血残存も WRF もいずれも予後不良因子であり、うっ血の解除下では、
WRF は予後に影響を与 えないとする従来の統合解析と反する結果であ った。 しかしなが
ら、本研究の多変量解析結果より、 80歳以上ではうっ血の残存と WRFの両方が独立した
予後規定因子であったが、 79歳以下では WRFではなく、うっ血の残存が独立した予後規
定因子であったということがわかり、今回の研究は WRFが予後に影密を与える 80歳以上
の高齢者がより多く含まれていたため、このような結果になったと考えられる。このよう
に、うっ 血の残存は年齢に関わらず心不全患者の独立した予後規定因子であったが、 WRF
に関しては予後に与える影響が年齢によって異なることが今回の研究で新たに判明した。
年齢により WRF の予後に与える影響が異なる詳細な機序は不明であるが、年齢による腎
予 備能の 差 が 原 因 で は な い か と 推 察 し て い る。腎予 備 能 は 負 荷 時の GFR (gl
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) とベース ラインの GFRの差で示されるが、機能的ネフロンの減少に伴い、
腎予備能は線形に低下することが知られている。今回の研究では腎予備能の評価は出来て
いないが、 80歳以上の高齢群では 79歳以下の非高齢群に比べて、ベースラインの eGFR
が有意に低下しており (
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、WRFの発症頻度も有意に多か った
(36.0%v
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8
.
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,P=0
.
0
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)。これらの結果から 、80歳以上の高齢群では、 79歳以下の非高
齢群よりも、腎予備能が低下している可能性があり、そのため WRFが有意に予後に影響
を与えたと考えられた。
今後、本邦のみならず世界的にも高齢心不全患者が増大することが予想されている。急
性心不全患者の治療戦略を立てる 上で、年齢を考慮することの重要性が示された。すなわ

、 79歳以下の非高齢者ではうっ血解除を最優先に急性期の治療をすることが重要、 80
歳以上の高齢者ではうっ血解除だけでなく WRFを意識して治療することが重要になる。

結論 】うっ血の解除と WRFの予後に与える影響は年齢によって異なり、増加する 80歳
以上の超高齢者急性心不全患者では、 うっ 血の解除と WRFの回避の両方が重要である 。
本研究は高齢者心不全患者のうっ血残存の WRFへの影響を明らかにした点で、重要な知
見を得たものとして価値ある集積である。博士(医学)の学位を得る資格があると認める。

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