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大学・研究所にある論文を検索できる 「IL-33 Induces Sema4A Expression in Dendritic Cells and Exerts Antitumor Immunity」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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IL-33 Induces Sema4A Expression in Dendritic Cells and Exerts Antitumor Immunity

菅, 泰彦 大阪大学

2021.10.31

概要

〔目的(Purpose)〕
近年、癌の治療においては、癌免疫療法が、新しい標準的な治療法として確立されている。しかし、免疫チェックポイント阻害剤などの加療は、自発的に抗腫瘍免疫応答が生じて、かつ免疫細胞が腫瘍局所に豊富に存在している、いわゆるhotな腫瘍環境においてのみ有効であるため、その奏功率と延命効果は依然として不十分である。免疫療法の有効性を改善するための1つの戦略として、腫瘍環境をcoldからhotに変換することが重要だと考えられている。腫瘍環境を調整する可能性のあるアジュバントまたは適切なサイトカインを用いて抗腫瘍免疫を積極的に促進することは、そのような試みの一つであり、我々は、そのような可能性を持つサイトカインとして、IL-33に務目した。IL-33は近年、腫瘍に対しての役割が注目されてきたサイトカインであるが、どのような状況で抗腫瘍免疫応答を最大限発揮するのかはいまだ不明である。肺癌細胞モデルにおいてIL-33の果たす役割を解明することを目的とした。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
IL-33の抗腫瘍効果の根本的なメカニズムを探索する自的で、ATCCより購入したマウス肺癌細胞株しLCと同系マウスのBL6/Jを使用してかin vitroおよびin vivo実験を実施した。結果として、IL-33は、細胞障害性T細胞(CTL)でのIFNγ産生をアップレギュレートすることにより腫瘍増殖を有意に阻害していることが確認された。また、腫瘍環境中のIL-12もmRNAレベルで上昇しており、IL-33投与有無でのsplenic DCのRNAseqを施行し、動きのある分子を確認した。結果、DCにおいてIL-12発現上昇は認めなかったものの、セマフォリン4A(Sema4A)の有意な上昇を確認した。また、脾臟・流入リンパ節・腫瘍環境から回収した各種細胞をFCMで解析した結果では、CD8T及びDCでSema4Aの上昇が認められ、活性化の指標となる可能性が示唆された。

セマフォリンは、膜結合タンパク質または分泌タンパク質を含むタンパク質ファミリーであり、配列の類似性と構造的特徴に基づいて8つのクラスに分類される。セマフォリンは、発達、免疫、および炎症や癌を含むさまざまな病気で役割を果たす。これらのうち、SEMA4Aは、血管新生、免疫応答、癌など、複数の生理学的および病理学的状況に関与している。Sema4AはDCの表面に多く発現する分子で、T cellの活性化に重要な分子であることが分かっている。Sema4A KOマウスを用い、WTマウスと同様の実験を行ったところ、IL-33の抗腫瘍効果はSema4A KOマウスでは消失した。WTマウスとSema4A KOマウスのdata比較により、IL-33がDCのSema4A発現を誘導し、CD8Tを活性化することを確認した。我々は過去に、Sema4A-PlexinB2 axisを介してSema4AがCD8Tを活性化することを報告しており、その機序が考えられた。腫瘍環境においては活性化したCD8TはDCとinteractionし、活性が増強することもわかっており、腫瘍局所のIL-12上昇が説明された。腫瘍微小環境において、IL-33誘導性のDCのSEMA4A上昇が起こり、CD8Tを活性化するメカニズムは新規の発見であり、論文報告した。

〔総括(Conclusion)〕
IL-33は、樹状細胞のSEMA4A発現を誘導し、抗腫瘍効果を示す。

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