書き出し
緩和医療におけるチーム医療の効果 (第121回成医会葛飾支部例会)
概要
大腸癌は,世界で毎年100万人以上の人々が発症し,死者数は1990年に49万,2010年には約715,000人と倍増した。日本では女性のがんの死亡率の1位,男性では3位を占めていたが,近年,胃癌を追い越し肺癌についで2位となっている.USAにおいても,3番目に多い癌腫で,癌死の原因としては2番目に多く,生涯に大腸癌に罹患する確率は約7%と報告されている(Wikipedia)。
日本における大腸癌治療は,1973年に設立された大腸癌研究会がリードし,大腸癌の診断・治療の進歩を図ることを目的として,日本の大腸癌の研究・診療を牽引した。近年では,長年世界の治療をリードしてきた欧米のASCO,ESMOとのデバイス・ドラッグラグも解消され、大腸癌治療ガイドラインが治療指針の主体となっている。
今回は,ガイドラインの変遷を解説するとともに,一外科医として,その変遷の中で何に興味を覚え研究・検討してきたか?を,報告する。