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配位高分子ガラスを用いたイオン伝導体合成

堀毛, 悟史 京都大学

2023.03

概要

令和 4 年度

京都大学化学研究所 スーパーコンピュータシステム 利用報告書
配位高分子ガラスを用いたイオン伝導体合成
Synthesis of ion conductive coordination polymer glasses
京都大学 高等研究院 物質-細胞統合システム拠点 堀毛 悟史

研究成果概要
本研究では、京都大学化学研究所スーパーコンピュータシステムによるフォノン計算から、
イオン伝導性を示す配位高分子(Coordination polymer、以下 CP)ガラスのイオン伝導特性と
格子振動の相関の解明を目的とした。
CP は金属イオンと架橋配位子の自己集積から形成される結晶性材料である。これまで結晶
相における構造や機能性の評価が中心であったが、近年では融解挙動や機械的刺激により、
ガラス状態を示す CP 群が見出された。結晶とは異なる分子・イオンの運動性を示すことから、
イオン伝導をはじめとした機能が注目されている。
本研究では、リチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとスクシノニトリルから、
[Li(TFSI)(SN)1.5]; TFSI = bis(trifluoromethanesulfonyl)imide, SN = succinonitrile (CP-1) を合
成し、単結晶 X 線構造解析により結晶構造を同定した。熱重量分析、熱量分析、放射光 X 線
全散乱測定から、CP-1 は融解に伴いガラス状態を示すことを明らかにした。ニトリル系の配位
子はリチウムイオン(Li+)と相互作用が一般的な配位結合と比べ小さいことが予想される。そこ
で、ガラス状態の CP-1 における Li+の運動性を調べるために、アルゴン雰囲気下の温度可変
交流インピーダンス測定を実施した。CP の構成要素として配位子に架橋されているにも関わ
らず、ガラス状態の CP-1 は室温において 3.5×10−5 S cm−1 の高い Li+伝導を示すことが分かっ
た。この特徴的な Li+の運動性を理解するために、ニトリル系配位子の柔軟性を系統的に変化
させながら結晶 CP を合成した。配位子の柔軟性に応じて、異なる融点・ガラス転移点・Li+伝
導特性が得られた。CP 構造と物性の相関関係を理解するために、スーパーコンピュータを用
いたフォノン状態密度計算を行ったところ、格子振動が大きくなるにつれて、Li+伝導度も向上
することが分かった。
本研究では、ガラス状態の CP が特異的な Li+の運動性を示すことを明らかにした。全固体リ
チウムイオン電池の材料等への応用も期待でき、現在は論文の投稿準備を進めている段階で
ある。 ...

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