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大学・研究所にある論文を検索できる 「T-LAK Cell-Originated Protein Kinase (TOPK) inhibitor induces tumors suppression of the growth in xenograft models of human gliom」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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T-LAK Cell-Originated Protein Kinase (TOPK) inhibitor induces tumors suppression of the growth in xenograft models of human gliom

髙 正圭 富山大学

2020.03.24

概要

〔目的〕T-LAK cell-origitanted protein kinase (TOPK)はp38MAPKをリン酸化するMAP Kキナーゼであり、in vitroにおいて神経前駆細胞では細胞周期依存性に活性化される。TOPKは、精巣や胎児組織以外では正常組織に発現していないものの、数多くの悪性腫瘍に発現し、その予後と相関していることが報告されている。我々のグループは以前にTOPKの発現量と生命予後に相関があること、TOPK阻害剤 (OTS964)が悪性神経膠腫の細胞株の増殖を抑制することを報告した。今回我々の目的はは悪性神経膠腫皮下腫瘍モデルを用いてin vivoにおけるOTS964の腫瘍増大抑制効果を明らかにすることである。

〔方法並びに成績〕U87悪性神経膠腫細胞を右大腿部に皮下注射し皮下腫瘍モデルを作成した。腫瘍容積が200 mm3に達したモデルに対してOTS964を経口投与することとした。投与群は(1) vehicle群(n=6)、(2) OTS964 25 mg/kg 群(n=6)、(3) OTS964 50 mg/kg 群(n= 10)の3群に分け14日間連日投与した。投与終了後、14日間の観察期間を設け、その後組織学 的検討を行うため犠死させ組織を採取した。投与期間中のOTS964における腫瘍への影響を検討すべく、新たにOTS964 25mg/kg (n=3)を設定し、7日間連日投与し、投与後に犠死させ組織を採取した。OTS964投与終了時点においてvehicle群は531.1±155.6 %の腫瘍増大をきたした一方で、OTS964 25 mg/kg群と50 mg/kg群はそれぞれ304.6±76.5 %,および225.4±50.4 %でそれぞれ有意に腫瘍増大抑制効果を発揮していた (P<0.01)。OTS964投与終了後、各群とも腫瘍は増大するものの、投与終了14日目においてもOTS964 50 mg/kg群はveh icle群に比べ有意に腫瘍増大が抑制されていた (P<0.01)。免疫組織学的検討の結果、リン酸化TOPK陽性率はvehicle 5.7±0.7 %、OTS964 25 mg/kg 3.4±0.7 %、OTS964 50 mg/kg群 2.6±1.1 %で、OTS964により自己リン酸化が有意に抑制されていた (P<0.01)。リン酸化His tone H3陽性率はvehicle 4.5±1.0 %、OTS964 25 mg/kg 3.2±0.5 %、OTS964 50 mg/kg群 2.4±0.7 %で自己リン酸化と同様有意にリン酸化が抑制されていた(P<0.01)。Ki-67陽性率はvehicle 53.9±2.6 %、OTS964 25 mg/kg 40.6±4.6 %、OTS964 50 mg/kg群 35.4±1.9 %でOTS 964により腫瘍増殖能が有意に抑制されていた。アポトーシス発現変化に関して、OTS964投与期間中犠死させ組織を採取した群はCleaved caspase-3陽性率は1.1±0.3%で他の群よりその発現率が有意に高くOTS964投与中に腫瘍のアポトーシス誘導を確認した (P<0.01)。

〔総括〕本研究で、ヒト悪性神経膠腫皮下腫瘍モデルにおいて新規TOPK阻害剤OTS964が腫瘍増大抑制効果を発揮したことを示した。また、免疫組織学的検討により、OTS964はリン酸化・自己リン酸化を抑制し、腫瘍増殖能を抑制していたことを示した。投与期間中、OTS964は腫瘍をアポトーシスに誘導し、腫瘍増大抑制効果を発揮していた。悪性神経膠腫の新たな治療オプションになり得る可能性が示唆された。

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