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書き出し

アディポネクチン受容体作動薬AdipoRonの椎間板変性に対する抗炎症作用

大西, 洋輝 神戸大学

2023.09.25

概要

Kobe University Repository : Kernel
PDF issue: 2024-05-02

Anti-Inflammatory Effects of Adiponectin
Receptor Agonist AdipoRon against
Intervertebral Disc Degeneration

大西, 洋輝
(Degree)
博士(医学)

(Date of Degree)
2023-09-25

(Resource Type)
doctoral thesis

(Report Number)
甲第8717号

(URL)
https://hdl.handle.net/20.500.14094/0100485901
※ 当コンテンツは神戸大学の学術成果です。無断複製・不正使用等を禁じます。著作権法で認められている範囲内で、適切にご利用ください。

(課程博士関係)

学位論文の内容要旨

Anti-Inflammatory Effects of Adiponectin Receptor Agonist AdipoRon
against Intervertebral Disc Degeneration
アディポネクチン受容体作動薬 AdipoRon の椎間板変性に対する抗炎症作用

神戸大学大学院医学研究科医科学専攻
整形外科学
(指導教員:黒田 良祐教授)
大西 洋輝

【目的】
腰痛は有訴率が高く、また社会的・経済的にも非常に大きな問題となっている世界的な健康問
題である。腰痛の原因として様々な要因が報告されているが、椎間板変性は主要な要因の一つで
ある。椎間板変性の機序や腰痛を生じさせる病態の解明とそれに基づいた椎間板機能を温存する
低侵襲治療の開発が強く望まれており、遺伝子導入や幹細胞移植、成長因子の投与などの様々な
生物学的治療法の有効性が日々研究されている。椎間板は髄核、周囲を囲む線維輪、そしてこれら
と脊椎椎体を隔てる軟骨終板で構成される人体最大の無血管組織である。その特殊な組織構造の
ために栄養供給の大部分は軟骨終板を介した椎体からの拡散に頼っている。そのため、加齢や機
械的ストレス、遺伝的要素などに伴う軟骨終板の硬化・軟骨下骨の石灰化により栄養供給の低下
が生じ、細胞外基質代謝の不均衡、椎間板細胞死さらに椎間板変性を引き起こす。
椎間板の細胞外基質代謝において変性椎間板は炎症性サイトカインを放出し、炎症性サイトカ
インはさらに細胞外基質異化因子の発現を誘導する。つまり椎間板変性において、椎間板細胞外
基質代謝バランスは異化優位の状態となっている。このため本論文のコンセプトはこの基質代謝
異化を抑制することを目的とした。そこで我々はアディポネクチン受容体作動薬である AdipoRon
に注目した。アディポネクチンは脂肪細胞から放出されるアディポサイトカインの一つであり抗
糖尿病効果、抗動脈硬化効果、抗炎症効果を有することが知られている。また近年椎間板髄核細胞
への投与により炎症性サイトカイン発現の抑制が報告されている。近年アディポネクチン受容体
へ選択的に作動する経口薬である AdipoRon が発見され、様々な研究に応用されている。しかし
AdipoRon 投与が椎間板変性、また炎症条件下で及ぼす影響について検討はなされておらず、また
AdipoRon を椎間板へ用いた動物実験の検討もされていない。本研究の目的は AdipoRon の臨床
応用を目指し、AdipoRon 投与がヒト椎間板細胞の細胞外基質代謝に与える影響を検討すること、
またラット椎間板変性モデルを用いて椎間板変性治療の可能性について検討することである。
【方法】

細胞実験では腰椎変性疾患の手術時に採取したヒト椎間板髄核組織(n=22、年齢 16-70 歳)を
用いた。椎間板髄核細胞への AdipoRon の投与効果を検証すべく、髄核細胞を三次元培地 Tapered
Soft Stencil for Cluster Culture(TASCL )へ 1.0×10⁶個/TASCL ずつ播種し、48 時間後に
AdipoRon(2 μM)または炎症刺激として IL-1β(10 ng/ml)もしくはその両者を投与した。細
胞外基質(aggrecan、type II collagen)
、細胞外基質異化因子(MMP-13、ADAMTS-4)、炎症性サ
イトカイン(TNF-α、IL-6)を RT-PCR で評価した。さらに細胞外器質異化因子、炎症性サイト
カインは蛍光免疫染色、ウエスタンブロット(WB)法を用いて追加評価した。コントロール群、
AdipoRon 単独投与群、IL-1β単独投与群、AdipoRon/IL-1β共投与群の 4 群で比較した。さらに
同様に作製した 4 群間で AMPK/NF-kB 経路である AMPK、p65 のリン酸化(p-AMPK、p-p65
の発現)を WB 法で比較した。
動物実験では 12 週齢雄 Sprague-Dawley ラット尾椎を 20G 針で穿刺して変性椎間板モデル
(穿刺群)を作製し、穿刺後 AdipoRon(2 μM/2 μL)投与群、穿刺後 PBS(2 μL)投与群を作
成した。また 20G 針による穿刺変性群と比較するため 33G 針による AdipoRon(2 μM/2 μL)

単独投与群、そしてコントロール群を作成し、4 群間で経時的(n=6、投与後 2 週、4 週)に単純
X 線撮影を行い、椎間板高を比較した。またサフラニン-O を染色行い、椎間板変性度を組織学的
に比較し、蛍光免疫染色を行い細胞外基質異化因子(MMP-13、ADAMTS-4)、炎症性サイトカイン
(TNF-α、IL-6)および AMPK/NF-kB 経路のリン酸化(p-AMPK、p-p65)の発現度を比較した。
【結果】

細胞実験:RT-PCR では細胞外基質である aggrecan、type II collagen は IL-1β単独投与群で
、AdipoRon/IL-1β共投与群
はコントロール群と比較して有意な発現低下を認めたが(P < 0.01)
で発現低下の改善は認めなかった。また IL-1β単独投与群ではコントロール群と比較して MMP13、ADAMTS-4、TNF-α、IL-6 の有意な発現増加を認めたが、AdipoRon/IL-1β共投与群では IL1β単独投与群と比較して MMP-13、ADAMTS-4、TNF-α、IL-6 の発現増加の有意な抑制を認め

た(P < 0.05)
細胞外基質異化因子、炎症性サイトカインについて蛍光免疫染色、WB 法でも検討し、同様の結果
が得られた。WB 法において AdipoRon 単独投与群、AdipoRon/IL-1β共投与群は IL-1β単独投
。また IL-1β単独投与群と比較
与群と比較して p-AMPK の有意な発現増加を認めた(P < 0.01)

して AdipoRon/IL-1β共投与群は p-p65 の有意な発現抑制を認めた(P < 0.01)
動物実験:20G 針で穿刺した 2 群(穿刺後 PBS 投与群、穿刺後 AdipoRon 投与群)はコントロ
、組織学的にも有
ール群と比較して穿刺後 14 日、28 日とも有意に椎間板高は低下し(P < 0.01)
。穿刺後 28 日では穿刺後 AdipoRon 投与群は穿刺後
意に椎間板変性の進行を認めた(P < 0.01)
、組織学的な椎間板変性の有
PBS 投与群と比較して有意に椎間板高の低下は抑制され(P < 0.01)
。33G 針による AdipoRon 単独投与群は椎間板高、組織学的な
意な進行抑制を認めた(P < 0.05)
変性ともにコントロール群と有意な変化は認めなかった。蛍光免疫染色法では TNF-α、IL-6、
ADAMTS-4、MMP-13、p-p65 の発現は穿刺後 14 日で穿刺後 PBS 投与群、穿刺後 AdipoRon 投
、AdipoRon 単独投与群は
与群ともにコントロール群と比較して有意に高値であった(P < 0.01)
コントロール群と比較して発現に有意差を認めなかった。一方で穿刺後 28 日では MMP-13、
ADAMTS-4、TNF-α、IL-6、p-p65 の発現は、穿刺後 PBS 投与群と比較して穿刺後 AdipoRon
。また AdipoRon 単独投与群、穿刺後 AdipoRon 投与群
投与群は有意に低値であった(P < 0.01)
は穿刺後 14 日、28 日ともにコントロール群、穿刺後 PBS 投与群と比較して有意に p-AMPK の

発現が増加していた(P < 0.01)
【考察】

本研究は AdipoRon 投与による椎間板細胞への抗炎症効果を細胞実験・動物実験を通して証明
した初めての研究である。細胞実験では三次元培養下髄核細胞へ AdipoRon を投与することで細
胞外基質異化因子、炎症性サイトカインの発現抑制を認めた。動物実験では AdipoRon はラット
尾椎を用いた椎間板変性モデルにおいて、椎間板高の低下および椎間板変性を抑制した。また
AdipoRon は椎間板変性による細胞外基質異化因子、炎症性サイトカインの発現低下を抑制した。
細胞実験および動物実験とも炎症条件下において AdipoRon は AMPK/NF-kB 経路の AMPK の
リン酸化を促進させ、p65 のリン酸化を抑制することで抗炎症作用をもたらし、椎間板変性の抑

制に繋がる可能性が示唆された。
本研究にはいくつかの限界がある。第一に我々は椎間板変性細胞に対して炎症条件下のみでし
か検討していない。第二に本研究では動物実験において AdipoRon 投与濃度を単一濃度のみ採用
している。第三に動物実験において変性モデル作成と同時に AdipoRon を投与しており、他の投
与タイミングを検討していない。今後、AdipoRon が効果を発揮する最適な条件を明らかにするこ
とが必要である。
【結語】

AdipoRon は椎間板に対し抗炎症効果を有し、椎間板変性を抑制することが示された。AdipoRon
は椎間板変性抑制への新たな治療戦略となり得る。

神戸大学大学院医学(
系)
研究科(博士課程)


甲 第 3306号



の 要旨


受付番号

文 審 査 の 結果

大西洋輝

An
t
i
I
n
f
l
amma
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o
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論文題 目

Ti
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l
eof

アディポネクチン受容体作動薬 Ad
i
poRonの
椎間板変性に対する抗炎症作用

Di
s
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審査委員

Exam
i
ner

主 査
Ch
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ner
副 査

Vi
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ner
副 査
Vi
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e・
exami
ner

叶l
p
犀長

五7
、手合
砂ーと 伐 q

(要旨は 1
, 00 0字∼ 2, 0 00字程度)

【目的 】腰痛は有訴率が高く、社会的 ・経済的にも非常に大きな問題となっている。椎間板変性は
腰痛の主要な要因の一つで、病態の解明とそれに基づいた椎間板機能を温存する低侵襲治療の開発
が強く望まれている。椎間板は髄核、周囲を囲む線維輪、そしてこれらと脊椎椎体を隔てる軟骨終
板で構成される人体最大の無血管組織である。その特殊な組織構造のために栄養供給の大部分は軟
骨終板を介した椎体からの拡散に頼っている。そのため、加齢や機械的ストレス、遺伝的要素など
に伴う軟骨終板の硬化 ・
軟骨下骨の石灰化により栄養供給の低下が生じ、細胞外基質代謝の不均衡、
椎間板細胞死さらに椎間板変性を引き起こす。
椎間板の細胞外基質代謝において変性椎間板は炎症性サイトカインを放出し、炎症性サイトカ
インはさらに細胞外基質異化因子の発現を誘導する。つまり椎間板変性において 、椎間板細胞外基
質代謝バランスは異化優位の状態となっている。アディポネクチンは脂肪細胞から放出されるアデ
ィポサイトカインの一つであり抗糖尿病効果、抗動脈硬化効果、抗炎症効果を有することが知られ
ている。また椎間板髄核細胞への投与により炎症サイトカ イ ン発現の抑制が報告されている。近年
i
poR
o
nが発見され、様々な研究に応
アディポネクチン受容体へ選択的に作動する経口薬である Ad
用されている。しかし Ad
i
poRon投与が椎間板変性、また炎症性条件下で及ぼす影響について検討
はなされておらず、また Ad
i
poRonを椎間板へ用いた動物実験の検討もされていない。本研究の目
的は Ad
i
p
oRonの臨床応用を目指し、 Ad
i
po
Ron投与がヒト椎間板細胞の細胞外基質代謝に与える
影響を検討すること、またラット椎間板変性モデルを用いて椎間板変性治療の可能性について検討
する ことである。
【方法】 細胞実験では腰椎変性疾患の手術時に採取したヒト椎間板髄核組織 (
n=22、年齢 1
6
7
0
歳)を用いた。椎間板髄核細胞への Ad
i
p
oRonの投与効果を検証すべく、髄核細胞を三次元培地

Ta
pe
r
e
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i
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TASCL )へ 1
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/TAS
CLずつ播種し、 48時間
i
p
oRon(
2 μM)または炎症刺激として IL
1{
3(
1
0ng
/
m
l
)もしくはその両者を投与した。
後に Ad

g
r
e
can、t
ypeI
Ic
o
l
l
a
g
en
)、細胞外基質異化因子 (MMP-13、ADAMTS-4
)
、炎症性
細胞外基質( ag
TNF-o
:
、 I
L
6)を RT-PCRで評価した。さらに細胞外器質異化因子、炎症性サイ
サイトカイン (
トカインは蛍光免疫染色、ウエスタンブロット (WB)法を用いて追加評価した。コントロール群、

Ad
i
p
oRon単独投与群、 I
L
1{3単独投与群、AdipoRon
/
IL1{3共投与群の 4群で比較した。 さらに
K/
NFkB経路である A M
PK、p65のリン酸化(p-AMPK、p・p65
同様に作製した 4群間で AMP

の発現)を W B法で比較した。動物実験では 1
2週齢雄 Spr
ag
ue・
Da
wl
e
yラッ ト尾椎を 20
G針で
穿刺して変性椎間板モデル(穿刺群)を作製し、穿刺後 Ad
i
po
Ro
n(
2 μM/
2 μL
) 投与群、穿刺
後 PBS(2 μL
)投与群を作成した。また 20
G 針による穿刺変性群と比較するため 33G針による

Ad
i
p
oRon (
2 μM/
2 μL)単独投与群、コントロール群を作成し、 4群間で経時的 (
n=6、投与
、 4週)に単純 X 線撮影を行い、椎間板高を比較した。またサフラニン
後 2週

oを染色行い、椎

3、AD
AMTS-4
)、
間板変性度を組織学的に比較し、蛍光免疫染色を行い細胞外基質異化因子 (MMP-1
TNF-o
:
、 I
L
-6
)
および A M
PK/NF
-kB経路のリン酸化(
p・AM
PK、p・p65
)
の発
炎症性サイトカイン (
現度を比較した。

【結果】 細胞実験: RT
PCRでは細胞外基質である a
g
g
r
e
can、typeI
Ic
o
l
l
ag
enは I
L
1{3単独投与
群ではコントロール群と比較して有意な発現低下を認めたが (P<0
.
0
1)
、Ad
i
poRon
/
IL1f3共投与

1{3単独投与群ではコントロール群と比較して
群で発現低下の改善は認めなかった。 また IL
MMP-13、ADAMTS-4、TNFe
t
:
、 I
L
6の有意な発現増加を認めたが、 Adi
p
o
R
o
n
/
I
L
1{3共投与群
1f3単独投与群と比較して MMP1
3、AD
紅v
l
T
S
4、T
N
F
・ a、I
L
6の発現増加の有意な抑
では IL
制を認めた (P<0
.
0
5)

細胞外基質異化因子、炎症性サイトカインについて蛍光免疫染色、 W B法でも検討し、同様の結果
が得られた。 W B法において Ad
i
poRon単独投与群、Ad
i
po
R
o
n
/
I
L
1f3共投与群は I
L
1{3単独投与
P<0
.
01)
。 また I
L
1{3単独投与群と比較して
群と比較して p-AMPKの有意な発現増加を認めた (

Ad
i
poRo
n/
IL1f3共投与群は p・
p65の有意な発現抑制を認めた (
P<0
.
0
1)

動物実験: 20G針で穿刺した 2群(穿刺後 PBS投与群、穿刺後 Ad
i
poRon投与群)はコントロ
ール群と比較して穿刺後 1
4日
、 28日とも有意に椎間板高は低下し (P<0
.
0
1)
、組織学的にも有意

.
0
1)
。穿刺後 28日では穿刺後 Ad
i
p
oRon投与群は穿刺後 PBS
に椎間板変性の進行を認めた (P<0
投与群と比較して有意に椎間板高の低下は抑制され (
P<0
.
0
1
)、組織学的な椎間板変性の有意な進
P<0.
05)
。33G針による Ad
i
poRon単独投与群は椎間板高、組織学的な変性とも
行抑制を認めた (

にコントロール群と有意な変化は認めなかった。蛍光免疫染色法では TNF-e
t
:
、 IL
6、ADAMTS-4、

MMP-13、p・
p65の発現は穿刺後 1
4日で穿刺後 PBS投与群、穿刺後 Ad
i
poRon投与群ともにコン
P<0
.
0
1)、AdipoRon単独投与群はコントロール群と
トロール群と 比較して有意に商値であった (

比較して発現に有意差を認めなかった。一方で穿刺後 28日では MMP-13、ADAMTS4、TNF-e
t
:


IL6、p・
p65の発現は、穿刺後 PBS投与群と比較して穿刺後 Ad
i
poRon投与群は有意に低値であっ
た (
P<0
.
0
1)
。また Ad
i
poRon単独投与群、穿刺後 Ad
i
poRon投与群は穿刺後 1
4日
、 28日ともに
コントロール群、穿刺後 PBS投与群と比較して有意に p・AMPKの発現が増加していた (P<0
.
01)


考察】Ad
i
poRon投与 による椎間板細胞への抗炎症効果が細胞実験・動物実験を通して初めて証
明された。細胞実験では三次元培養下髄核細胞へ Ad
i
poRonを投与する ことで細胞外基質異化因子

炎症性サイトカインの発現抑制を認めた。動物実験では Ad
i
poRonはラット尾椎を用いた椎間板変
性モデルにおいて、椎間板高の低下および椎間板変性を抑制した。また Ad
i
poRonは椎間板変性に
よる細胞外基質異化因子、炎症性サイトカインの発現低下を抑制した。細胞実験および動物実験と
i
poRonは AMP
K/N
F-kB経路の AMPKのリン酸化を促進させ、p65の
も炎症条件下において Ad
リン酸化を抑制することで抗炎症作用をもた らし、椎間板の変性の抑制に繋がる可能性が示唆され
た。
本研究は、 Ad
i
poRonが椎間板に対 し抗炎症効果を有し、椎間板変性を抑制す るこ とを示 した。

AdipoRonが椎間板変性抑制への新たな治療戦略となり得る可能性が示 された価値ある業績である
と考える 。 よって本研究者は、博士(医学)
の学位を得る資格があると認める 。

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