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大学・研究所にある論文を検索できる 「Molecular Developmental Analysis of the Unique Development of a One-leaf Plant in the Genus Monophyllaea」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Molecular Developmental Analysis of the Unique Development of a One-leaf Plant in the Genus Monophyllaea

木下, 綾華 東京大学 DOI:10.15083/0002006718

2023.03.24

概要

論文審査の結果の要旨
氏名

木下

綾華

本論文は4章からなる。第1章は博士論文全体の序論であり、研究の背景として、
本研究の対象であるモノフィレア属の特異なシュート形態形成について、その特徴
と研究の歴史、未解決の問題がまとめられている。そして、子葉の不等性と分裂組
織の性状に関わる分子機構の解析が、本研究で取り組む課題として示されている。
第2章では、モノフィレア属の1種、Monophyllaea glabra(M. glabra)につい
て、このモノフィレアが示す特殊な発生様式の一つ、発芽直後に起きる2枚の子葉
間で起きる競合に焦点を絞った解析が述べられている。M. glabra は発芽後、2枚
の等サイズの子葉が競争の結果、成長を永続的に続ける大子葉と、成長を止める小
子葉とに分化する。その分化を左右する因子について解析がなされ、植物ホルモン
のオーキシンとサイトカイニンの関与が示された。また、競合の結果として小子葉
に運命づけられた側の子葉は、発生を完全に停止すると思われてきたが、本研究の
結果から、成長能力は維持されており、サイトカイニン投与に応じて成長を再開で
きることが明らかになった。
第3章では、M. glabra の大子葉が通常の植物と異なりなぜ永続的に発生を続け
られるのか、また通常の植物ならば永続的に発生を続けつつ新しい器官を形成する
シュート頂分裂組織(SAM)はどうなってしまったのか、というこれまで長らく疑
問とされてきた点を解明するための分子生物学的なアプローチについて述べられて
いる。初めて本研究により M. glabra の各組織から mRNA プロファイルが決定さ
れ、そのデータをもとに、通常の植物での SAM および葉原基の活性を制御する遺
伝子群の発現が調べられた。その一環として、新たに whole mount での in situ 解
析の実験系が確立され、空間的発現パターンの解析も行われた。その結果、M. glabra
の大子葉の基部にある2つの分裂組織は、SAM および葉原基の性格をキメラ状に
持つ極めて特殊な分裂組織であることが判明した。
第4章は総合考察および展望であり、本研究の成果の要点と意義、今後の研究の
展開などが論じられている。
以上の成果は、モノフィレアの特異な発生様式の背景にある生理学的また分子遺
伝学的なメカニズムを理解する上で、突破口を切り開いたものと評価される。また
これらの成果はモノフィレアに留まらず、広く種子植物一般のシュート形態形成の
仕組みの理解にも大きく貢献するものであり、その点でも学術的意義の高い研究と
認められた。本論文は明快な英語で書かれており、第1章の一部、また第3章の一

1

部がすでに国際誌に公刊されていることからも、英文での論文執筆能力も確認でき
た。また、データの処理が適正に行われており、正確な図表で示されていること、
関連する文献が不足なく適切に引用されていることを確認した。
なお、本論文第2章・3章は、東京大学大学院理学系研究科の古賀皓之、塚谷裕
一との共同研究であるが、いずれも論文提出者が主体となって立案及び解析を行な
ったもので、論文提出者の寄与が十分であると判断する。
したがって、博士(理学)の学位を授与できると認める。

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