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[研究トピックス]飛騨DST共同利用報告 : 新AOシステムのテストと校正

三浦, 則明 松田, 侑也 朝井, 健太 菅尾, 竜司 京都大学

2023.04

概要

11.3 飛騨 DST 共同利用報告
新AOシステムのテストと校正
我々は飛騨天文台ドームレス太陽望遠鏡(DST)用の補償光学系(AO) の開発を進めて
いる。2022 年度には、さらなる高性能化のためAOシステム中のハードウェアの更新を行
い、そのテストを実施すること、および新システムでの観測像の像質を最適化するため、校
正作業を行うことを目的として、2022年9月に観測を実施した。
システムの更新は以下の3点で行った。(a)従来使用してきたPhotoron社製IDP-express
R2000カメラを、Optronis社製のCP70-1-M-1000カメラに置き換えた。これによって、サブア
パーチャ(SA)当たりの画素数を増やすと共に、フレームレートも向上させることができた。
従来のカメラでは256x256画素で2000fpsであったものが、新カメラでは384x384画素で
4800fpsでの画像取得が可能である。(b)直交配列のマイクロレンズアレイをハニカム配列
のものに変更した。これによって、波面計測に使用するSAの数を52個から66個に増やすこ
とができた。SAの数およびSA当たりの画素数の両方を増やすことで、波面計測精度の向
上を図った。(c)制御用PCをLinuxベースのものに変更した。過去の実験から、これによって
USBを経由での可変形鏡の応答性能が向上することがわかっているので、時間的性能の
改善を目指した。
システムの更新は問題なく終了し、太陽観測でのAO動作を確認できた。観測結果の一
例を図1に示す。水平分光器に設置されたリオフィルターを通して観測したものである。観
測はH centerから少しずらした波長で行った。波面計測のターゲットは中央右の黒点であ
る。AOを動作させた場合(左)は、AOを止めた場合(右)に比較して、細かな構造が見えて
いるのがわかる。一方、AOの効果がはっきりしない観測例もあった。図2は、観測を
G-Bandで行ったものである。波面計測のターゲットは、中央上部の大きな黒点である。AO
あり(左)となし(右)を比較しても、それほど大きく変化しているようには見えない。シ―イン
グ状態は図1に比較して良かったと思われるので、AOの効果がもっと明確に見えてよいは
ずである。この点については、低次の揺らぎ成分が相対的に小さく、AO効果が見えにくか
ったのが原因ではないかと考えている。ただし、この考察については観測による検証が必
要であろう。
システムの校正については、2階水平分光器の焦点面での像の最適化は終了し、図1や
図2に示した観測結果を得ている。1階の垂直分光器については、観測期間後半の天候が
不順であったため校正作業ができなかった。これは次年度に実施する必要がある。

図1 AOの効果がわかりやすい例。AOあり(左)、なし(右)

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図2 AOの効果がはっきりしない例。 ...

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