書き出し
〈Original Papers〉エステラーゼ産生細菌の単離
概要
[要旨]生分解性プラスチックの効率的な分解を目指して、ポリエステノレ系生分解性プラスチック分解菌の単離を試みた。植物葉表面、土壌、自然水などから得られた微生物群を、生分解性プラスチックフィルムの分解を指標としてスクリーニングした結果、プラスチックフィルムを分解できる微生物群がいくつか得られた。それらの中で最も分解能力が高い微生物群YHの中から、最も高いエステラーゼ活性を示す4A株を単離した。16SrRNA遺伝子の塩基配列や抗生物質への耐性とグラム染色の結果から、4A株はStenotrophomonas maltophiliaと判断された。4A株が産生するエステラーゼは、60"Cの熱処理後でも比較的高い活性を維持した。したがって、4A株は生分解性プラスチックの効率的な分解に有用なエステラーゼをコードする遺伝子を持っている可能性が高い。