リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「炎症性腸疾患患者の認識する不確かさと生活の再構築の経験」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

炎症性腸疾患患者の認識する不確かさと生活の再構築の経験

完山, 妙香 大阪大学 DOI:10.18910/90027

2023.03.31

概要

炎症性腸疾患は、病状の再燃と寛解を繰り返す慢性疾患であり、長期にわたる薬物療法や食事療法は生活に大きな影響を及ぼす。本研究では、炎症性腸疾患患者の生活再構築過程を支援する方策を検討するため、治療を受けながら社会生活を送っている炎症性腸疾患患者10名に対し半構造化面接を行い、炎症性腸疾患患者が抱く不確かさと、その不確かさを生活に統合し、生活を再構築する過程を明らかにした。対象者は、【状況が把握できないことによる不確かさ】【医療や治療の不確かさ】【日常生活の不確かさ】【取り除くことのできない漠然とした不確かさ】を抱いており、【不確かさの中で模索する】【自分に合った生活を送るためのスキルを獲得する】【不確かさを受容し生活に統合する】という過程を経て自分らしい生活を獲得していた。医療者は、情報の提供や患者が思いを表出できるような関わりを持ち、表出される患者の思いに寄り添いながら、患者が生活を再構築できるよう支えることが重要である。

参考文献

1)河内恵美,横井和美,糸島陽子,奥津文子.(2016).炎症性腸疾患患者における国内の看護研究の動向と看護課題,人間看護学研究,14, 23-29.

2) 「平成 29 年度において、厚生労働科学研究費補助(難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業))を受け、実施した研究の成果」第 3 版.難治性炎症性腸管障害に関する研究班(鈴木班)(2018).

3) 松岡克善,渡辺 守(2017):炎症性腸疾患診療の進歩 over-view.Mebio ,34, 4-9.

4) 横山純二 (2017) : 消化器内科領域 生物学的製剤が炎症性腸疾患の診療をどう変えたか―現状と課題, 新潟医学会雑誌, 131(8), 453-457.

5) 吉田礼維子(2003):成人初期の炎症性腸疾患患者の生活実態,日本難病学会誌,7(2),113-122.

6) 野川道子(2016):病気の不確かさ理論,野川道子(編),看護実践における中範囲理論(第 2版),276-303,メヂカルフレンド社,東京.

7) 富田真佐子,片岡優実(2016):炎症性腸疾患患者における病気の不確かさの特徴と関連要 因の探索,日本慢性看護学会誌,10(1),2-10.

8)横山薫 (2018) : 炎症性腸疾患患者 QOL 評価法とその課題, 生活指導, 日本臨床, 76(3), 577-581.

9) 渡辺守(2012):潰瘍性大腸炎の治療における医師と患者の意識比較,新薬と臨床,61(9), 151-168.

10) 鈴木真知子, 山口未久 (2015) : マール H. ミシェル不確かさ, 筒井真優美, 看護理論家の業績と理論評価(1), 451-466, 医学書院, 東京.

11) 吉村直樹,園田光,唯見徳馬,河口貴昭,酒匂美奈子,高添正和(2012):寛解期における潰瘍性大腸炎患者の疾患活動性に関する実態調査報告,Progress in Medicine,32(11),235-240.

12) 石橋千夏(2012):クローン病患者の病勢の察知と対処,大阪府立大学看護学部紀要,18(1), 69-74.

13) 山本孝治,布谷麻耶(2021):クローン病患者のセルフケアに関する文献検討-国内外の文献を対象にした検討-,日本慢性看護学会誌, 15(1),1-11.

14) 汲田明美,服部敦子,山田浩雅(2020):成人炎症性腸疾患者や支援者が考える成人移行期炎症性腸疾患患者の「生活力」,愛知県立大学看護学部紀要,26,103-111.

15) 小松喜子,前川厚子,神里みどり,渋谷優子,山崎京子,錦織正子,片平洌彦(2004):潰瘍性大腸炎患者とクローン病患者の実態と保健医療福祉ニーズ(1)共通点と相違点,日本難病学会会誌,9(2),109-119

16) 宮内清子(2012):シェーグレン症候群患者の疾病受容過程における思い,日本赤十字大学紀要,26,51-59.

17) 鈴木忠,飯牟礼悦子(2008):諦観と晩年性―生涯発達心理学の新しい概念として―,白百合女子大学研究紀要,44,101-127.

18) 菅沼慎一郎 (2015) : 青年期において諦めることはどのように体験されるか:プロセスに注目して,発達心理学研究, 26(1), 23-34.

19) Sunanda.V.Kane(2010/ 福島恒夫 2011):潰瘍性大腸炎・クローン病の治療・生活まるごとガイド―アメリカ消化器学会の指針に基づいた自己管理のポイント(1),100-118, メディカ出版,東京.

20)湯浅美千代(1996):憎悪 / 寛解を繰り返す慢性病をもつ患者へのケア技術―慢性関節リウマチ患者の疾病受容過程に着目して―, Quality Nursing,2(12),18-25.

21)Mishel,M.H.(1988):Uncertainty in illness, IMAGE. The Journal of Nursing Scholarship,20(4), 225-232.

参考文献をもっと見る