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東日本大震災被災者の心的外傷後成長の長期経過、およびその関連要因の解明

庄子, 朋香 東北大学

2023.03.24

概要

博士論文

東日本大震災被災者の心的外傷後成長の長期経過、
およびその関連要因の解明

東北大学大学院医学系研究科医科学専攻
神経・感覚器病態学講座精神神経学分野
庄子 朋香

目次
1.要約 .......................................................................................................................... 4
2.研究背景 .................................................................................................................. 6
2.1 心的外傷後成⾧(Posttraumatic Growth; PTG) ..................................... 6
2.2

PTG の評価 .................................................................................................. 7

2.3

PTG の関連要因 ........................................................................................... 8

2.4

七ヶ浜町における健康調査 ........................................................................ 11

3.研究目的 ................................................................................................................ 12
4.研究方法 ................................................................................................................ 13
4.1

対象者 ......................................................................................................... 13

4.2

質問項目...................................................................................................... 14

4.2.1

PTG を測定する尺度....................................................................... 14

4.2.2

心理社会的評価尺度 ........................................................................ 16

4.2.3

被災体験 ........................................................................................... 17

4.2.4

身体的な健康状態、経済状況 ......................................................... 18

4.3

倫理的配慮 .................................................................................................. 18

4.4

統計解析...................................................................................................... 19

5.研究結果 ................................................................................................................ 20
5.1

有効回答群と無効回答群の比較................................................................. 20

5.2

PTG の特徴 ................................................................................................ 20

5.3

PTG 下位尺度ごとの特徴 .......................................................................... 21

5.4

PTG および心理社会的評価尺度の縦断変化 ............................................ 22

5.5

心理尺度間の相関関係 ............................................................................... 23

5.6

PTG の縦断変化のパターンと関連する要因 ............................................ 24

6.考察 ........................................................................................................................ 27
6.1

東日本大震災による PTG の特徴 .............................................................. 27

6.2

PTG および PTSR、抑うつ、社会的つながりの縦断変化....................... 29

6.3

PTG の⾧期変化に関連する要因 ............................................................... 30

6.4

本研究の社会的意義 ................................................................................... 33

6.5

本研究の限界 .............................................................................................. 34

7.結論 ........................................................................................................................ 35
8.文献 ........................................................................................................................ 37
9.図............................................................................................................................ 41
10.表 ........................................................................................................................ 46

11.添付資料……………………………………………………………………………60

1.要約
心的外傷後成⾧(posttraumatic growth; PTG)は、トラウマティックな出来事を体
験することにより生じたポジティブな変化の経験と定義されている。PTG は、トラ
ウマ体験後 1 年未満の時間経過では高まることが報告されている一方、2 年を超す⾧
期の観察はなされておらず、PTG が一過性の反応であるのか、⾧期に渡り心理特性
に持続する変化をもたらすものであるのかについて明らかにされていない。
本研究は、宮城県七ヶ浜町で東日本大震災により大規模半壊以上の家屋被災に遭っ
た被災者全員を対象に、震災から 2 年後および 6 年後に調査を実施し、⾧期の時間経
過による PTG の変化と関連する要因を明らかにすることを目的とした。
その結果、被災コミュニティの集団全体としてみると PTG は東日本大震災から 2
年後と 6 年後において同程度に維持されていたことが示された。その一方で心的外傷
後ストレス反応(posttraumatic stress reaction; PTSR)は先行研究と同様に時間の経
過とともに減少していた。抑うつ症状は 2 年後と 6 年後において有意な差はみられ
ず、災害後⾧期に渡り持続することが示された。社会的つながりは、時間の経過とと
もに減少したことが示され、居住環境の変化とともに、人とのつながりが希薄になっ
た可能性が示唆された。
一方、個人レベルで 2 年後と 6 年後の変化を観察すると、PTG が縦断的に高いま
ま推移もしくは低いまま推移する群に加え、2 年目に低かった PTG が 6 年目に高ま
る群や、2 年目に高かった PTG が 6 年目に下降する群が存在し、PTG の縦断的な変

化には個人差があることが示された。また、発災時に強い恐怖を感じた体験や他者と
のつながりが強い社会環境は 6 年間に渡って PTG の高いレベルでの保持を促進して
いることが示された。一方、震災時のケガは PTG の生起を妨げる可能性が示唆され、
また、高齢であることは PTG の保持を妨げる可能性があることが示された。
本研究は、自然災害による心的外傷後成⾧の⾧期経過に個人差があり、被災時の体
験、社会的つながり、年齢等が⾧期経過のパターンに影響を及ぼすことを示唆した。

2.研究背景
2.1 心的外傷後成⾧(Posttraumatic Growth; PTG)
東日本大震災は被災住民の精神的健康に大きな影響をもたらした

1–4)

。災害はうつ

病や物質使用障害を含め、幅広くさまざまな精神疾患への罹患リスクを高めることが
知られているが

5,6)

、その中でも心的外傷後ストレス障害(Posttraumatic Stress

Disorder: PTSD)は、災害に直接起因して罹患する精神疾患といえる。American
Psychiatric Association が 作 成 し た Diagnostic and Statistical Manual of Mental
Disorders, 5th Edition(DSM-5)によると、PTSD は実際にまたは危うく死ぬ、重傷を
負う、性的暴力を受けるなどのトラウマティックイベントに曝露したことで、出来事
の場面が生々しく呼び起こされるなどの再体験症状、出来事を思い出させるものには
近づかないなどの回避症状、興味や関心を失うなどの否定的な感情および認知、不眠
や神経過敏になりちょっとしたことでどきっとしてしまうなどの過覚醒症状といっ
たストレス症状が 1 ケ月以上持続し、日常生活や社会生活に支障が生じているという
診断基準が定められている。また、診断基準を満たさずとも、再体験症状、回避症状、
否定的な感情および認知、過覚醒症状が心的外傷への反応として出現した状態は、心
的外傷後ストレス反応(Posttraumatic Stress Reaction: PTSR)と呼ばれる。これらの
反応はトラウマティックイベントに曝露することで生じたネガティブな影響といえ
る。
その一方で、1990 年代中ごろからトラウマティックイベントを経験したことで、

自己認識や他者との関係などにポジティブな変化が生じることが注目され、体系的な
研究が行われるようになってきた 7)。これは心的外傷後成⾧(Posttraumatic Growth;
PTG)やストレス関連成⾧(Stress-Related Growth)、利益の発見(Benefit-finding)
などと呼ばれる。その中でも PTG は、非常に困難な命の危険との戦いの結果として
生じるポジティブな変化の経験と本来、定義されているものである 8)。一方、今回 PTG
を評価するために用いた Posttraumatic growth inventory(PTGI)9)を含め、これまでに
PTG を評価するために用いられる尺度は、その変化の過程を評価するものではなく、
トラウマへの曝露から一定期間を経た後の時点において、トラウマ曝露以前に比べて
どの程度ポジティブな変化が生じて現在に至っていると認識しているかを評価する
ものとなっている。

2.2

PTG の評価

PTG の研究はその目的に応じて質的および量的に行われてきた。質的には主にイ
ンタビューによってその現象や過程、意味をとらえようとする試みである 10,11)。そ
の一方で、量的な研究では PTG を測定するいくつかの尺度が開発され、心理的要因
との関連が検討されてきた。PTGI および Stress-Related Growth Scale12,13)の2つが
広く用いられている。

2.3

PTG の関連要因

PTG と関連する要因についての研究も多く行われている。PTG と PTSR の関連
について、Wenchuan 地震から 3 年半後に、高校生を対象に行われた調査では、
PTG と PTSR の相関係数が.18(p < 0.1)であったため、PTG と PTSR は関連しな
いと結論付けられた 14)。一方、ハリケーンサンディの 1 年後から 3 年 10 か月後に
かけて、成人を対象に行われた調査では、PTSR が強まると PTG も強まるという結
果が得られた 15)。パートナーや子ども、きょうだい、両親といった近い関係にある
方を 3 年以内に亡くした成人の遺族を対象とした調査では、PTSR が強すぎても弱
すぎても PTG が低くなり中程度で PTG が高くなるという逆 U 字の曲線関係が観察
された 16)。また、治療のために救急科を訪れた暴行による被害者を対象に、暴行か
ら 2 週間後および 6 か月後に行われた調査では、両時点ともに PTG と PTSR に逆
U 字の曲線関係が観察された 17)。上記はいずれも PTSR を量的に評価し、PTG との
横断的な関連をみたが、対象者の年齢、トラウマティックイベントの種類と曝露の
程度、トラウマティックイベントからの経過時間によって、PTG と PTSR の関係性
が異なる可能性が推察された。
PTG と抑うつの関連については、ハリケーンサンディの 1 年後から 3 年 10 か月
後にかけて、成人を対象に行われた調査では、抑うつ症状がカットオフ値を超えた
場合をうつ病疑いとして、PTG を予測する解析を行ったところ、うつ病疑いは
PTG との関連が有意ではないことが示された 15)。一方、がん患者を対象としたメタ

分析で、PTG と抑うつは負の関連がみられると報告された(18)。さらに、遺族を対
象とした研究では、PTG と抑うつは、抑うつが強すぎても弱すぎても PTG が低く
なり、中程度の場合に PTG が高くなるという逆 U 字の曲線関係にあることが示さ
れた 16)。また、暴行被害者を対象とした研究では、暴行から 6 か月後の PTG と抑
うつは逆 U 字の関係にあったが、36 か月後では関連が認められず、トラウマティッ
クイベントからの経過時間によって、PTG と抑うつの関係性は異なることが示唆さ
れた 17)。したがって、PTG と抑うつの関連については、PTG と PTSR の関連と同
様に、トラウマティックイベントの種類と曝露の程度およびトラウマティックイベ
ントからの経過時間によって関係性が異なることが推察された。
PTG と被災体験の関連については、東日本大震災を経験した 9 歳から 15 歳の子
どもを対象とした調査で、家屋被災の程度が半壊以上か否か、家族の喪失の有無と
いった被災体験の有無によって PTG に有意な差は認められないという報告がなされ
た 19)。一方、ハリケーンサンディの被災者研究では、友人もしくは家族のケガや喪
失の有無、家屋被災の有無などの 30 項目から構成されるチェックリストによって評
価されたハリケーン曝露の数と PTG が関連していることが示されている 15)。ま
た、Ya’an 地震で被災した女性を対象とした調査では、ケガをすること、家がひどく
被害を受けると PTG のレベルが高まると報告されている 20)。
PTG と社会的支援の関連については、メタ分析により PTG に対する社会的支援
の効果量は中程度であることが示されている 21)。また、流産を経験した女性を対象

にした研究では向社会的行動に従事する女性は、全くしないまたはオンラインのみ
で従事している女性よりも PTG のレベルが高い 22)と報告されるなど、人とのつな
がりと PTG には正の関連がみられることが報告されている。
人口統計学的要因との関連については、メタ分析で男性に比べ女性は PTG のレベ
ルが高く、特に女性では年齢が上がるにつれて PTG が増加すると報告されている
。収入と PTG の関連については結果が一貫していない 24)。消防士、退役軍人、集

23)

中治療ケアスタッフなどの特定の職業に就いていることが、PTG を評価した総得点
のうち 6 割以上得点するという中から高いレベルの PTG を示す割合が大きいという
研究も報告されている 25)。また、主観的な身体的健康状態と PTG は無関係である
と報告がなされている 26)。このように、トラウマティックイベントの種類や経過時
間、対象者の年齢によって、PTG との関係性が異なることが推察されるため、研究
を蓄積し心理社会的および身体的、経済的要因と PTG の関連を明らかにすること
は、被災者支援という意味において重要と思われる。
また、PTG の縦断的な研究も行われている。職業上の事故についての研究では、
意図的な反芻と社会的支援を求めることが PTG の軌跡を有意に予測していることが
示された 27)。また、白血病患者の研究では、時間の経過とともに PTG が強まるこ
とと関連していたのは、ベースライン調査からの日数が⾧いこと、年齢が若いこ
と、核となる信念への挑戦の程度が大きいことであると示された 28)。その一方で、
自然災害による PTG の縦断研究は限られている。中国の Ya’an 地震から 6 カ月、

12 カ月、18 カ月後に、中学生を対象として行われた PTSD と PTG の認知過程につ
いての縦断的な研究では、ネガティブな出来事や気分の原因と結果についての反復
的な思考である反芻について、トラウマ関連の手がかりや否定的な気分に焦点を当
てることを含む侵入的反芻、トラウマについて意図的な再検討と熟考を伴う意図的
反芻の 2 種類の反芻として PTSD および PTG との関連を調査した。その結果、侵
入的反芻が PTSR を、意図的反芻が PTG を促進していたことが示された 29)。成人
を対象とした研究は、Wenchuan 地震から 12 か月後の PTG が 18 か月後の PTSR
をマイナスに予測していることが示された 30)。我々が知る限り、この研究の他に自
然災害によって生じる PTG の縦断的な研究は行われていない。また、PTG の経年
変化については 2 年未満の期間の観察にとどまっている。2 年の観察では PTG が一
時的な反応なのか、考え方の特性に永続的に残る影響なのかを論じることはできな
い。PTG を理解する上で、より⾧期の経過において観察することが求められる。

2.4

七ヶ浜町における健康調査

東北大学は東日本大震災後、宮城県七ヶ浜町と連携し、「七ヶ浜健康増進プロジェ
クト」として健康調査、避難所生活を送る住民のアウトリーチ活動、仮設住宅におけ
る健康をテーマにした講習会や茶話会などを実施してきた。七ヶ浜町は宮城県の中央
部沿岸に位置し、その名の通り 7 つの浜を有しており、三方を海に囲まれている。震
災直前の人口は約 2 万人で、ノリやワカメの養殖、漁業が行われていた。東日本大震

災では震度 5 強の地震に見舞われた後、大津波に襲われ、町の面積のうち 36.4%が浸
水した。
2021 年年 4 月 1 日時点における死亡もしくは行方不明者は 111 名であった。
「七ヶ浜健康増進プロジェクト」は、このような甚大な被害を受けた住民の身体的お
よび精神的健康の回復、維持、改善を目的としていた。プロジェクトの一環として、
2011 年 10 月から東日本大震災により家屋が全壊もしくは大規模半壊以上の被害を受
けた住民を対象に、
「東日本大震災:被災者健康診査」を実施してきた。震災発生から
2 年後の 2013 年および 6 年後の 2017 年に行われた調査で、PTG の評価を行った。
この調査は、これまで検証されることがなかったトラウマ曝露後のより⾧期な PTG
への影響を検証する上で有益と思われる。

3.研究目的
東日本大震災の被災コミュニティにおいて、自然災害をトラウマティックイベン
トとした PTG の6年に及ぶ⾧期に渡る経年変化を縦断的に評価することで、逆境体
験に遭遇した人のポジティブな変化が一過性のものであるか、⾧期に持続する現象
であるのかを検討し、PTG の本態の理解を深めること、また、PTG の縦断的な変
化に関連する要因を特定することを目的とした。
本研究は、PTG と精神的健康の縦断変化に関する知見を踏まえ、
(1)PTG はト
ラウマ体験曝露後に 6 年の⾧期に渡って残る心理的特性の変化を引き起こす現象を
捉えている、
(2)PTG の⾧期変化は、精神的健康や人とのつながりの状態の⾧期

変化と関連する、
(3)性別、年齢、被災体験、経済状況、身体的健康状態が PTG
の⾧期変化に影響する、という仮説を立て、その検証を行った。

4.研究方法
4.1

対象者

七ヶ浜健康調査は、東北大学と七ヶ浜町が共同で実施した。内閣府が定める定義に
従い、地方公共団体が罹災証明のために発行した家屋被災の程度が大規模半壊以上の
住民を対象とした。調査対象者について図1にフローを示す。2011 年における調査
開始時の対象人数は、2801 名であった。 ...

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Calhoun LG, Tedeschi RG, Cann A, Hanks EA. Positive outcomes following bereavement:

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43.

Currier JM, Mallot J, Martinez TE, Sandy C, Neimeyer RA. Bereavement, religion, and

posttraumatic growth: A matched control group investigation. Psychology of Religion and

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Roepke AM. Psychosocial interventions and posttraumatic growth: A meta-analysis. Journal

of Consulting Clinical Psychology. 2015;83(1):129–42.

9.図

図1

調査対象者のフロー

図1は、本研究における調査対象者のフローを示している。

a:第 3 期および第 7 期の両方に回答した 967 名のうち、PTGI に欠損があったため

155 名が解析から除外された。

b:第 3 期および第 7 期の PTGI に完答した 812 名のうち、3つの心理社会的尺度

(impact of event scale–revised, center for epidemiological studies depression, Lubben

social network scale)のいずれかに欠損があったため、364 名が解析から除外された。

図2

PTG の縦断変化のパターンに基づく2群おける PTG 得点の推移

図2は、PTG の縦断変化のパターンに基づいて分類した2群における、PTG 得点の

推移を示している。PTG 得点は平均値を示す。

PTG: posttraumatic growth, PTGI: posttraumatic growth inventory

80

70

60

50

40

30

20

10

第3期PTGI

図3

第7期PTGI

1群

2群

3群

(n=101)

(n=227)

(n=120)

PTG の縦断変化のパターンに基づく3群おける PTG 得点の推移

図3は、PTG の縦断変化のパターンに基づいて分類した3群における、PTG 得点の

推移を示している。PTG 得点は平均値を示す。

PTG: posttraumatic growth, PTGI: posttraumatic growth inventory

90

80

70

60

50

40

30

20

10

第3期PTGI

図4

第7期PTGI

高推移群

減少群

増加群

低推移群

(n=97)

(n=137)

(n=117)

(n=104)

PTG の縦断変化のパターンに基づく 4 群おける PTG 得点の推移

図4は、PTG の縦断変化のパターンに基づいて分類した 4 群における、PTG 得点の

推移を示している。PTG 得点は平均値を示す。

PTG: posttraumatic growth, PTGI: posttraumatic growth inventory

100

80

60

40

20

第3期PTGI

図5

第7期PTGI

1群

2群

3群

4群

5群

(n=82)

(n=110)

(n=47)

(n=108)

(n=101)

PTG の縦断変化のパターンに基づく5群おける PTG 得点の推移

図5は、PTG の縦断変化のパターンに基づいて分類した5群における、PTG 得点の

推移を示している。PTG 得点は平均値を示す。

PTG: posttraumatic growth, PTGI: posttraumatic growth inventory

10.表

表1

七ヶ浜健康調査の概要

表1は、七ヶ浜健康調査について調査時期、対象者数、回答数、回答率および各調査

時期に用いられた心理社会的評価尺度を示している。

IES-R: impact of event scale – revised、LSNS-6: Lubben social network scale、CESD: center for epidemiological studies depression、PTGI: posttraumatic growth

inventory

表2

有効回答群および無効回答群の基本属性および被災体験

有効回答群(n=448)

無効回答群(n=364)

Mean

SD

Mean

SD

p値

48.3

17.1

56.4

17.1

< .001

p値

男性

199

(52.0)

184

(48.0)

女性

249

(58.0)

180

(42.0)

なし

143

(56.3)

111

(43.7)

あり

184

(56.6)

141

(43.4)

なし

36

(50.0)

36

(50.0)

あり

294

(56.8)

224

(43.2)

なし

172

(58.9)

120

(41.1)

あり

142

(53.4)

124

(46.6)

68

(53.1)

60

(46.9)

377

(55.8)

299

(44.2)

苦しい

209

(56.5)

180

(43.5)

普通以上

238

(53.7)

183

(46.3)

平均年齢

性別

強い恐怖感

0.082

0.939

震災時におけるケガa

0.279

喪失体験

0.189

健康状態(第3期)

良くない

良い

0.581

経済状況(第3期)a

0.423

a ; 欠損あり

表2は、有効回答群および無効回答群における人口統計学的要因および被災体験の頻

度と割合を示している。p 値はχ二乗検定の結果を示している。

a:欠損あり

表3

有効回答群と無効回答群における PTG 得点の横断比較

第3期 PTGI

第7期 PTGI

平均値 標準偏差 中央値

有効回答群

448

46.7

22.3

45

無効回答群

364

47.9

22.3

50

有効回答群

448

47.5

22.7

48

無効回答群

364

48.5

23.3

49

p値

1.121

.262

.746

.455

表3は、第 3 期および第 7 期における有効回答群と無効回答群の記述統計と、PTG

得点を横断的に比較するために用いた Mann-Whitney の U 検定の結果を示している。

Z 値は検定統計量を示している。

PTG: posttraumatic growth, PTGI: posttraumatic growth inventory

表4

PTGI 得点における特徴

PTGI得点

平均値 標準偏差 中央値 検定統計量

p値

多重比較

性別

男性(n=199)

45.5

21.6

44

女性(n=249)

47.7

22.8

47

なし(n=143)

41.9

21.6

41

あり(n=183)

49.7

21.8

47

なし(n=36)

51.5

17.4

54

あり(n=294)

45.5

22.4

43

なし(n=172)

44.6

21.3

42

あり(n=142)

48.7

23.0

47

良くない(n=68)

45.2

22.1

46

良い(n=377)

47.0

22.3

45

47.4

22.8

47

普通以上(n=209) 46.1

21.6

45

20代(n=72)

41.7

23.3

36

30代(n=76)

47.1

23.5

43

40代(n=94)

44.3

21.7

41

50代(n=90)

48.4

23.3

47

60代(n=58)

54.3

19.0

58

70代(n=58)

46.1

20.1

47

.954

.340

-2.9

.003 **

1.9

.063

-1.7

.086

-0.6

.558

0.5

.649

14.6

.012 *

強い恐怖感a

震災時におけるケガ

喪失体験a

健康状態(第3期)a

経済状況(第3期)

苦しい(n=238)

年代

**

***

表4は、PTGI の合計得点について、性別、震災による強い恐怖感、震災時におけ

るケガ、親しい人を喪失した体験、第 3 期の健康状態、第 3 期の経済状況による差

を明らかにするために用いた Mann-Whitney の U 検定の結果を示している。年代に

よる差については、Kruskal-Wallis の検定の結果と多重比較を行った上で Bonferroni

による p 値の修正を行った結果を示している。

PTGI: posttraumatic growth inventory

* p < .05, ** p < .01, *** p < .001

表5

PTGI 下位尺度宗教的変化における特徴

宗教的変化

平均値 標準偏差 中央値 検定統計量

p値

多重比較

性別

男性(n=199)

2.8

2.3

女性(n=249)

3.0

2.5

なし(n=143)

2.5

2.2

あり(n=183)

3.1

2.5

なし(n=36)

3.0

2.2

あり(n=294)

2.8

2.4

なし(n=172)

2.5

2.2

あり(n=142)

3.3

2.5

良くない(n=68)

3.1

2.4

良い(n=377)

2.9

2.5

苦しい(n=238)

3.0

2.5

普通以上(n=209)

2.8

2.4

20代(n=72)

2.2

1.8

30代(n=76)

2.4

2.4

40代(n=94)

2.8

2.5

50代(n=90)

3.0

2.4

60代(n=58)

3.9

2.5

70代(n=58)

3.2

2.6

.364

.716

-1.8

.076

0.7

.491

-2.9

.004 **

0.8

.417

1.3

.192

19.7

.001 **

強い恐怖感a

震災時におけるケガ

喪失体験a

健康状態(第3期)a

経済状況(第3期)a

年代

***

**

***

表5は、PTGI の下位尺度の1つである宗教的変化得点について、性別、震災によ

る強い恐怖感、震災時におけるケガ、親しい人を喪失した体験、第 3 期の健康状

態、第 3 期の経済状況による差を明らかにするために用いた Mann-Whitney の U 検

定の結果を示している。年代による差については、Kruskal-Wallis の検定の結果と多

重比較を行った上で Bonferroni による p 値の修正を行った結果を示している。

PTGI: posttraumatic growth inventory

* p < .05, ** p < .01, *** p < .001

表6

PTGI 下位尺度人生への感謝における特徴

人生への感謝

平均値 標準偏差 中央値 検定統計量

p値

性別

男性(n=199)

8.1

3.6

女性(n=249)

9.0

3.7

なし(n=143)

7.5

3.7

あり(n=183)

9.4

3.4

10

なし(n=36)

9.9

3.0

11

あり(n=294)

8.4

3.7

なし(n=172)

8.2

3.6

あり(n=142)

9.0

3.6

良くない(n=68)

8.5

3.9

良い(n=377)

8.6

3.7

苦しい(n=238)

8.7

3.8

普通以上(n=209)

8.5

3.6

20代(n=72)

8.1

3.9

30代(n=76)

8.2

3.6

40代(n=94)

8.5

3.7

50代(n=90)

9.0

3.8

10

60代(n=58)

9.0

3.5

70代(n=58)

8.6

3.8

2.868

.004 **

-4.6

<.001***

2.4

.016 *

-2.1

.035 *

0.1

.955

0.6

.528

4.6

.473

強い恐怖感a

震災時におけるケガa

喪失体験a

健康状態(第3期)a

経済状況(第3期)a

年代

表6は、PTGI の下位尺度の1つである人生への感謝得点について、性別、震災に

よる強い恐怖感、震災時におけるケガ、親しい人を喪失した体験、第 3 期の健康状

態、第 3 期の経済状況による差を明らかにするために用いた Mann-Whitney の U 検

定の結果を示している。年代による差については、Kruskal-Wallis の検定の結果を示

している。

PTGI: posttraumatic growth inventory

* p < .05, ** p < .01, *** p < .001

表7

PTGI 下位尺度他者との関係における特徴

他者との関係

平均値 標準偏差 中央値 検定統計量

p値

多重比較

性別

男性(n=199)

15.7

7.7

16

女性(n=249)

17.3

8.2

18

なし(n=143)

14.5

7.9

14

あり(n=183)

17.7

7.7

18

なし(n=36)

18.0

6.5

20

あり(n=294)

16.1

8.1

16

なし(n=172)

15.8

7.6

16

あり(n=142)

17.1

8.3

18

2.104

.035 *

-3.6

<.001***

強い恐怖感a

震災時におけるケガa

1.6

.119

-1.4

.171

-0.8

.445

0.7

.462

11.2

.047 *

喪失体験a

健康状態(第3期)a

良くない(n=68)

15.9

8.0

15

良い(n=377)

16.7

8.1

17

苦しい(n=238)

16.8

8.4

17

普通以上(n=209)

16.3

7.6

16

20代(n=72)

15.1

8.6

14

30代(n=76)

17.0

8.6

17

40代(n=94)

15.6

8.1

16

50代(n=90)

17.1

8.1

17

60代(n=58)

19.1

6.7

20

70代(n=58)

16.3

7.0

16

経済状況(第3期)

年代

**

**

表7は、PTGI の下位尺度の1つである他者との関係得点について、性別、震災に

よる強い恐怖感、震災時におけるケガ、親しい人を喪失した体験、第 3 期の健康状

態、第 3 期の経済状況による差を明らかにするために用いた Mann-Whitney の U 検

定の結果を示している。年代による差については、Kruskal-Wallis の検定の結果と多

重比較を行った上で Bonferroni による p 値の修正を行った結果を示している。

PTGI: posttraumatic growth inventory

* p < .05, ** p < .01, *** p < .001

表8

PTGI 下位尺度個人的な強さにおける特徴

個人的な強さ

平均値 標準偏差 中央値 検定統計量

p値

多重比較

性別

男性(n=199)

8.7

4.9

女性(n=249)

8.6

4.7

なし(n=143)

8.1

4.8

あり(n=183)

9.1

4.8

なし(n=36)

9.8

4.1

10

あり(n=294)

8.5

4.9

なし(n=172)

8.5

4.8

あり(n=142)

8.9

良くない(n=68)

8.2

4.7

良い(n=377)

8.7

4.8

苦しい(n=238)

8.6

4.8

普通以上(n=209)

8.8

4.8

20代(n=72)

7.5

5.2

30代(n=76)

9.0

4.9

40代(n=94)

8.1

4.7

50代(n=90)

8.8

5.0

60代(n=58)

10.1

4.1

10

70代(n=58)

8.6

4.4

-0.115

.909

-1.8

.080

1.8

.069

-0.8

.453

-0.9

.391

-0.6

.580

13.0

.023 *

強い恐怖感a

震災時におけるケガ

喪失体験

健康状態(第3期)a

経済状況(第3期)a

年代

***

**

表8は、PTGI の下位尺度の1つである個人的な強さ得点について、性別、震災に

よる強い恐怖感、震災時におけるケガ、親しい人を喪失した体験、第 3 期の健康状

態、第 3 期の経済状況による差を明らかにするために用いた Mann-Whitney の U 検

定の結果を示している。年代による差については、Kruskal-Wallis の検定の結果と多

重比較を行った上で Bonferroni による p 値の修正を行った結果を示している。

PTGI: posttraumatic growth inventory

* p < .05, ** p < .01, *** p < .001

表9

PTGI 下位尺度新たな可能性における特徴

表9は、PTGI の下位尺度の1つである新たな可能性得点について、性別、震災に

よる強い恐怖感、震災時におけるケガ、親しい人を喪失した体験、第 3 期の健康状

態、第 3 期の経済状況による差を明らかにするために用いた Mann-Whitney の U 検

定の結果を示している。年代による差については、Kruskal-Wallis の検定の結果と多

重比較を行った上で Bonferroni による p 値の修正を行った結果を示している。

PTGI: posttraumatic growth inventory

* p < .05, ** p < .01, *** p < .001

表10

PTGI および心理社会的評価尺度の記述統計および縦断比較(n = 448)

平均値

標準偏差

中央値

PTGI

3期

46.7

22.3

45

合計得点

7期

47.6

22.7

48

PTGI

3期

2.9

2.5

宗教的変化

7期

3.0

2.4

PTGI

3期

8.6

3.7

人生への感謝

7期

8.9

3.7

PTGI

3期

16.6

8.0

17

他者との関係

7期

16.5

8.1

16

PTGI

3期

8.6

4.8

個人的な強さ

7期

8.7

4.9

PTGI

3期

10.1

6.1

10

新しい可能性

7期

10.4

6.0

10

3期

17.2

14.6

13

7期

13.7

14.2

3期

13.3

8.6

12

7期

12.9

8.5

11

3期

14.8

5.6

15

7期

13.8

5.8

14

IES-R

CES-D

LSNS-6

p値

1.04

0.297

0.99

0.324

1.91

0.057

0.02

0.982

0.74

0.462

1.22

0.221

-6.58

<.001

-1.86

0.062

-4.08

<.001

表10は、心理社会的評価尺度の記述統計および、第 3 期と第 7 期の各得点を比較

するために用いた Wilcoxon の符号付き順位検定の結果を示している。Z 値は検定統

計量を示している。

PTGI: posttraumatic growth inventory, IES-R: impact of event scale – revised, CESD: center for epidemiological studies depression, LSNS-6: Lubben social network

scale

表11

PTGI および心理社会的評価尺度の相関

第3期PTGI

第3期IES-R

第3期

第3期

第3期

第7期

第7期

第7期

第7期

IES-R

CES-D

LSNS-6

PTGI

IES-R

CES-D

LSNS-6

.337***

-.097*

.223***

.509***

.189***

-.040

.228***

.546***

-.173***

.109*

.595***

.448***

-.094*

-.314***

-.130**

.411***

.534***

-.247***

.173***

-.065

-.200***

.592***

.092

-.193***

.305***

.599***

-.079

第3期CES-D

第3期LSNS-6

第7期PTGI

第7期IES-R

第7期CES-D

-.263***

第7期LSNS-6

表11は、Spearman の順位相関係数を用いて算出した、第 3 期および第 7 期の

PTGI、IES-R、CES-D、LSNS6 の相関係数を示している。

PTGI: posttraumatic growth inventory, IES-R: impact of event scale – revised, CESD: center for epidemiological studies depression, LSNS-6: Lubben social network

scale

* p < .05, ** p < .01, *** p < .001

表12

第 3 期における PTG 下位尺度得点と心理社会的尺度の相関

第3期PTGI

宗教的変化

第3期PTGI

人生への感謝

第3期PTGI

他者との関係

第3期PTGI

個人的な強さ

第3期PTGI

新たな可能性

第3期

第3期

第3期

IES-R

CES-D

LSNS-6

.415***

.112*

.144**

.353***

-.058

.157**

.292***

-.100*

.271***

.204***

-.150**

.210***

.309***

-.108*

.156**

表12は、Spearman の順位相関係数を用いて算出した、第 3 期における PTG 下位

尺度得点と心理社会的尺度の相関係数を示している。

PTGI: posttraumatic growth inventory, IES-R: impact of event scale – revised, CESD: center for epidemiological studies depression, LSNS-6: Lubben social network

scale

* p < .05, ** p < .01, *** p < .001

表13

第7期における PTG 下位尺度得点と心理社会的尺度の相関関係

第7期PTGI

宗教的変化

第7期PTGI

人生への感謝

第7期PTGI

他者との関係

第7期PTGI

個人的な強さ

第7期PTGI

新たな可能性

第7期

第7期

第7期

IES-R

CES-D

LSNS-6

.274***

.079

.158**

.136**

-.155**

.242***

.061

-.192***

.382***

.024

-.150***

.218***

.068

-.108***

.247**

表13は、Spearman の順位相関係数を用いて算出した、第 7 期における PTG 下位

尺度得点と心理社会的尺度の相関係数を示している。

PTGI: posttraumatic growth inventory, IES-R: impact of event scale – revised, CESD: center for epidemiological studies depression, LSNS-6: Lubben social network

scale

* p < .05, ** p < .01, *** p < .001

表14

PTG の縦断変化のパターンと関連する要因

高推移群

オッズ比

減少群

95%信頼区間

下限

上限

0.48

2.21

オッズ比

増加群

95%信頼区間

下限

上限

0.62

2.36

オッズ比

95%信頼区間

下限

上限

0.83

3.17

性別

男性

1.04

女性

1.00

年齢

1.21

1.00

1.62

1.00

0.998

0.98

1.02

1.02

1.00

1.04

0.99

0.96

1.01

あり

2.31

1.07

5.01

1.39

0.71

2.73

1.53

0.78

3.01

なし

1.00

0.10

3.04

0.44

1.67

1.05

12.64

0.60

2.36

強い恐怖を感じた体験

1.00

1.00

震災時のケガ

あり

0.26

なし

1.00

0.05

1.37

0.20

0.04

0.97

1.00

0.56

1.00

親しい人の喪失体験

あり

1.65

なし

1.00

0.78

3.49

0.81

0.42

1.58

1.00

0.86

1.00

第3期健康状態

良くない

2.89

良い

1.00

0.75

11.21

3.27

1.00

10.64

1.00

3.58

1.00

第3期経済状態

普通以上

1.84

苦しい

1.00

0.85

3.95

0.93

0.47

1.83

1.00

1.19

1.00

第3期CES-D

0.97

0.91

1.02

0.99

0.94

1.03

0.98

0.93

1.02

第3期LSNS-6

1.15

1.07

1.24

1.08

1.01

1.15

1.09

1.02

1.16

表14は、低推移群を参照カテゴリとした場合の、多項ロジスティック解析の結果を

示している。従属変数は PTG の縦断変化のパターンによって分類した 4 群、説明変

数のうち因子は、性別、強い恐怖を感じた体験の有無、震災時のケガの有無、親しい

人を喪失した体験の有無、第 3 期の身体的な健康状態、第 3 期の経済状況、共変量は

年齢、第 3 期の CES-D 得点および LSNS-6 得点である。

11.

資料

添付資料

PTGI 質問項目

【6】東日本大震災が生き方に及ぼした影響についておたずねします。

以下の文章のそれぞれについて、2011年3月11日におきた震災の結果、あなたの生き方

に、これらの変化がどの程度生じたか、最もあてはまるところに、一つ、○を付けてくださ

い。

1.

人生において、何が重要かについての優先順位を変えた

0.全く、経験しなかった

1.ほんの少しだけ経験した

2.少し、経験した

3.まあまあ経験した

4.強く経験した

5.かなり強く、経験

0.全く、経験しなかった

1.ほんの少しだけ経験した

2.少し、経験した

3.まあまあ経験した

4.強く経験した

5.かなり強く、経験

した

2.自分の命の大切さを痛感した

した

3.新たな関心事を持つようになった

0.全く、経験しなかった

1.ほんの少しだけ経験した

2.少し、経験した

3.まあまあ経験した

4.強く経験した

5.かなり強く、経験

した

4.自らを信頼する気持ちが強まった。

0.全く、経験しなかった

1.ほんの少しだけ経験した

2.少し、経験した

3.まあまあ経験した

4.強く経験した

5.かなり強く、経験

した

5.精神性(魂)や、神秘的な事柄についての理解が深まった

0.全く、経験しなかった

1.ほんの少しだけ経験した

2.少し、経験した

3.まあまあ経験した

4.強く経験した

5.かなり強く、経験

した

6.トラブルの際、人を頼りに出来ることが、よりはっきりと分かった

0.全く、経験しなかった

1.ほんの少しだけ経験した

2.少し、経験した

3.まあまあ経験した

4.強く経験した

5.かなり強く、経験

した

7.自分の人生に、新たな道筋を築いた

0.全く、経験しなかった

1.ほんの少しだけ経験した

2.少し、経験した

3.まあまあ経験した

4.強く経験した

5.かなり強く、経験

した

8.他の人達との間で、より親密感を強く持つようになった

0.全く、経験しなかった

1.ほんの少しだけ経験した

2.少し、経験した

3.まあまあ経験した

4.強く経験した

5.かなり強く、経験

した

9.自分の感情を、表に出しても良いと思えるようになってきた

0.全く、経験しなかった

1.ほんの少しだけ経験した

2.少し、経験した

3.まあまあ経験した

4.強く経験した

5.かなり強く、経験

した

10.困難に対して自分が対処していけることが、よりはっきりと感じられるようになった

0.全く、経験しなかった

1.ほんの少しだけ経験した

2.少し、経験した

3.まあまあ経験した

4.強く経験した

5.かなり強く、経験

した

11.自分の人生で、より良い事ができるようになった

0.全く、経験しなかった

1.ほんの少しだけ経験した

2.少し、経験した

3.まあまあ経験した

4.強く経験した

5.かなり強く、経験

した

12.物事の結末を、よりうまく受け入れられるようになった

0.全く、経験しなかった

1.ほんの少しだけ経験した

2.少し、経験した

3.まあまあ経験した

4.強く経験した

5.かなり強く、経験

した

13.一日一日を、より大切にできるようになった

0.全く、経験しなかった

1.ほんの少しだけ経験した

2.少し、経験した

3.まあまあ経験した

4.強く経験した

5.かなり強く、経験

した

14.その体験なしではありえなかったような、新たなチャンスが生まれている

0.全く、経験しなかった

1.ほんの少しだけ経験した

2.少し、経験した

3.まあまあ経験した

4.強く経験した

5.かなり強く、経験

した

15.他者に対して、より思いやりの心が強くなった

0.全く、経験しなかった

1.ほんの少しだけ経験した

2.少し、経験した

3.まあまあ経験した

4.強く経験した

5.かなり強く、経験

した

16.人との関係に、さらなる努力をするようになった

0.全く、経験しなかった

1.ほんの少しだけ経験した

2.少し、経験した

3.まあまあ経験した

4.強く経験した

5.かなり強く、経験

した

17.変化することが必要な事柄を、自ら変えていこうと試みる可能性が、より高くなった

0.全く、経験しなかった

1.ほんの少しだけ経験した

2.少し、経験した

3.まあまあ経験した

4.強く経験した

5.かなり強く、経験

した

18.宗教的信念が、より強くなった

0.全く、経験しなかった

1.ほんの少しだけ経験した

2.少し、経験した

3.まあまあ経験した

4.強く経験した

5.かなり強く、経験

した

19.思っていた以上に、自分は強い人間であるということを発見した

0.全く、経験しなかった

1.ほんの少しだけ経験した

2.少し、経験した

3.まあまあ経験した

4.強く経験した

5.かなり強く、経験

した

20.人間が、いかにすばらしいものであるかについて、多くを学んだ

0.全く、経験しなかった

1.ほんの少しだけ経験した

2.少し、経験した

3.まあまあ経験した

4.強く経験した

5.かなり強く、経験

した

21.他人を必要とすることを、より受け入れるようになった

0.全く、経験しなかった

1.ほんの少しだけ経験した

2.少し、経験した

3.まあまあ経験した

4.強く経験した

5.かなり強く、経験

した

...

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