Out-of-Plane Anisotropic π-Conjugated Molecules Containing Multiple Anisotropic Units
概要
様式2
論
文
の
要
約
甲
報 告 番 号
第
1168
号
氏
名
須田
祐貴
Out-of-Plane Anisotropic π-Conjugated Molecules Containing Multiple
Anisotropic Units
(複数の異方性ユニットをもつ面外異方性 π 共役系化合物)
<序> 面外異方性 π 共役系分子は,平面 π 共役系骨格を垂直報告から官能基化すること
で形成され,π 共役面に直交した双極子モーメントをもつ。このような面外異方性分子
は,固体状態での凝集状態や有機/金属界面での物性発現の観点から興味がもたれてお
り,これらの現象は,分子の電子的な偏りを変化させることで制御できると期待される。
しかしながら,既存の面外異方性分子の多くは,異方性の起点となる官能基を骨格内に
1 つしかもたず,不可逆的な化学修飾によって面外異方性を発現させるため,その双極
子モーメントの大きさを制御することは困難であった。そこで本研究では,可逆的に変
換可能な複数の異方性官能基をもつ分子を用い,その面外異方性を制御する手法を考案
した。具体的には異方性官能基としてホスフィンスルフィドに着目し,これを骨格内の
3 か所に組み込んだトリホスファスマネントリスルフィド 1 を設計した。本分子は 3 つ
の異方性ユニットの相乗的な効果により,高い面外異方性をもつことが期待される。ま
たスルフィド体 1 より誘導したホスフィン体 2 の立体を制御した後に再びリン原子上を
修飾することで,面外異方性を制御できると期待できる。本博士論文では,1 つ目の目
標としてスルフィド体 1 の面外異方性と有機/金属界面で発現する物性の解明を目指し
た。また 2 つ目の目標としてホスフィン体 2 の異性化挙動を調査し,面外異方性制御へ
の応用を検討した。 ...