献呈のことば
概要
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献呈のことば
寺本康俊先生は、平成三一年三月末日をもって広島大学を定年によりご退職されました。寺本先生は平成九年一〇
月、広島大学法学部に助教授として着任されて以来、二一年半の長きにわたり、本学の教育、研究にたずさわり、法
学部、大学院社会科学研究科、そして広島大学に多大な貢献をされました。
教育面では、主に外交史をご担当され、その温厚篤実なお人柄と幅広い学識を慕う大勢の学生を指導し、学部、大
学院教育を通じて優秀な人材を社会の各方面に多数送り出してこられました。とりわけ、多数の中国人留学生の指導
に当たられ、その人脈によって大連大学や西南政法大学との間で教育・研究上の交流が深まったことは私たちの財産
となっています。
研究面では、戦前期の日本外交史を中心に研究を展開され、とりわけ日露戦争後の日本外交の変容と日本を取り巻
く国際関係について、日本の外交文書や関係資料を中心に、欧米各国の 外交文書などの原資料をも渉猟して研究を深
められました。先生の主著である﹃日露戦争後の日本外交﹄は関係分野に今なお大きな影響を与えています。
学内行政においては、長年にわたり各種委員会委員を歴任されました。特に、法学部昼間コース主任、法学部長、
大学院社会科学研究科法政システム専攻長、広島大学副学長、図書館長、ライティングセンター長などを歴任され、
部局における教育研究体制の充実に貢献されたのみならず、全学の管理運営にも大きな寄与をされました。
寺本先生の永年にわたる多大なご功績に感謝の意を表し、この退職記念号を献呈させていただきます。
最後に、寺本先生のご健康と今後ますますのご発展を祈念いたします。 ...