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大学・研究所にある論文を検索できる 「Distribution and Stabilizing Effect of Block Copolymers in Oil-in-Oil Emulsions」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Distribution and Stabilizing Effect of Block Copolymers in Oil-in-Oil Emulsions

浅野, 到 大阪大学

2021.06.23

概要

液-液相分離している溶液で、片方の相が液滴状になって連続相中に分散しているエマルション(乳液)は、各種分野で使用されており、その乳化安定性は機能向上の観点から重要である。一般的な乳液として水と油のO/WやW/O乳液が知られている中、特殊な乳液として、ホモポリマーA+ホモポリマーB+溶媒の3成分系から成るO/OやW/W乳液がある。これらは、高分子AとBの斥力相互作用を起因とした2相分離が溶媒中で誘起することで、高分子A溶液と高分子B溶液を主成分とする液滴相と連続相から構成される。

O/OやW/W乳液の乳化剤としてブロックコポリマーが報告されており、液滴の微細化や保存安定性の向上が可能である。その安定化機構は、O/W乳液に用いる界面活性剤と同様に、コポリマーの液-液界面への吸着と予測されているが十分に解明されてない。そこで本論文では、O/O乳液におけるブロックコポリマーの分布と乳化安定性について、実験と理論の両面からの明確化を目的とし、以下5章から構成されている。

第Ⅰ章は、緒言であり、O/OやW/W乳液の特徴、ブロックコポリマーの乳化剤としての機能やそれらの格子理論が記載されている。

第Ⅱ章では、ポリスチレン(PS)/ポリエチレングリコール(PEG)/クロロホルム(CHCl3)のO/O乳液に、リビングアニオン重合で分子量や共重合比率を制御したポリスチレン-b-ポリエチレンオキサイド(SO)を添加した際の安定化効果を調査した。特にSOに蛍光化合物を導入して標識化した後に、共焦点レーザー顕微鏡(CLSM)でコポリマーのみを選択的に観察することで、乳液中でのコポリマーの分布を明確化した。その結果、SOブロックコポリマーのPS共重合比率の上昇に伴い、コポリマーがPEGを主成分とする連続相から液-液界面、PS主成分の液滴相へと分布が変化することを明らかにした。SOコポリマーの分布と液滴サイズとの比較から、コポリマーが連続相に分布して高分子量化するに伴い液滴が小さくなるとわかった。

第Ⅲ章では、ブロックコポリマーを添加したO/OやW/W乳液の4成分系において、界面にコポリマーが配置すると仮定して格子モデルを組むことで、界面相の混合ギブスエネルギー密度を形式化した。更に界面相、液滴相と連続相間の相平衡条件を比較し、ブロックコポリマーの本乳液における分布について理論的に取り扱えるよう考案した。理論では、界面相のコポリマー濃度は、重合度、相互作用パラメータ、ホモポリマー濃度に強く影響を受けた。また、本理論と第Ⅱ章の実験結果も比較し、PS-液滴相とPEG-連続相へのSO分布が理論と一致するとわかった。

第Ⅳ章では、ポリスチレン(PS)/ポリブタジエン(PB)/クロロホルム(CHCl3)のO/O乳液にPS-b-PEO(SO)とポリブタジエン-b-ポリエチレンオキサイド(BO)との2種のコポリマーを添加し、PEOブロック鎖とPS、PBの相互作用の違いを活用した集合体の形成を図った。PEOの共重合比率を高くした場合、各相へ分布していたSOとBOが界面へ集合することをCLSMによって明らかにした。溶液中ながらPEOブロックをコアとするベシクル構造を形成しており、O/O乳液中での新しい界面への集合体を見出した。

第Ⅴ章は、本研究の総括として、O/O乳液におけるブロックコポリマーの分布について記述している。

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