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大学・研究所にある論文を検索できる 「THOC4 regulates energy homeostasis by stabilizing TFEB mRNA during prolonged starvation」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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THOC4 regulates energy homeostasis by stabilizing TFEB mRNA during prolonged starvation

藤田, 敏治 大阪大学

2021.05.31

概要

〔目的(Purpose)〕
オートファジーは細胞内の大規分解経路として知られている。オートファジーは細胞内で常に起こっているが、細胞が飢餓等のストレスにさらされると、強く誘導される。オートファジーではオートファゴソームと呼ばれる=重膜構造が出現し、これが細胞質の様々な成分を包み込みリソソームに運んで分解する。オートファジーは一連のオートファジー関連因子(A1g因子)によって駆動され、オートファジー・リソソーム機能のマスター転写因子として知られるTFEBによる正の制御を受ける。TFEBは栄養センサーとして知られるmTORによるリン酸化を介した翻訳後修飾によりその活性が抑制されることが知られているが、これ以外の制街機構についてはよく分かっていない。本研究ではオートファジー制独因子探素の過程で同定したRNA結合タンパク質THOC4のオートファジー制機構とその生理的意義について検討した。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)]
新規オートファジー制街因子を同定する目的で、オートファゴソーム形成部位に局在するタンパク質を質量分析により複数特定した。それらの因子の中からsiRNAを用いたスクリーニングにおいてオートファジー活性に特に強い影響を示したRNA結合タンパク質THOC4に着目し解析を行った。まずTHOC4抑制がオートファジー活性に与える影響を各種アッセイにより検討した。オートファジー活性を評価するLC3 fux assay, オートファジー特異的基質の分解など、全てのアッセイにおいて、富栄養時と短期の飢録時にはTHOC4制によってオートファジーが活性化することがわかり、THOC4はオートファジーの抑制因子であると考えられた。THOC4を抑制した細胞ではオートファジ-充進と一致してTFEBは脱リン酸化され活性化すると考えられたが、予想に反しTFEBのタンパク質発現そのものが顕著に低下していた。さらにTFEB大損細胞においても定常時と短期の飢餓時はTHOC4 抑制によりオートファジ一の亢進が見られた。このことからTFEBはオートファジーのマスター制側因子と考えられているが、TFEB非依存的なオートファジーの制機構が存在し、THOC4はこの機構を介してオートファジーを抑制することが示唆された。次にTHOC4によるTFEBの発現制御メカニズム、その生理的意義について検討した。THOC4を抑制した細胞にオートファジー、さらにはプロテアソームの阻害剤を加えてもTFEB発現が回復しないことから、THOC4抑制によるTPEBの減少はタンパク質分解によるものではないことが示唆された。THOC4抑制細胞では、TFEBのmRNAの量が低下していること、これが転写阻害剤添加下でも認められること、さらに外来のプロモーターによって発現させたTFEBも低下することなどから、THOC4はTFEBのmRNAの安定性を保つことでTFEBの発現維持に寄与すると結論づけた。一般にmRNAの安定性はpolyA鎖の長さによって規定されることが知られているが、実際にTHOC4抑制によりTFEBのpolyA鎖の短縮が認められた。よってpolyA鎖長維持によりTFEB mRNA安定性が保たれていると考えられた。このTHOC4によるTFEB制御の生理的意義を考える上で飢餓の長さが重要になるのではないかと予想を立てた。先行研究から長期の飢餓時にはTFEBによるオートファジー活性化により脂肪分解が促進することが知られている。そこで長期飢餓時のTHOC4とTFEBの発現を調べると、ともにmRNAレベルで亢進していることが確認された。さらに長期飢餓時では定常時や短期餓時とは異なり、THOC4均制によりオートファジー活性は低下することが分かった。また長期飢餓においてTHOC4を抑制すると、脂肪滴が蓄積し脂肪分解が阻害されることが培養細胞と線虫を用いた実験で明らかとなった。THOC4に加えてTFEBを同時に抑制しても脂肪の更なる蓄積はみられないことから、THOC4はTFEBを介して脂質分解を促進することが示唆された。これらのことから、長期銀においてTHOC4によるpolyAを介したTPEBのmRNAレベルでの発現維持が、オートファジー活性維持と脂肪代謝に寄与していると考えられる。

〔総括(Conclusion)]
THOC4は富栄養下や短期飢餓では、オートファジーを抑制している。しかし餓が長期に及ぶと、TFEBの発現を維持することで脂肪分解を促進し、長期飢餓時のエネルギー恒常性に寄与する。THOC4は飢銀の長さに応じてオートファジーを正にも負にも制御し得る非常にユニークな因子であることがわかった。加えて、TFEB非依存的なオートファジー制制機構の存在が示唆された。

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