リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「感染症媒介蚊の高密度休息場所の探索と新たな捕獲方法の開発とその評価」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

感染症媒介蚊の高密度休息場所の探索と新たな捕獲方法の開発とその評価

平林, 公男 信州大学

2022.01.13

概要

2版

様 式 C−19、F−19−1、Z−19 (共通)

科学研究費助成事業  研究成果報告書
令和

2 年

7 月

3 日現在

機関番号: 13601
研究種目: 基盤研究(C)(一般)
研究期間: 2017 ∼ 2019
課題番号: 17K09155
研究課題名(和文)感染症媒介蚊の高密度休息場所の探索と新たな捕獲方法の開発とその評価

研究課題名(英文)Investigation of resting place of adult Aedes albopictus in suburban areas, and
its phototaxis.
研究代表者
平林 公男(HIRABAYASHI, KIMIO)
信州大学・学術研究院繊維学系・教授

研究者番号:20222250
交付決定額(研究期間全体):(直接経費)

3,700,000 円

研究成果の概要(和文): ヒトスジシマカ成虫が昼間高密度で休息する場所を特定するために、開発した捕虫
ゲージを用いて、様々な種類の植物を一定容積覆い、捕獲される成虫数をカウントした。成虫は直射日光の当た
らない環境、大きな葉の茂る植物や植物が密に生い茂る環境に高密度で休息していた。また、ヒトや動物の通る
道際などの比較的吸血源にアプローチし易い環境を好む傾向も抽出された。
開発したLED光源装置を用いて、赤、青、緑、白、燈、Uv、白色光で直線偏光フィルターをかけた光源への走
光性を調査したが、光源間で有意な差は認められなかった。また、白色光源を点滅させた場合も、捕獲数に有意
な差は認められなかった。
研究成果の学術的意義や社会的意義
ヒトスジシマカ成虫の休息場所が明らかになれば、ヒトが吸血される可能性の高い場所が明確となり、感染ハ
イリスク地点が明確になる。薬剤散布などの防除のエリアが明確となり、現在と比較して薬剤散布量を減少させ
ることができ、IPMに即した効率的な成虫防除作業が実施できる。また、成虫の休息しやすい特徴をもつ植生を
人家周辺から遠ざけたり、公園植生などでもこの様な視点で植物種を選考したりすると、感染症媒介蚊の吸血防
止策にも役立つと思われる。

研究成果の概要(英文): In order to investigate high density resting places of adult Aedes
albopictus in the daytime, using the net cylinder insect catcher that we made, we covered various
types of plants and counted the number of captured insects. A. albopictus rested at high density in
the following environments: shaded places and plants with big leaves and thick growth. Moreover, A.
albopictus preferred places that were easy to approach source of blood to suck, e.g., humans and
animals.
On the other hand, using the LED light equipment which we made, we investigated the adult
phototaxis in response to the different wavelengths (white color LED lamp, red, blue green, amber,
UV and white color lamp which covered by a linearly polarized light filter). As a result, captured
A. albopictus numbers are not significant among the LED lamps. In addition, a pulsed white LED-lamp
did not attract as many as the continuous emission white LED lamp.

研究分野: 衛生動物学
キーワード: ヒトスジシマカ 感染症媒介蚊 植物群落 休息場所 蚊成虫防除 走光性 波長 都市近郊

※科研費による研究は、研究者の自覚と責任において実施するものです。そのため、研究の実施や研究成果の公表等に
ついては、国の要請等に基づくものではなく、その研究成果に関する見解や責任は、研究者個人に帰属されます。



式 C-19、F-19-1、Z-19(共通)

1.研究開始当初の背景
(1)国内・国外の研究動向及び位置づけ
蚊が媒介する感染症は、一時、国内からは減少する傾
向をみせたが、近年、多くの旅行者が感染症流行地に旅
行する機会が増え、感染者が帰国または来日した場合に
は、輸入感染症による国内感染の拡大が懸念されている
(国立感染症研究所, 2015)
。デングウイルス感染症(以
下、デング熱)では、年間、全世界で約 1 億人がデング
熱を発症し、約 25 万人がデング出血熱を発症すると推
定されている(右図)
。我が国においても、2013 年 8 月
にドイツ人女性が日本国内を旅行し(長野県上田市 →
山梨県笛吹市 → 広島市 → 京都府 → 東京都)
、帰国後
にデング熱を発症し、1 例の再興感染症として報告された(Kobayashi et al, 2014)。また、2014 年の夏季に
は輸入症例により持ち込まれたと考えられるデングウイルスにより代々木公園周辺で 150 例以上の国内流
行が発生した。一方、2016 年には、南米で流行したジカウイルス感染症(以下、ジカ熱)がシンガポール
やタイなど東南アジア各国でも広がりはじめ、日系企業も警戒を強め、経済活動にも影響が広がった(WHO
2016 最新レポート;右図)。
我が国においては、デング熱、ジカ熱、チクングニアウイルス感染症(以
下チクングニア熱)のいずれもが、ヒトスジシマカ、ネッタイシマカによ
り媒介され、特にヒトスジシマカは東北北部から南西諸島まで広く分布
し、我が国の都市部における代表的な蚊の一種である。本種の世界的な分
布は、我が国からの古タイヤの輸出とともに拡大し、現在、欧米各国に分
布が広がりつつある(CDC-USA, 2016)
。こうした状況を踏まえ、厚労省
は、2015 年、蚊媒介感染症に係わる指定感染症予防指針(厚労省告示 260
号)を告示し、各都道府県において、感染症勃発時に「適切なリスク評価
を行い、必要な範囲で対策を実施」することを求めている。
(2)これまでの研究成果を踏まえ、着想に至った経緯
2014 年夏季に代々木公園周辺地域で起きたデング熱の国内感染例を振り返ってみたときに、現地におけ
る感染症媒介蚊の駆除・防除に関し、問題となったのは以下の 3 点であった。問題①:媒介蚊の休息場所
が不明なため、薬剤散布などの防除エリアが不明確であり、幼虫生息場所付近を重点的に行った。問題②:
民家などと接しているなどの理由で、成虫防除のための薬剤散布が出来ない場所があった。問題③:媒介蚊
吸血飛来密度算定のための調査法は「人囮法」で調査者・採集者の安全性が確保できにくい。
こうした状況を踏まえ、これまでの申請者における準備状況を検討した。以下の 3 点に整理できた。ま
ず 1 点目として、申請者は 2014-2016 年にかけて、これまで報告のなかった「内陸性気候帯における感染
リスクマップの作成」を、ヒトスジシマカの生息数に基づいて完了させている(下図;High リスク地域が
赤色)
。その作成の過程で、ヒトスジシマカの幼虫の生息密度が高い地点が、必ずしも成虫吸血飛来数が多
い地点ではないことが判明した。同様に、ヒトスジシマカ成虫吸血飛来数が多い地点の近傍に、必ず幼虫高
密度生息地があるわけではないことが判明した。このことは、幼虫が羽
化して成虫となり、幼虫生息場付近で野生動物やヒトの吸血を即行う場
合と、成虫が羽化後、いったん休息場所(成虫の集まりやすい場所)に
移動し、その付近で待ち伏せし、動物やヒトの血液を吸うパターンがあ
ることを示唆している。つまり、薬剤散布などの成虫防除対策を行うに
あたり、幼虫高密度生息地周辺地域だけをターゲットにして、薬剤の散
布をしていただけでは、防除対策としては不十分であることを意味して
いる。
2 点目として、2014 年のドイツ人の例や、代々木公園周辺地域での国
内流行例で明らかな様に、感染症勃発時に、如何に平常時の観測データ、
感染症媒介蚊の生態学的な知見を知り得ているのかが、極めて重要であ
ると思われた。しかし、現在、平時におけるモニタリング調査は、採集
者に吸血に来る蚊類を、捕虫網などで捕獲する「ヒト囮法(誘引源とし
て「ヒト」を利用)
」によるもので、調査者・採集者の安全性に疑問がも
たれているということである。
3 点目として、2015 年の代々木公園周辺地域におけるデング熱国内流行時には、成虫対策として大量の
薬剤散布が行われたが、近隣住民の薬剤に対するアレルギーの問題、食品工場周辺や畑、水田などの付近に
は散布出来ないなどの問題点も急浮上した。薬剤を用いた化学的防除に代わる新たな成虫防除法の検討も
急務であることが明らかとなった。

(3)何を明らかにしようとしているのか
前項 3 つの問題点を解決するために、以下のような方針を立てた。問題①については、
「ヒトスジシマカ
成虫の羽化後の休息場所(成虫が好んで休息するために移動して数多く集まる場所)を明らかにする」という
ことである。ヒトスジシマカ成虫の吸血飛来数が多い地点で、近傍に幼虫高密度生息地が無い箇所を抽出
し、パターン化することによって、成虫休息場所の予測を行い、実際に現地に赴き、確認、評価を行うこと
が重要である。問題②と③については、
「ヒトスジシマカの誘引特性を把握し、新たな調査法(人囮法でな
い誘引トラップの開発)を行う」ということである。そのためには、野外実験用の小規模 LED 光源実験装
置の開発・改良を行うことが必須である。申請者はこれまでに、水生昆虫類の物理的防除に関する調査研究
を行ってきた(平林ら, 2016)。その中で、光や音を利用した水生昆虫類の大量捕獲を行い、成果を上げてき
ている(平林, 2018 他)。本研究では、ヒトスジシマカ成虫の走光性を明らかにし、LED 光源を利用した調
査法の確立を目指す。先行研究として、ヒトスジシマカと同じヤブカ属に属するネッタイシマカでは、長波
長の赤外域に誘引されること(Magnum et al., 1968)。一方、ハマダラカ属は近紫外光に誘引されることが
知られている(Clements, 1992)
。近年、LED を用いた害虫防除法が報告され、ヌカカの防除で成功した
例がある(Rodriguez-Rojas et al., 2016)
。ヒトスジシマカに対して、単独の波長を放射できる LED ラン
プを複数準備し、どの波長に最も誘引されるのかを、成虫密度の高い休息場所付近において検討すること、
また、ヒトスジシマカの学習効果回避のための点滅照射についても、誘引個体数に影響を与えるかの検討
も必要となってくる。
2.研究の目的
蚊が媒介する感染症は近年多くの旅行者が流行地域に旅行する機会が増え、輸入感染症として国内に持
ち込まれ、国内感染の短期拡大が危惧されている。感染症媒介蚊の行動特性や高密度生息地の特徴などの
生態学的な知見の蓄積は、感染症拡大を未然に防ぎ、その対策を立てる上で極めて重要である。近年、我が
国で集団感染を起こしたデング熱や侵入が危惧されるジカ熱などの媒介蚊であるヒトスジシマカに焦点を
あて、以下の 2 点を明らかにする。①成虫の高密度で休息する場所の特定(成虫防除範囲の特定)。②成虫の
走光性を把握し、誘引効果の高い波長を明らかにする。成虫高密度地点において野外誘引実験を行い、成虫
の光誘引特性を明らかにし、現行の人囮法で無い「新たな誘引トラップの開発」
、成虫防除のための大量捕
獲装置の検討を目指す。
3.研究の方法
(0)長野県内の 1 定点において、ヒトスジシマカ成虫の発生動態を、毎日モニ
タリングし、以下の(1)と(2)の野外調査を行う上で、いつ調査を行えば効率
よく成虫が高密度で捕獲できるのかを調査し、常に検討した。3 年間、毎年、
5 月中旬から 10 月中旬まで、基本的に毎日、6:30 に同一人物が昆虫ネット
を使って 6 分間、吸血飛来したヒトスジシマカ成虫を捕獲し、計数した。
(1)成虫休息場所の予測と現地確認調査
①成虫吸血飛来数が多い地点で、近傍に幼虫高密度生息地が無い箇所を右
図のデータベースより抽出し、特徴をパターン化する。
②実際に現地に赴き、成虫の休息場所を確認し、評価を行う。
③現地の環境要因をパターン化する。
④成虫の休息場所の一般化を行う。
(2)成虫の走光性を把握し、新トラップを開発
①野外用の小規模 LED 光源実験制御装置の開発を行う。また、実験を
行いながら改良も行う。
②本装置で、野外において誘引波長の異なる LED 光源に誘引される成

調査データベースの一部分

虫数を調査し、高密度飛来波長を明らかにする。
③波長領域は可視光領域で調査し、反応が鈍い場合には、近紫外光領域まで拡大する。
④LED ランプの特性を利用し、光源を点滅させた場合と連続照射光とでの比較、点滅間隔を変えた
場合の比較などの調査を行う。
⑤直線偏光や円偏光など、偏光に対する誘引性の調査を行う。
4.研究成果
(0)長野県上田市における 2017 年から 2019 年までの 3 年間におけるヒトスジシマカの発生動態を示した
(次ページの図)
。この基礎データに基づき、成虫密度の高い時期に以下の(1)と(2)の野外調査を行った。
2017 年は 6/28-10/4 まで捕獲、2018 年は、6/8-10/9 まで捕獲、2019 年は、6/8-10/3 まで捕獲された。2018

年は酷暑の夏で、成虫捕獲パターンは例年と異なっていた。

2017年成虫捕獲パターン

2018年成虫捕獲パターン

25

25

20

20

15

15

10

10

5

5

0

0

5月15日

6月15日

7月15日

8月15日

9月15日

10月15日

2019年成虫捕獲パターン
25
20
15
10
5
0
5月23日

6月23日

7月23日

8月23日

9月23日

捕虫ゲージを用いて、植生に被せ昆虫類を捕獲
(1)成虫休息場所の予測と現地確認調査
申請者はこれまでに、幼虫生息密度データベース(のべ 1000 カ所)と、成虫吸血飛来数調査データベース
(のべ 300 カ所)を作成している。これらのデータベースから、①ヒトスジシマカ成虫吸血飛来数が多い
地点で、近傍に幼虫高密度生息地が無い箇所を 50 カ所抽出し、場所の特徴をパターン化した。その結果、
樹木に覆われた直射日光の当たらない場所(ブドウ棚の下など)が抽出できた。②実際に現地に赴き、成虫
の潜み場所を開発した捕虫ゲージ、網などを用いて探索し、確認、定量化した(上記写真)。その結果、植物
の種類よりも、葉の大きな植物(茗荷、フキなど)、植物が密に分布(ツツジなど)している場所、ヒトが歩く
道際などが、抽出され、相対的に多くの個体が捕獲できた。
(2)LED ランプ、制御装置の開発・改良
ヒトスジシマカが特定波長に誘引される LED トラップの開発・改良を行った(下図)。

LED 制御装置のイメージ(左)と各ランプのエネルギー量の概念図(右)

(3)波長の異なる LED ランプを用いて誘引飛来個体数の調査
本装置を用いて野外において同放射エネルギー量で誘引波長の
異なる LED 光源に誘引されるヒトスジシマカの捕獲個体数を比較
した。LED 光源の波長範囲はネッタイシマカが赤外域、ハマダラ
カ属が近紫外域に誘引されていることから、近紫外光を発する Uv
(365nm に波長のピーク) LED ランプから、
赤外光に近い Red(660nm
に波長のピーク)LED ランプまでの間に、
4 種類のLED ランプ
(Blue:
445nm のピーク、Green:520nm、Amber:588nm と波長ピークが 450nm
と 550nm の 2 つにある White)を利用し、合計 6 種類の LED ラン
プを用いて、成虫の誘引性を検討した(右図)。下の写真にあるよ
うに野沢式ライトトラップに LED ランプをつけ、同時に 3 波長で
比較を行った。トラップ設置場所の特徴を無くすために、各ラン
プの位置をローテーションさせ、White は常にどの組み合わせに
も入れた。コントロールとして、通常の BLB ランプをつけた野沢
式ライトトラップで捕獲された個体数を基準に、その相対値で評
価を行った。その結果、何れのランプにおいても捕獲数は、偶然
捕獲されたと思われる組み合わせが数回あったが、基本的には、
ほとんど捕獲されなかった。White の連続照射に対し、以下の 3 段
階の点滅(0.1 秒間隔、0.5 秒間隔、1 秒間隔)パターンを準備し、
その効果も検証したが、同様にほとんど捕獲されなかった。
ヒトスジシマカ成虫は、LED ランプでは誘引されないことが明らかとなったため、光質を変え、偏光フィ
ルターを用いて、調査を継続した。偏光については、他の昆虫類で誘引効果があることが知られている。偏
光の種類としては、直線偏光と円偏光の 2 タイプを対象に調査を行った。しかし、何れの組み合わせにお
いても、誘引個体数はほとんど無かっ
た。結論として、ヒトスジシマカの光誘
引に関しては、ほぼ認められないことが
明らかとなった。
(4)今後の展望
本研究を実施している間に、日陰と日
向が成虫の吸血の行動様式に大きく影
響を及ぼしている可能性が示唆された。
太陽の動きとともに、成虫の微休息場が
変化する可能性があるので、同一地点に
おける成虫休息場の日変化を明らかに
していきたい。
(5)補足結果

記録的猛暑に見舞われた 2018 年初夏におけるヒトスジシマカの発生動態について。
2018 年初夏は記録的な猛暑が続き、人々の生活や健康に大きな影響を及ぼした。本研究では、ヒトスジ
シマカ成虫の発生動態と気温などの環境要因との関係を考察した。これまで得られたデータと比較して、
猛暑であった 2018 年のヒトスジシマカ成虫の吸血飛来のパターン違いについて検討することは、晩春の早
い時期から気温が上昇する年の発生パターンの特徴が明らかとなり、また、今後の温暖化に向けた予防対
策の一つを検討する上で、重要なポイントとなってくる。2018 年は 5/20 に気温、照度、気圧が記録できる
データロガーを調査地に設置し、捕獲は翌日の 5/21 朝 6:30 から開始した。採集時の気温は 11.8℃で 0 匹
/6 分間であった。その後、毎朝調査を継続し、初めて成虫が捕獲されたのが 6/8(気温 18.5℃)で 5 匹/6 分
間であった。2010 年、2016 年の 6/5 に次ぐ早い初記録日であった。6/10(19.3℃)に捕獲数の 1 回目のピー
ク(7 匹/6 分間)を記録した後、6/27-7/22(連日、熱中症注意報や警報が出されていた:採集時の気温範囲
は 19.8-25.3℃、平均 23.2±1.6℃)まで、0-2 匹/6 分間の日々が続いた。その後、7 月下旬から、例年の捕
獲パターンに戻った。2018 年は、例年よりも早くから多数の個体が捕獲されたが、猛暑であった期間はほ
とんど成虫の捕獲が無く、早朝の調査であることを考慮すると、この間、成虫の密度自体が少なかった可能
性が示唆された。また、2018 年初夏は降雨もほとんど無かったため、本種の発生源であるプラスチック容
器などの小水域が、高温下においてほとんど消失したために、幼虫密度も下がった可能性が示唆された。
引用文献
平林公男,東野真,谷口彬雄,山本優 (2016) LED ランプと蛍光管ランプに対する水路から発生する水生昆
虫類の走光性-ユスリカ類に注目して.環動昆.27:43-52.

5.主な発表論文等
〔雑誌論文〕 計5件(うち査読付論文 5件/うち国際共著 4件/うちオープンアクセス 5件)
1.著者名
Osamu Komagata, Yukiko Higa, Atsushi Muto, Kimio Hirabayashi, Masahiro Yoshida, Takashi Sato,
Naoko Nihei, Kyoko Sawabe, Mutsuo Kobayashi
2.論文標題
Predicting the Start of the Aedes albopictus (Diptera: Culicidae) Female Adult Biting Season
Using the Spring Temperature in Japan.
3.雑誌名
Journal of Medical Entomology

4.巻
54

5.発行年
2017年
6.最初と最後の頁
1519-1524

掲載論文のDOI(デジタルオブジェクト識別子)
10.1093/jme/tjx159

査読の有無

オープンアクセス

国際共著



オープンアクセスとしている(また、その予定である)

該当する

1.著者名
Hirabayashi, K., N. Nihei, M. Kobayashi, Y. Tuda and K. Sawabe

4.巻

2.論文標題
Elevated distribution of the Asian tiger mosquito, Aedes albopictus (Skuse) (Diptera:
Culicidae), in the inland mountain area of Nagano and Yamanashi Prefectures, Japan.
3.雑誌名
Journal of the American Mosquito Control Association (JAMCA)

5.発行年
2020年

掲載論文のDOI(デジタルオブジェクト識別子)
10.2987/19-6902.1

査読の有無

オープンアクセス

国際共著

36

6.最初と最後の頁
1-10



オープンアクセスとしている(また、その予定である)

該当する

1.著者名
平林公男

4.巻

2.論文標題
長野県軽井沢町における蚊相

5.発行年
2020年

3.雑誌名
ペストロジー

6.最初と最後の頁
5-7

掲載論文のDOI(デジタルオブジェクト識別子)
10.24486/pestology.35.1_(5)

査読の有無

オープンアクセス

国際共著

35



オープンアクセスとしている(また、その予定である)
1.著者名
Hirabayashi, K., N. Nihei, M. Kobayashi, Y. Tuda and K. ...

この論文で使われている画像

参考文献

平林公男,東野真,谷口彬雄,山本優 (2016) LED ランプと蛍光管ランプに対する水路から発生する水生昆

虫類の走光性-ユスリカ類に注目して.環動昆.27:43-52.

5.主な発表論文等

〔雑誌論文〕 計5件(うち査読付論文 5件/うち国際共著 4件/うちオープンアクセス 5件)

1.著者名

Osamu Komagata, Yukiko Higa, Atsushi Muto, Kimio Hirabayashi, Masahiro Yoshida, Takashi Sato,

Naoko Nihei, Kyoko Sawabe, Mutsuo Kobayashi

2.論文標題

Predicting the Start of the Aedes albopictus (Diptera: Culicidae) Female Adult Biting Season

Using the Spring Temperature in Japan.

3.雑誌名

Journal of Medical Entomology

4.巻

54

5.発行年

2017年

6.最初と最後の頁

1519-1524

掲載論文のDOI(デジタルオブジェクト識別子)

10.1093/jme/tjx159

査読の有無

オープンアクセス

国際共著

オープンアクセスとしている(また、その予定である)

該当する

1.著者名

Hirabayashi, K., N. Nihei, M. Kobayashi, Y. Tuda and K. Sawabe

4.巻

2.論文標題

Elevated distribution of the Asian tiger mosquito, Aedes albopictus (Skuse) (Diptera:

Culicidae), in the inland mountain area of Nagano and Yamanashi Prefectures, Japan.

3.雑誌名

Journal of the American Mosquito Control Association (JAMCA)

5.発行年

2020年

掲載論文のDOI(デジタルオブジェクト識別子)

10.2987/19-6902.1

査読の有無

オープンアクセス

国際共著

36

6.最初と最後の頁

1-10

オープンアクセスとしている(また、その予定である)

該当する

1.著者名

平林公男

4.巻

2.論文標題

長野県軽井沢町における蚊相

5.発行年

2020年

3.雑誌名

ペストロジー

6.最初と最後の頁

5-7

掲載論文のDOI(デジタルオブジェクト識別子)

10.24486/pestology.35.1_(5)

査読の有無

オープンアクセス

国際共著

35

オープンアクセスとしている(また、その予定である)

1.著者名

Hirabayashi, K., N. Nihei, M. Kobayashi, Y. Tuda and K. Sawabe

4.巻

10

2.論文標題

5.発行年

Vertical distribution of Culex pipiense complex mosquitoes compared with Aedes albopictus in an

2020年

inland climate mountain area, Yamanashi Prefecture, Japan.

3.雑誌名

6.最初と最後の頁

Proceedings of the 10th International Conference on Urban Pests

掲載論文のDOI(デジタルオブジェクト識別子)

査読の有無

オープンアクセス

国際共著

オープンアクセスとしている(また、その予定である)

該当する

1.著者名

Hirabayashi Kimio and Zukeran Hikari

4.巻

2.論文標題

Increase in environmental light conditions boosts massive flights of aquatic insects.

5.発行年

2017年

3.雑誌名

Proceedings of the 9th International Conference on Urban Pests

6.最初と最後の頁

45-51

掲載論文のDOI(デジタルオブジェクト識別子)

査読の有無

オープンアクセス

国際共著

オープンアクセスとしている(また、その予定である)

〔学会発表〕 計10件(うち招待講演 2件/うち国際学会 1件)

1.発表者名

平林公男

2.発表標題

長野県上田市の一民家におけるヒトスジシマカの発生動態の長期観察

3.学会等名

日本衛生動物学会

4.発表年

2018年

1.発表者名

平林公男

2.発表標題

記録的猛暑に見舞われた2018年初夏におけるヒトスジシマカの発生動態について

3.学会等名

日本衛生動物学会東日本支部大会

4.発表年

2018年

1.発表者名

平林公男

2.発表標題

初夏の気温上昇がヒトスジシマカの発生に影響を与えた

3.学会等名

日本衛生学会

4.発表年

2019年

該当する

1.発表者名

平林公男・雀翔気・岡田峻典・難波広樹・大塚健斗・高橋弘良・小俣立史

2.発表標題

ヒトスジシマカ成虫休息場所の探索の試み

3.学会等名

日本衛生動物学会東日本支部大会

4.発表年

2017年

1.発表者名

平林公男

2.発表標題

内陸性気候帯におけるヒトスジシマカの分布とその対策

3.学会等名

日本衛生学会(招待講演)

4.発表年

2018年

1.発表者名

Hirabayashi Kimio and Zukeran Hikari

2.発表標題

Increase in environmental light conditions boosts massive flights of aquatic insects.

3.学会等名

The 9th International Conference on Urban Pests(招待講演)(国際学会)

4.発表年

2017年

1.発表者名

平林公男

2.発表標題

山梨県内におけるアカイエカ種群の水平/垂直分布

3.学会等名

日本衛生動物学会東日本支部大会

4.発表年

2019年

1.発表者名

平林公男

2.発表標題

長野県に内におけるアカイエカ種群の垂直分布

3.学会等名

日本ペストロジー学会

4.発表年

2019年

1.発表者名

平林公男

2.発表標題

長野県東北信地方の観光地における蚊相の研究

3.学会等名

日本衛生学会

4.発表年

2020年

1.発表者名

平林公男

2.発表標題

避暑地 長野県軽井沢町における蚊相

3.学会等名

日本衛生動物学会

4.発表年

2020年

〔図書〕 計1件

1.著者名

津田良夫 ・安居院宣昭 ・谷川力 ・夏秋優 ・林利彦 ・平林公男 ・山内健生 編

2.出版社

朝倉書店

3.書名

衛生動物の事典

〔産業財産権〕

4.発行年

2020年

5.総ページ数

429

〔その他〕

週刊長野 朝刊 2019.7.27 よろず大辞典 Piラメキ 「ブーンとやってくる蚊ってどんな生き物?」第13面

6.研究組織

氏名

(ローマ字氏名)

(研究者番号)

所属研究機関・部局・職

(機関番号)

備考

...

参考文献をもっと見る